2021年06月23日

【自キ】自キの魔力

不思議なことに、
既成のキーボードの枠組みから離れて自由になると、
感覚の分解能が上がってくる感覚がある。


左ロウスタッガードから解放されて、
コラムスタッガードや格子配列を使う
→あれとあれはどう違うのかとか、
小指の当たりの感触、親指の配置、
パームレストの有無などなど、
新しく知ったことでまた分解能があがる

キーキャップのプロファイルを知る
→チェリーとOEMの違い、DSAとXDAの違い、
MDAとXDAの違いなど、
キーキャップを変えれば変えるほど、
プロファイルの違いの指の感覚分解能があがる

PBTキーキャップの良さを知る
→ABSとの違いが判るようになると、
触っただけで気になるようになってくる

キースイッチを交換する
→押下圧の違いだけでなく、ブレ感、なめらかさ、
タクタイルならバンプ感の違いまで敏感になり、
打鍵の分解能があがってくる

ルブする
→ぬるぬる感の違いがわかってくるようになる
音にも敏感になってくる

ケースを改造する
→衝撃の感覚の違いや、残響の違い、振動の違いの分解能があがる

親指クラスタの活用
→もっといろいろ親指でできるのでは?
と親指の分解能があがる


などなど、
ひとつの要素を覚えるたびに、
「違いがわかる」ようになってしまい、
色々な分解能があがるようになると思う。

ついでに、

文字配列を変える
→もっといい配列があるのでは?と、
運指効率の分解能があがる

ようにも思う。


自作キーボードは、
「これが自分でコントロールできるなら、
これもできるのでは?」
と思ってしまった人たちの試行錯誤の過程と、
「これがよかった」というプレゼンの連続で、
成り立っていると思う。

分解能があがってしまうと、
前のものでは満足できず、
良いものスタートが基準になり、
感覚がぜいたくになってしまう。
グルメと同じかもしれない。


で、
「どんな良い感覚があるんだい?」
と興味津々になってしまい、
何個もキーボードをつくり、
違いを味わわずにはいられなくなるのだろう。

感覚の分解能があがることは、
とても良いことだ。

色んなキーボードの良いところ、悪いところを、
触ってわかるようになる。
何が自分に合っていて、何が合わないか、
つまり自分とは何か、という分解能もあがる。

しかし同時に、
粗悪なキーボードでは、我慢できなくなるわけだ。
グルメはもう安居酒屋では満足できなくなるわけだね。


グルメの義務は、
「おいしい」「まずい」だけでなく、
まったく別の言葉で、
知らない人に、初心者にむけて、紹介、評論することだと思う。
そのことで、
「こういう感覚、ものごとの分解がある」
ということを知ることが出来るからだ。
そのことで、また別のところの感覚の分解能もあがるかもしれない。

そのキーボードは、
文字を書く為にあるんだろ?
posted by おおおかとしひこ at 21:42| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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