タイトルがよくわからないものって、
結局テーマがはっきりしていないものだと思うのです。
元の版では、「キル」でした。
何かを殺すkillの意味と、斬るの重ね合わせだということは分りますが、
じゃあ、何を殺すのか?です。
幻の山賊を殺すこと?
それは自分のトラウマ的な何かを殺すこと?
なぜ山賊の幻があるのか、
前の版ではよくわかりませんでした。
悲劇ゆえに、というのはありそうだったので、
足してみた部分です。
このように、
良くわからないタイトルというのは、
本編のあいまいさを引きずっていることが多いです。
あいまいなものと、想像が広がるものは異なります。
あいまいなものは、
本編に想像するだけの材料がなく、
想像したとしてもそれだと確信ができないものです。
想像が広がるものは、
本編中に根拠があり、
「このようにも想像できるし、
こう想像しても正解だ」
と「確信」できるものをいいます。
作者の中で決まってないことを想像するのは、
こちらが補完してあげているときだけです。
楽しんでいるとはいえません。
「あの子は俺を好きなのかな、どっちだろう?」
と想像が膨らむ時は、
その子が好きな素振りを見せながら、
いや、その他大勢の一人に対した態度にも見える、
というときです。
「何も情報がない時」ではありません。
では何があいまいだったのか?
テーマでしょう。
前の版で、このストーリーのテーマは?
と改めて問うても、なかなか出てこないでしょう。
「トラウマに向き合うと幸せになれる」
ということでもないでしょう。
そうしたことを描こうとしていた感じはありますが。
テーマはテーゼの形(PはQであるの形式)で書くとよいです。
ほんとうにそれを書いていた?ということをチェックしやすいからです。
僕の版では、
どういうテーマでしょうかね。
「失敗をもう一度繰り返さない」みたいなことかな。
だとすると、
カゲロウも何か大きなミスをして山賊に襲われ、
家族を失った、
ということがありそうですね。
じゃあ、
「ミスをすることはある。でもそれがわかったら、繰り返さないことだ」
というテーマになりそうです。
こうして、
テーマからエピソードや台詞が生まれることは、
よくあることです。
じゃあ、これにふさわしいタイトルってなんだろう。
とりあえず、
「富士山の侍」
で行ってみようかな。
ヒキがありつつ、テーマを絵で象徴している、
ということが重要だと思います。
では書いてみましょう。
しばしお待ちを。
2021年07月28日
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