どれくらいが適切なのだろう。
もちろん、打鍵法やスイッチの押下圧、
論理配列による運指法によって、
最適なものは異なる可能性がある。
撫で打ちなら浅い方がいいだろうし、
突き刺し系なら指にフィットする深い方がいい。
隣のキーとアルペジオするときと、
二つ離れたキーとアルペジオするときでは、
指の角度や侵入角が異なることがわかっている。
あるいは、
指先のRは、指によって違う。
親指は丸いし、小指は細っこい。
スフェリカルに抉れていれば、
全方向に対応するが、
シリンドリカルに抉れていれば、
前滑り打法がしやすい。
どちらに特化するべきか。
現在の3Dキーキャップのトップ面をつくるとき、
三種類試作した。
スフェリカルの深さが、
1.5mm、1.0mm、0.5mmと、
0.5mm刻みのやつだ。
0.5mmなんて大して変わらないかなと予想したのだが、
全く違うものを触っている感触だった。
コンドームの厚みが分かるくらいだから、
0.5mmはかなり分厚いわけだ。
指先の感覚というのは馬鹿にできない。
しかし短時間ではそんなに変わらない。
数時間触るようなときに、
全く違う感触が指に残るようだ。
1.5mm深さは、指を突っ込むような感覚になる。
SAのように、指が包み込まれた感じ。
撫で打ちには向かないので却下した。
1.0mm深さは標準的かなと思ったが、
使い込んでいくうちに、
指が固定される不快があった。
凹みに指を合わせないといけない不快さがあり、
撫で打ちにはまだ深すぎた。
0.5mm版はrev2として発売したもので、
浅く撫で打ちしやすいと踏んだものだ。
今試作して使っているものは、
0.2mmと、更に浅くしたものだ。
ほとんど平面だけど、
わずかに球形に凹んでいる感じ。
撫で打ち特化版ともいえるこの浅さが、
とてもいいと思ったんだけど、
長期的に打っていると指が痛くなってくる。
丸い指が平面っぽいものに当たるので、
点接触になるからだろう。
撫で打ちで線接触だとしても、
さらなる面接触にしたほうが傷まないはずである。
(摩擦によるエネルギー損失とのバランス?)
今逆に、
1.25mmを作っている。
ためしに親指用のを2個だけつくってみたら、
なんだか良かったのだ。
だが親指のRと他の指はまた違う。
ので、次の試作は0.2と1.25を混在させることになる。
3Dの曲面は、
平面のつぎはぎによってもたらされるわけではない。
ディンプルボールのように、
凹み同士の相対関係と、
凹みそのものの形と、
両方が関係しているっぽい。
市販の画一的なキーキャップでは分からない世界に、
僕はそろそろ片足をつっこんでいるようだ。
市販品の自分の感想。
スフェリカル。
XDAは浅すぎて指が痛くなった。
SAは深すぎて撫で打ちしづらい。
DSAはちょうどいいけど、中指下段は浅いと思う。
シリンドリカル。
チェリーは丁度いい。
OEMはエッジが立ちすぎてる気がする(つまり深い)。
タイハオは悪くない。
ただ、シリンドリカルは全体的に撫で打ちしづらい。
横方向の手の動きについていなかい。
なので、いまのところスフェリカルで腰を落ち着けている感じ。
2021年07月19日
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