2021年07月11日

開墾者は不動産屋になって終わる

ビジネスってそういうことなのかね。


とくに結論はなくて雑談なんだけど。

家電メーカーだって、
そもそも色んな発明品を作って成長したのに、
今は他人のメーカーを吸収して販売するだけの会社になっている。

映画会社も、
社員脚本社員監督社員カメラマン社員俳優社員美術、
だったものが、
全部外注になって、
社員プロデューサーだけになる。
そのうちフリープロデュースの作品を買い、
配給しかしなくなるのではないか。

土地を開拓する、
つまり岩をどけたり草を刈ったりする、
開墾者みたいな人がいたとして、
そんな人はもう職業としてはいなくて、
開発された土地を切り売りするだけの不動産屋になっている。

CMはもともと企業の宣伝部が企画して、
外注のプロダクションが作ってたけど、
そのうち広告代理店が企画してプロダクションに外注するようになった。
20年前はコピーライターやプランナーが、
コンテを自分で書いてたけど、
今弊社に来るコンテは、
数行で書かれた字が増えた。
あとはこっちで整える、みたいなやつだ。


開発者はいなくなり、
不動産屋になる。

開発はリスクがあるからだ。
リスクというと難しい。
創作は、失敗をするからである。
その代わり、創作は、成功することもある。

かつて3割ヒットを打てばエースと呼ばれた。
つまりは7割は失敗してもいいと。

その3割の稼ぎで、7割の損失を補填して、
トータルで儲ける仕組みであった。

いや、全員エースじゃないんだから、
8割や9割は失敗なのが常態なのである。


エースになれなかった人は、
開発から管理者側に回る。
そして、開発せず不動産屋になる。

すでに売れたものを買ってきて、
利鞘をつけて売るわけだ。

9割失敗しないから、手堅く生きられるのだろう。


こうして、
開発しない不動産屋だらけになると、
大きく外れることもないが、
時代を変えるヒットもなくなる。
新鉱脈は発見されず、土地転がしだけになるからだ。

僕は開墾者でありたいし、
不動産屋に興味はない。

いま開墾者はどこにいるんだろう。
ネトフリかな。


自作キーボードはみんな開墾者で、
ほんと楽しいんだよね。
でも俺キーボードで食っていくつもりは全然ない。
詳しくはなったけど。


頭のいいやつが、次の世界観を提示して、
それに皆がついていく、という時代から、
みんなにいい顔をする人気者タイプが、
空気を読んで中庸を示す時代になったような気がする。
潤滑油タイプばかりだ。

八咫烏から、こっくりさんに、
時代のレベルが下がってる気がするんだよね。


映画はもうブルーオーシャンではない、
という考え方もあるかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 11:45| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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