2021年07月23日

【脚本添削SP2021】1: 応募作品

今回の脚本添削スペシャルの集まりはよくなかったです。
僕のスケジュールが確定せず、変則的なスケジュールではありましたが、
現実がフィクションより奇なりだったことも、
創作意欲の低下と関係していると思います。



コロナ禍、うんざりする五輪のごたごたなど、
現実の世界があまりにもどうしようもなく、
フィクションの世界がどう向き合うべきか、
決めかねる感じがあるのは分ります。
これにフィクションが勝てるのか、
と自分の実力に疑問を持つ気持ちもよくわかる。

しかし、フィクションは現実に対抗することが仕事ではないのです。
「現実と違うところに頭と体をを放り投げる体験」
こそがフィクションだと思います。
何もコロナと戦ったり、
五輪をうまくいかせる必要はない。
それと「関係ないところの話」こそが、
フィクションの力です。

全然関係ないところで楽しめるから、
現実の我に返ったとき、
何かの力が残っている、それがフィクションです。
「フィクションが現実には無力だ」
というのは、フィクションを理解していないものの発言です。
現実に対抗するのは、
政治や現実の仕事です。
それにはフィクションは邪魔です。
昼間の仕事では黙ってろ、でしょう。

しかしフィクションが力を発揮するのは夜です。
現実を離れ、明日までのわずかな間、
現実から逃れられるから、フィクションは素晴らしいのです。
寝て起きたとき、また戦おう、そういう力にフィクションは機能します。

まったく違う世界を冒険することで。




さて、今回の応募者はたったの一名。
最初のころに果敢に応募してきた、ほらさんです。

AR上に現れたAI侍という異物を用意して、
現実とはまったく別のファンタジーをつくってきた感じです。
(ジャンルはSFでしょうが、
内容はファンタジーに近いですかね)

原稿はこちら。
まずは読んでみてください。

キル.pdf

色々な感想があるでしょう。
次回以降、本格的に分析していくことにします。

自分ならどう思うでしょうか。
自分ならどうリライトするでしょうか。
どこは十分で、どこが足りないでしょうか。
一日、考えてみてください。
posted by おおおかとしひこ at 16:33| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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