2021年06月18日

インパール作戦の反省会2

インパール作戦を含む日本軍の失敗作戦の分析書、
「失敗の本質」という本があるそうだ。
戦術レベルで答えてくれる本だろう。

そこに載っている5つの原則が面白かった。
https://diamond.jp/articles/-/116603?page=2


なんとなくこうなりたいなという、
結果だけの理想があり、
そこに至るビジョンはない
→出来る部下に色々立案させる
→それらを合理性ではなく、好みで判断して、
理想(そんなものはないので、好みなのだが)と違うとして、
理想に近いように修正させる

→ある程度は許容範囲として部下は遂行
→途中で報告させる、全然理想と違うと叱り、
理想通りにせよと勧告
→現場は現実的には無理と上申
→理想を叶えるように指示
→無理と上申
→無理と言ったやつの首を切り、
出来るといったやつを雇う
→現場崩壊

僕がいままで見聞きしてきたものは、
こんな感じが多かった。

無理の許容範囲を現場がどこまでにするか、
が崩壊のポイントになるかな。


じゃあ、正しいプロジェクトの推進はどうあるべきか。


ゴールを明確にし、
そのためのロードマップを明らかにする、
それは現実的に可能な範囲で、
「そこならいける」と誰もが思うもの。
(出来れば斬新でありたい)
→具体的なルートを部下が立案、
その中には困難を越えられなかった時のプランBも多数含まれる、
現実的にはそのロードマップはすごく上手くいった時に過ぎないと、
誰もが理解していて、願望と現実の差がみえている

→途中のトラブルは織り込み済み、
状況に変化があっても、ゴールやコンセプトが明確ならば、
それに応じて判断を変えられる
→達成率60%や70%でも、現実的には勝利する、
という計画を完遂


やはり、
プロジェクト初手の、
青写真の明確さではないだろうか。

その青写真が、
ドリームに満ちてるか現実解かは問題ではなく、
「そこに行ける」と、
誰もがルートが分かればどちらでもよい。

魅力的だが出来もしない青写真は、
一番意味がない。
あるいは、ぼんやりしすぎて何もわかってない青写真もだ。


優秀なリーダーは、
現実を正確に把握して、
辿り着ける次のゴールとおおまかなルートを示して、
なおかつ夢を見させるほどの斬新さがあるべきだ。

この三つのどれかが欠けただけで、
組織は路頭に迷い、
インパール作戦の渦へ簡単に落ちるだろう。


この議論では、上と現場くらいの簡単なモデルにしたが、
多くの現実では、
さらに無能な中間管理層がいたりする。
下を恫喝するやつとかね。


東京五輪やGotoなど、
今回のえらいひとたちの無能ぶりは、
かなりのものだということが分かった。

我々はこれらを、人の社会の本質として、
作品に生かす義務がある。
posted by おおおかとしひこ at 22:39| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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