2021年07月29日

【薙刀式】USキーボードで完成している

PCは主にアメリカでつくられたものだ。
英語での読み書き、オペレーションが前提だ。
よくよく考えてみると、USキーボードですでにそれは完成していると思う。

しかし我々は英語で考えて読み書きするわけではないので、
日本語を使わなければならない。
要するに、USキーボードはそれで完成しているのに、
JISキーボードの完成度は、それにまったく追い付いていない。


自作キーボードでUSキーボードが主流なのも、
プログラマーが多いことと関係している。
プログラミングで日本語を使うことはほぼない。
言語を書いたり、ショートカットのオペレーションは、
すべてUS前提だ。
この完結したスタイルを、
日本語入力が崩すことになるわけだ。


JISキーボードで唯一良いのは、
USキーボードの長いスペースキーの代わりに、
短いスペースと、左右に親指で打てる何かがあることだ。
つまり、親指での操作が出来ることが、
JISの利点である。
でもよくよく考えてみると、
英語を書くのに、親指ホームポジションで操作するべきものがない。
親指は単語間のスペース(最も頻出だろう)を打つことに集中していればいいだけだ。

単語やオペレーションは4指、単語区切りが親指、
その他必要なコマンドは小指や手を離して操作する。
(ショートカットなどをホームポジションで操作する、
さらに上級者むけのエディタなどもある)
その、指の割り振りや動線がすっきりしている。

もちろん、英語を打つのにqwertyの配置が最適ではなく、
DvorakやColemakなどがあるものの、
指の配分が変わるだけで、
文字とスペースとオペレーションのシンプルさは変わらない。


一方、JISはその整理に失敗したと僕は考えている。

複数のメーカーの考え方を、
悪い統合をしたような、
玉虫色のオペレーションが現在だと考える。
(Macはすばらしくシンブルでわかりやすい。
今はWindowsの話)

XFERとNFERがもともとだったと考えられる、
無変換と変換は(XFERとNFERの正確な機能はわからない)、
今や何に使うかわからないキーとされ、
Macの英数カナに統合されようとしている。

調べれば調べるほど、
複数の使い方や考え方があり、
これは複数のIMEの操作を足しっぱなしにした結果だなということがわかる。
(以前はAtok風操作とか、別のIMEの名前を冠してた操作法があったと思う)

整理とは淘汰することだ。
MS-IMEの操作法は淘汰や整理が行われていない、
魔窟に見える。

MS-IME/プロパティ/詳細設定/編集操作を見ると、
その機能のややこしさは一目瞭然だ。
ざっと100の組み合わせに、文脈によって6種の機能が割り当てられている。
最大600の操作法が存在するということだ。
(実際には重複している文脈もあるので、
200くらいに減るかもしれない)

これはおかしい。
これを全部使っている人はいないだろう。
シフトやコントロールやESCや、
なぜ遠いところばかりを使わなければならないのか。
Macの操作法が一部流入しているのも中途半端だ。
MSは何をしたいのだろう。
何が日本語のベストの入力法であると考えているのだろう。

答えは明確だ。
「よくわかりません。なので適宜ピックアップして使ってください」でしかない。
なんという無責任だろうか。

母国語を書くのに、こんなに苦労しなければならないシステムはおかしい。
なにせ手書きは鉛筆と消しゴムと、辞書さえあれば書ける。
これくらいシンプルにならないものか。

僕はMacから来たので、
このややこしさの全貌をまだ把握していない。
とてもシンプル(機能的とは言えないが)な、
Macの日本語入力システムを、
Windowsも選択できるようになるといいのに。
(まあ実質僕はほぼMacとWindowsの共通部分しか使っていない)

無変換、変換、ひらがなカタカナ、半角全角、英数。
このJISで追加されたキーの機能を、
すべて把握している人ってどれくらいいるんだろう。
いないと思うんだよね。

そもそもシフトとコントロールとオルトしかなかったモデファイアは、
Winが増え、Fnキーがキーボードによっては増えて、
カオス化している。WinもFnもいらんやろ。


USキーボードは、
言語システムとして完成されている。
だからシンプルだし、
自作キーボードはそれをカスタムすることしかしていない。

一方JISの我々は、
親指島を増やしたり、
キー数を減らしたり、
左右を分割したり、独特なレイアウトで再び一体化させたり、
USじゃなくてJISはないんですかと質問し続けることになる。

JISキーボードは、
USキーボードのようなシンプルな構造化に失敗した。
それが僕の今の考えだ。


だから薙刀式は、キーボードを初めて使う人が、
母国語を操作するのに、
USキーボードなみにシンプルに操作できることを目指したように思う。
ていうか、Macのミニマリズムを理解していたら、
普通それを目指すよな。

だから僕には、
親指シフトは煩雑に見える。
飛鳥はかなりごちゃごちゃに見える。
新下駄はシフト方式は整理されているが、中身は煩雑だ。
月や新JISはシンプルに見えるが、
操作系を考えると、結局複雑なシステムになるだろう。

カナ漢字変換はデジタル日本語入力に革命を起こしたが、
その操作体系は、USキーボードほどシンプルにつくれなかった。

僕は、それを洗練させたい。
USキーボードを使って母国語を使う人のように、
薙刀式を使って日本語を書きたい。

今のところ、
日本語入力以外の操作体系と矛盾したりするため、
すべての操作系ができたとは言えないが、
日本語入力に関しては、
USキーボードくらい単純な操作体系で打てるようになったのではないかと、
自負している。


ほんとに英語のタイピングって楽だなあ。
することがなさ過ぎて、内容に集中できるレベル。
日本語タイピングがそうなっていないのは、
日本語が複雑だからというのが半分、
技術者がさぼっているからが半分。
その後半分を、僕はなんとかしようとしている。

日本語が複雑だからローマ字にしてしまおうという、
ローマ字協会なるものが明治に出来たこともあった。
簡体字を導入した中国が今後文化的破壊になるのか、
うまく継承するかはわからない。
しかし日本人はハングルのようにならず、
日本語の文化をそのままデジタルにすることを望んだと思う。


USキーボード、ほんとに使いやすいんだよね。
日本語を書かなければ。
プログラミングの記号系の整理がすばらしい。

僕は自作キーボードと薙刀式で、
それくらいに日本語を簡単にしたい。
できればそれ以上に簡単になり、
フリック並みになるといいなあと思っている。
posted by おおおかとしひこ at 15:39| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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