2021年07月28日

【薙刀式】「掴むような打ち方」考

親指シフトは、
「親指と他の指は掴むように出来ているから、
親指と他の指を掴むように打鍵するのは合理的」
という主張をしている。

僕は最初なるほどと感心したけど、
実際の親指シフトの打鍵は、
どこをどう見ても、親指の側面で叩いたり、
精々指先を垂直に下ろすだけで、
「掴む」ような打鍵法ではない。


薙刀式が親指をシフトキーとして使う、
センターシフトを採用した時から、
「ベストの親指は、掴むように打つことでは?」
と思ってきた。

スペースキーを改造したり、
木で斜め親指キーを作ってみたり、
3Dプリントで平面内に斜め親指キーをつくったり(rev1)、
立体曲面内に斜め親指キーをつくったり(rev2)
してきた。
正解は、Dactylのような3Dキーボードで、
PCBそのものも立体化されている空中配線かもなあ、
なんて思いつつ、
スイッチが邪魔で、凸型で密に作れないため、
凸型3Dは作例がないことに気づく。

だったらしばらくは平面PCB+3Dキーキャップがいいかなあ、
などと考えている。


で、本題。
親指キーの大体の位置は分かってきたが、
今回は、他の4指について。

「掴む」ならば、
親指と連動する他の4指についても考察するべきであろう。

ところが僕は撫で打ち派で、
指を立てたり、掴む、引く力で打鍵する習性がない。
なので、「掴む」ことはずっと忘れて、
撫でるように打つことを考えてきた。
そもそも同手シフトは控えめにして、
逆手シフトでやってきたから、
もはや「掴む」ことはずっと忘れてたのだ。

で、
今回新しく、トップ面の抉れの深さについて考察している。

8方向に撫で打ちすることを想定して、
シリンドリカル抉れではなく、
スフェリカル抉れの形を取ってきた。


撫で打ち特化ということで、
深さをどんどん減らしてきた。
2mm(深すぎ)→1.5mm(悪くないが中途半端)
→0.5mm(rev2)→0.2mm(いまここ)

で、戯れに昔のキーキャップ触ってみたら、
「親指を深くすると掴めるのでは?」
に気づいた。
色々試行錯誤し、1.8mmというのが出来た。

ようやく本題なのだが、
これを4指にもしてみると、
「掴む」打鍵法ができるのだ。


SAよりは浅めで、
DSAよりは全然深い。
その微妙な塩梅だと、
「基本は撫で打ちできるのだが、
時々指を立てて打つときに、
スフェリカルのヘリに指を引っ掛けるように打つ」
ことが可能になることが判明した。

ので、これだと、
同手シフトが掴むように打てる。
正確には、掌心は空いてるから、
「つまむ」感覚に近いかな。

4指は引き打ち、
親指も掴む方向へ。

この運動が実現できるキーキャップになった模様。

いまだ基本は撫で打ちなんだけど、
20回に1回くらい掴み打ちになる感覚。

これが撫で打ち専用の0.2mmバージョンに比べて、
明らかに勝るかどうかを、
現在テストしている。



親指シフトは「掴む」と言いながら、
その推奨方法は「指先で垂直に下ろす」
方法でしかなかった。
ましてや(本来は誤りだが)親指の横で叩く人もいる。

月や下段、新下駄は、
親指キー(打鍵法に疑問、物理キーボードに左右される)を嫌い、
文字キーの逆手に活路を見出した。

でも「掴む」打ち方がほんとに出来る物理キーボードがあれば、
「掴む」方法論は死なないと思うんだよね。


ということで、平面PCBで出来る、
かなりのところまで「掴む打鍵法」が、
実現したと言えると思う。

また微調整に時間はかかるけど、
これは売り物になると思われる。
posted by おおおかとしひこ at 14:33| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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