2021年06月22日

【自キ】自キはなぜ高いのか

逆に考えよう。

市販のキーボードは大量生産だから安いのではない。
心地よさや工夫を削って安くしたのだ。

心地よさや使い勝手を良くするなら、
それだけのコストが本来かかるものなのだと。


本来ならば、
スイッチは底打ちオン、離せばオフ、
みたいな単純機構よりも、
半ばくらいでオンになり、あとはフォロースルーになる方がいいに決まってる。

本来ならば、
指にあった変荷重がいいに決まってる。
本来ならば、
滑らかで直進性が良く、
押すだけで気持ちいいクッションになっているべきだ。
静粛性があるべきだ。あるいは、いい音が鳴るべきだ。
あるいは、触り心地は個人の好みに合わせてチューニングするべきだ。

それが、
やっすいベコベコの画一的なメンブレンにコストダウンされたわけだ。


本来ならば、
キーキャップは指に合わせたオーダーメイドの形をしているべきだ。
本来ならば、
高級な手触りのキーキャップがいい。

それが、
ABSで大量生産品のキーキャップになったわけだ。


本来ならば、
プログラマブルであるべきだし、
本来ならば、
自分の手に合わせた形がいいし、
本来ならば、
ファッショナブルで個性的な見た目がいい。

それが、
同じ基盤を焼いた、
同じ地味な見た目で、
大量生産品にすることでコストを下げたわけだ。


つまり自作キーボードとは、
メーカーのコストダウンで失われた、
「潤沢に予算をかけた、道具として本来あるべき姿」
を取り戻そうという運動である。

2000円のキーボードよりも、
高々3万円のキーボードよりも、
失われた何かを持っているから、
高いのだ。

その失われた何かに、
それほどの価値を感じないなら、
自作キーボードを作ってもメリットを感じないと思う。


僕は、
左右分離で、ミニマルで、
持ち運びがたやすく、
スピードスイッチなのに軽いスロースプリングで、
しかも底打ちがダメージがない柔らかさがあり、
なおかつ指に合わせたオーダーメイドのキーキャップを使っている。

それに10万円出すのは苦ではない。

逆に、市販品で10万円出したって存在しないからね。


実際には4万円くらいのコストで組めるけど、
そこに至る試行錯誤代は、とうに20万を超えている。

キーボードには、それくらいかける価値がある。
万年筆沼で50万や100万溶かすのと、
僕はたいして変わらないと思っている。

仕事道具だし、
それがクオリティに直結するなら、
いい道具にするのは当然。



市販のキーボードはコストダウンで、
いい部分が削られまくっている。
高々3万円の日本最高級市販キーボードでも、
僕には物足りない。

削られたいい部分とはなんだろう。
それが触ってわからない人には、
価値がないかもしれない。

しかしそれを欲している人には、
自作キーボードは高いけど高くないと思う。
切実にそれが欲しいから、金を出す。

高いという人は、実際のものを触って欲しい。
それでも高いというなら、
その感覚はいらない人なのだろう。
キーボードは触覚の道具だと僕は思っている。
触覚を表す日本語のボキャブラリーは少ない。
触った感覚で感じるしかないのが、
むずかしく、おもしろい領域だ。
posted by おおおかとしひこ at 09:40| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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