あなたが好きなものが好きな人は、
あなたの作品が始まって数分で好きになる。
その支持者は大事にしたまえ。同じ空気感を理解できるだろう。
そうじゃない人たちをどれだけ引き込めるかが、
マス相手の商売の肝になる。
つねに、反対する人がいると思ってみよ。
それはどういう反対をするだろうか?
頭の中でシミュレーションするくらいできるだろう。
そして、その人たちに反論するのだ。
そうじゃない、こういう面白さなんだ、
こういうところがいいところなんだと。
そのように書くとよい。
その反対者は、説得されるであろう。
また次に反対する人たちがいるはずだ。
その人たちにも反論しよう。
そうじゃない、こういう面白さだぜと。
そこに説得力があれば、
また反対はやむであろう。
あなたは、そうして、ことごとく反対する人たちを、
順番に説き伏せるのが仕事である。
もちろん、論文を書いたり、
説明するのではない。
物語形式で書いていくだけのことである。
具体がないと難しいね。
危険な行為をまず描くとしよう。
大好きな人たちは喜ぶが、
眉をひそめる人たちがいるということも想像できるよね。
そういう人たちが、
どういうことをやったら喜ぶか、
ということを考えるわけだ。
大切なものを奪い返すために、
危険と分ってても挑むのだ、
みたいになっていると、
「それじゃしょうがないな」と、
危険だからと単純に眉をひそめる人たちを黙らせることが出来ると思う。
しかし大切なものを取り戻してもなお危険なことをしたら、
「おいおい、取り戻す為に危険なことをしたんじゃなかったのかよ」
ってなるよね。
それに対して、
自分だけ幸せになるわけにはいかない、
みんなの為に危険を冒すのだ、
という展開になったらどうか。
その人たちも納得して、
これからのストーリーを見るだろう。
かならずケチをつける人がいる。
そう想像することだ。
PTAの人とか、アンチとかがいると思いなさい。
そういう人たちが、
どうやったら黙って、この先が気になるか、
策を考えるのだ。
あなたのファンは何をやっても絶賛してくれるから、
それは待たせておいていい。
そうじゃなくて、
「それはけしからん」とか、
「それは無理がある」と冷静につっこむ人とか、
「それはあの作品にすでにある」と指摘する人に対して、
「いやそうじゃないんだ、こうなんだ」
を一個一個示していくことだ。
そうすると、まったく違う世界が開けてくる。
ファンだけに囲まれたものではなく、
反対する者だとしても、先を見守ろうという人が増える。
だから、みんなが見る価値のあるものになるのだ。
全員が最初から賛成ではない。
それを、終わるころには全員賛成に変えていくのが、
あなたの仕事である。
どういう反論があり得るか、
あなたの中に反論する猿を飼おう。
いちいち立ち止まって、反論させてみるとよい。
それに対して、反論を用意できなければ、
それ以降、アンチは黙ってはいまい。
その反論を黙らせるだけの、説得力ある物語を。
それがあなたの作品が、
広く受け入れられるための、
必要条件になるだろう。
2021年08月07日
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