PCは主にアメリカでつくられたものだ。
英語での読み書き、オペレーションが前提だ。
よくよく考えてみると、USキーボードですでにそれは完成していると思う。
しかし我々は英語で考えて読み書きするわけではないので、
日本語を使わなければならない。
要するに、USキーボードはそれで完成しているのに、
JISキーボードの完成度は、それにまったく追い付いていない。
自作キーボードでUSキーボードが主流なのも、
プログラマーが多いことと関係している。
プログラミングで日本語を使うことはほぼない。
言語を書いたり、ショートカットのオペレーションは、
すべてUS前提だ。
この完結したスタイルを、
日本語入力が崩すことになるわけだ。
JISキーボードで唯一良いのは、
USキーボードの長いスペースキーの代わりに、
短いスペースと、左右に親指で打てる何かがあることだ。
つまり、親指での操作が出来ることが、
JISの利点である。
でもよくよく考えてみると、
英語を書くのに、親指ホームポジションで操作するべきものがない。
親指は単語間のスペース(最も頻出だろう)を打つことに集中していればいいだけだ。
単語やオペレーションは4指、単語区切りが親指、
その他必要なコマンドは小指や手を離して操作する。
(ショートカットなどをホームポジションで操作する、
さらに上級者むけのエディタなどもある)
その、指の割り振りや動線がすっきりしている。
もちろん、英語を打つのにqwertyの配置が最適ではなく、
DvorakやColemakなどがあるものの、
指の配分が変わるだけで、
文字とスペースとオペレーションのシンプルさは変わらない。
一方、JISはその整理に失敗したと僕は考えている。
複数のメーカーの考え方を、
悪い統合をしたような、
玉虫色のオペレーションが現在だと考える。
(Macはすばらしくシンブルでわかりやすい。
今はWindowsの話)
XFERとNFERがもともとだったと考えられる、
無変換と変換は(XFERとNFERの正確な機能はわからない)、
今や何に使うかわからないキーとされ、
Macの英数カナに統合されようとしている。
調べれば調べるほど、
複数の使い方や考え方があり、
これは複数のIMEの操作を足しっぱなしにした結果だなということがわかる。
(以前はAtok風操作とか、別のIMEの名前を冠してた操作法があったと思う)
整理とは淘汰することだ。
MS-IMEの操作法は淘汰や整理が行われていない、
魔窟に見える。
MS-IME/プロパティ/詳細設定/編集操作を見ると、
その機能のややこしさは一目瞭然だ。
ざっと100の組み合わせに、文脈によって6種の機能が割り当てられている。
最大600の操作法が存在するということだ。
(実際には重複している文脈もあるので、
200くらいに減るかもしれない)
これはおかしい。
これを全部使っている人はいないだろう。
シフトやコントロールやESCや、
なぜ遠いところばかりを使わなければならないのか。
Macの操作法が一部流入しているのも中途半端だ。
MSは何をしたいのだろう。
何が日本語のベストの入力法であると考えているのだろう。
答えは明確だ。
「よくわかりません。なので適宜ピックアップして使ってください」でしかない。
なんという無責任だろうか。
母国語を書くのに、こんなに苦労しなければならないシステムはおかしい。
なにせ手書きは鉛筆と消しゴムと、辞書さえあれば書ける。
これくらいシンプルにならないものか。
僕はMacから来たので、
このややこしさの全貌をまだ把握していない。
とてもシンプル(機能的とは言えないが)な、
Macの日本語入力システムを、
Windowsも選択できるようになるといいのに。
(まあ実質僕はほぼMacとWindowsの共通部分しか使っていない)
無変換、変換、ひらがなカタカナ、半角全角、英数。
このJISで追加されたキーの機能を、
すべて把握している人ってどれくらいいるんだろう。
いないと思うんだよね。
そもそもシフトとコントロールとオルトしかなかったモデファイアは、
Winが増え、Fnキーがキーボードによっては増えて、
カオス化している。WinもFnもいらんやろ。
USキーボードは、
言語システムとして完成されている。
だからシンプルだし、
自作キーボードはそれをカスタムすることしかしていない。
一方JISの我々は、
親指島を増やしたり、
キー数を減らしたり、
左右を分割したり、独特なレイアウトで再び一体化させたり、
USじゃなくてJISはないんですかと質問し続けることになる。
JISキーボードは、
USキーボードのようなシンプルな構造化に失敗した。
それが僕の今の考えだ。
だから薙刀式は、キーボードを初めて使う人が、
母国語を操作するのに、
USキーボードなみにシンプルに操作できることを目指したように思う。
ていうか、Macのミニマリズムを理解していたら、
普通それを目指すよな。
だから僕には、
親指シフトは煩雑に見える。
飛鳥はかなりごちゃごちゃに見える。
新下駄はシフト方式は整理されているが、中身は煩雑だ。
月や新JISはシンプルに見えるが、
操作系を考えると、結局複雑なシステムになるだろう。
カナ漢字変換はデジタル日本語入力に革命を起こしたが、
その操作体系は、USキーボードほどシンプルにつくれなかった。
僕は、それを洗練させたい。
USキーボードを使って母国語を使う人のように、
薙刀式を使って日本語を書きたい。
今のところ、
日本語入力以外の操作体系と矛盾したりするため、
すべての操作系ができたとは言えないが、
日本語入力に関しては、
USキーボードくらい単純な操作体系で打てるようになったのではないかと、
自負している。
ほんとに英語のタイピングって楽だなあ。
することがなさ過ぎて、内容に集中できるレベル。
日本語タイピングがそうなっていないのは、
日本語が複雑だからというのが半分、
技術者がさぼっているからが半分。
その後半分を、僕はなんとかしようとしている。
日本語が複雑だからローマ字にしてしまおうという、
ローマ字協会なるものが明治に出来たこともあった。
簡体字を導入した中国が今後文化的破壊になるのか、
うまく継承するかはわからない。
しかし日本人はハングルのようにならず、
日本語の文化をそのままデジタルにすることを望んだと思う。
USキーボード、ほんとに使いやすいんだよね。
日本語を書かなければ。
プログラミングの記号系の整理がすばらしい。
僕は自作キーボードと薙刀式で、
それくらいに日本語を簡単にしたい。
できればそれ以上に簡単になり、
フリック並みになるといいなあと思っている。
2021年07月29日
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