2021年07月02日

【薙刀式】自分の手を観察してみる

たまに自分の手元を動画で撮り、
一体どのような指の動きをしてるのか研究することがある。
今回新しくわかったことを書いていく。


https://youtu.be/uP-L3G2oVS8

現在3Dキーキャップrev3のため、
「指の三次元的な動き」を理解しようとしている。
完璧にはわからないくらい複雑ではあるが、
影響の大きなところ、
自分の気づいていないところを観察するために、
動画を時々撮ってはじっと見ている。

(黄色いマステはキーキャップのこれから改造する部分の、
角度をつくってある部分)


今回の、新たな気づきを列挙しておく。

・自分の手はホームポジションに殆どいない
・とくに小指と親指は常に浮いていて、
 スタビライザーがわりになっている
・上段を打つときは全指が伸びる
・下段を打つときも全指が丸まる
・肘や肩も動いて、打鍵に参加している


ひとつひとつ論じよう。

・自分の手はホームポジションに殆どいない

以前にも議論したことだ。
無邪気な打鍵モデルでは、
「指は常にホームポジションにある。
打つときはその指だけ動いて担当のキーを打ち、
打ち終えたらホームポジションに戻ってくる」
であるが、
そんなものは現実にあり得ない。

秒5カナ(打)くらい打っている時に、
わざわざホームポジションまで戻すのは無駄だ。
動いた先で各自待機が合理的である。

動画をよくみると分かるけど、
両手がホームポジションに戻って待機するのは、
思考の切れ目の数回程度、
一秒にも満たない時間のみだ。

片手だけに注目すると、
反対の手が勢いよくアルペジオで連続している時に限り、
無意識にホームポジションに戻るっぽい。

薙刀式は右手でアルペジオすることが多いから、
その間は左手がホームポジションで休んでる感じだね。


・とくに小指と親指は常に浮いていて、
 スタビライザーがわりになっている

これが特に新しい発見。
人差し指、中指、薬指はわりとキートップに触れるか触れないかの位置をキープしてる。
(上中下段に関わらず)
しかし小指と親指は、キートップより遥かに高い位置にいる。

出番がないときは、スタビライザー代わりに動いているっぽい。
手首の回転や指の曲げ伸ばしを補助してるのだろう。

とくに親指は人差し指下段の時、
つまむような動作をすることが多い。

僕が親指シフトを「掴む動作で打つ」
と聞いた時のイメージそのものだ。
実際にはこんなに傾いた位置に親指キーがないから、
親指シフトの「掴むように打つ」なんて詐欺じゃね?
と僕は思っているくらい。

そうじゃなくて、人差し指や中指が丸まってくるときに、
親指も一緒に丸まって、勢いをつくるんだなあという発見。


・上段を打つときは全指が伸びる

親指や小指だけが補助をしているのではない。
人差し指上段を打つときは、
中指も小指も伸びて、勢いをつくっている。
他の指を上段へ伸ばす時、残りの指も同様に動く。

こうすることで、
単独で指を伸ばすよりも、伸ばしやすくなるはず。


・下段を打つときも全指が丸まる

逆に下段の時は、全指が丸まって、
より早く楽に丸めることをしているっぽい。

こんな風に手指が動くことを前提として、
論理配列や自作キーボードって作られてるかな。
多分そういうモデルで考えてないよね。

いや、僕の打ち方が素人だからこうなのかも知れない。
ピアニストなら単独指だけで動かすような、
指の分解が出来ているのかも知れない。

しかし、素人ほどこのように、
「分離できてない、従属状態」で打っていかなければならないわけだ。


・肘や肩も動いて、打鍵に参加している

タイピングは手の運動のみではない。
動画から明らかなように、
肘は微妙にちょいちょい動いてるし、
肩だって位置調整に使われていることがわかる。
なるほどだから肘肩も痛めることがあるんだな。
(動画ではあまり感じられないが、
腰も動いてるのかね)

あるいは1:00すぎ、両肩を同時にあげたりして、
全体をリラックスさせようとしている動きもあったりする。



これらを見ても、あるいは思考実験でも、
無邪気なモデルでは近似できなさそうに思う。

こういうことに気づいたうえで、
論理配列や自作キーキャップなどをつくるべきだろう。

これは僕の独自の打鍵フォームなのだろうか?
他人のこのアングルでの映像を見ない限り結論は出せなさそうだなあ。

一番たくさん見れるのはパソ活さんの動画だけど、
左右分割じゃないし、
qwertyローマ字だしで、
それだけでだいぶ違うフォームとリズムになっている。

ただ、
ホームポジションには僕より長いこといるっぽい。
ローマ字でどれくらいの速度で文章が完成しているのか、
ちょっとイメージしにくいが、
文節単位くらいでホームポジションで休んでる気がする。
あと、
右手がエンターやカーソルなどの操作をするとき、
左手は長い間ホームポジションで休むっぽい。

親指と小指がスタビライザーになっているのは、
同じのようだ。
ただ動画の角度では左親指がどうかは不明。
左小指もAの頻度ゆえにわりとベタ置きになってしまいがち。
右親指と右小指はわりと浮いて、スタビライザーになっているように見えた。

上下段で全指ごと動くのは、それはそうみたい。
肘と肩の動きは広い絵がないため不明。



書いてる文字があればさらに分かりやすくなると思うので、
次回の薙刀式動画はこのアングルでいきたい。
(その為のテスト動画だったのだ…)
posted by おおおかとしひこ at 11:06| Comment(2) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
左右分割は唯一Kinesis Freestyleの動画がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=4qHBpboCSQY
ただしほとんど広げてないので普通と比べて肩を開いている感じはせず、押下圧が体感で60gくらいはあってRealforceとは振りかぶり方が違うため、「分割キーボードを打ったとしたら」の想定としては適してないとは思います。

ちなみにJISキーボードで普段は肘の間の距離は53cm(肘の接地部分で計測)
分割キーボードを想定して、フルキーボードのテンキーと左手用に置いているテンキーに手を乗せると、64cmくらいの開き具合になります。

ーーー
大岡さんの動画を見ると、関連動画に2020/09/19の【かな配列薙刀式】3Dキーキャップテスト2
があったので拝見したところ、現在の動画よりもキーの上に指を乗せていることが多いように見えました。

現在の動画はほとんど指を浮かせていてパームレストが無いので、ホームポジションで待機しているときに手首と甲の筋にわずかな負担がかかり続けて、長時間の作業で自覚症状が出にくい疲れにならないか?という印象に見えましたが、主観ではそんなこと無いんでしょうか。

指を浮かすか乗せるかで、
↓引用
"右手がエンターやカーソルなどの操作をするとき、左手は長い間ホームポジションで休むっぽい。"
このようなタイミングで違いが出てくると思います。

余談ですが自分は左手用として使っているRealforceのテンキーをとにかく軽くしようとして、(自己計測で)23〜26gほどの押下圧にしたら、23gのキーが指を乗せたときに反応するので気を使うようになり、かえって気疲れするという結果になってしまったことがあります。

大岡さんが昔よりも指を浮かすようになっているとしたら、押下圧を軽くしたことが原因ということはありませんか?
Posted by パソ活 at 2021年07月02日 23:20
>パソ活さん

・キネシスと分割
動画を見ました。たしかに重そうで、エルゴノミクスとは言い切れないですね。
でも逆チルトは打ちやすそう。
キーボード自体がずいぶんハノ字に開いてるなと思いました。
「肩が開く」ためには前腕は平行が理想かなと思います。
僕は両腕は肩幅くらいで脇は軽くあけて、少しだけハノ字にしてる感じです。(肘の間は今測ったら46cm。肩幅や体格で変わる値かもです)

・浮かせ続けてないか?
以前の動画と比べて、待機の時の高さは変わってない気がします。
カメラの角度の問題で違うように見えるのかも?
(手前側に来ている手で比較するとあまり変わらない感覚)

右手を見ると、触れるか触れないかのところで待機してるみたいですね。
手と前腕の間の、小指側に常に重心があるので、
手首を反らせている感覚はとくにないです。
体重をもともとキーには預けず、手首側に預けてる感覚です。

ただ、手の甲ないし指を置かないための筋肉(複合的な)は、
どこかで緊張をしてる可能性は否定できません。
パームレストでなくてリストレストを置いてみて体感で実験しようかな。

・軽い押下圧と関係ある?
スロースプリングにしたので、
リニアスプリングに比べて、アクチュエーションが同じでも、
始動圧(動き始め)は重くなっています。
なので指が触れることを恐れることはなくなりました。
さらにアクチュエーションまでが半分くらいのスピードスイッチなので、
始動圧30、アクチュエーション35、ボトム45くらいの改造スイッチになっています。


前の3Dモデルに対して、
今回の3Dモデルは、
トップ面の抉れを少なくして(スフェリカルのRを大きくして)、
より撫で打ちに特化しています。
これによって「指を包んで休む形」よりも「撫でやすい形」
になったと感じています。
トップ面が指を包んでない分、単に浮いて見える説はあるかも?
Posted by おおおかとしひこ at 2021年07月03日 00:41
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