2021年08月08日

何をしたヒーローか?

エンドロールを想像しよう。
主人公の活躍によって、
○○は良くなったのだ、という状態を想像する。

で、その主人公はそれに対して何をした人?


「最後に何か一つだけした人」の場合、
あなたはあなたのストーリーが見えていない可能性がある。
それはメアリースーであり、
「自分が苦労したくないので、
お膳立てを整えてもらった人」
という客観性が抜けていない。

「最初に問題を解決しようとした人で、
あれもこれもやって、
この人がいなければ、
みんな解決に乗り出そうとしなかったし、
なんなら無視まであった。
でもこの人が色々地道にやったから状況は変わったし、
みんなの協力が得られたのだ。
そして最後の最後にやっぱり決めてくれて、
この問題の最大の功労者は、
初動からずっとやってきたこの人だね」
ってなるようにしなさい。


ヒーローは何をする人か?
最後の最後に美味しいところだけかっさらって、
ドヤ顔をする人のことか?

コツコツと一貫して地道に動き、
どんどんと解決までの雪だるまを膨らませていった人のことか?

前者が人気になるような世界はないと思うよ。


じゃあどうやってそれを書けばいいか?

初動は誰でも書けるかも知れない。

そのことに対して、周囲がどういうリアクションをするかを、
描いてみよう。
冷たい反応だろうか?
よくやった、協力してやるぜ、か?

人によってさまざまな反応があるよね。
それを書けばいいんじゃない?

それに対して、
主人公がまた何を思い、
次の一手を打つかを考えればいいのさ。

一人で最後までやる必要はない。
世の中は常に複数の人で動いている。

複数の人がいれば揉めるものだ。
その、反発や和解や変転を描けばいい。

中盤の登場人物が二人になるのは間違いだ。
最低でも三人が絡まないと、
揉め事にならないと思う。

メアリースーに取り憑かれがちな人は、
最初から最後まで主人公一人に解決させようと思ってないか?

そうではなくて、
一人の戦いもすれば、みんなの戦いもする。
そういうヒーローを描くといい。


何をしたヒーローか?
エンドロールの時点から眺めてみよう。

たった一つのことしかしてないなら、
それはヒーローじゃないぞ。
posted by おおおかとしひこ at 00:48| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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