2021年06月22日

鏡を使った演出

昨日あげた例だけでなく、
鏡やガラスの写り込みを使った演出は、
よく使われる。

例をあげてみよう。


切り返しで撮るべきものを、
ワンショットで繋ぐことで強くする例。

・店に入ってきた男をじっと見つめる店員を、
 店内の鏡に写してワンショットで捉える
・バスの窓に映るニューヨーク。
 その窓をあけて希望に満ちた顔をする移民。
・背後を取って攻撃したと思ったら、
 それは鏡に映った像だった

フィックスだけじゃなくて、
鏡や窓を動かしたり、人物を動かしたりした、
アクションを組み合わせるのがコツだろう。

ガラスや鏡そのものを使った例はこんなのか。

・窓ガラスに映った自分を見ていたのかと思いきや、
 窓の中を見ていた(またはその逆)
・写り込みで変な風に見えている、あるいは美しく見えていたものが、
 窓ガラスを開けると正体がわかる
・マジックミラーだとわかってて取る態度
・三面鏡に写る顔が、ひとつだけ違う…
・潜望鏡や逆に下を見るやつなど、普段の体制では見れない道具を使う
・男の部屋に忘れ物があり、それが手鏡(女のもの)


適当に思いつく例をならべてみた。

鏡は異界への入り口という説も出るくらい、
そこに虚像世界をつくることができる。
とくにカメラ撮影すると、
鏡や窓のフレームを映さない場合、
虚像世界は世界そのものになってしまう。

それをトリックに使うことができるわけだね。
美容院や床屋、化粧室、控室、ショーウィンドーや店先など、
大きな鏡や窓がある場所は、
トリックに使いやすい。

鏡を使うと、二つの世界をつなぐことができる。
そういう風に使うと面白くなる小道具のひとつだ。
posted by おおおかとしひこ at 11:20| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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