2021年07月30日

【薙刀式】キーボードの三種類の使い方

マラソンランナー、ジョガー、スプリンター、
に分けられるのでは、と考えた。


キーボードを使って何をするのか?

物書きや大量の文章を書く人と、
そんなに量は打たないけど時間的にたくさん使う人と、
タイパー的な趣味の人と。

それらに応じて、最適なものは違うのでは?
と思った。


【スプリンター】

タイパーという特殊な趣味。
正確で重めの軸が必要。
戻りが速い方が有利なので、必然重い軸になる。
同時打鍵の繰り返しよりも順次打鍵やアルペジオの方が速い、
特殊な速度領域(秒10打以上とか)で評価。

Nキーロールオーバーがあった方が良い。
順次打鍵は離すことを考えず、
押すことだけが重要で、
「何かを押しながら次を押す」ことが、
秒間10ないしそれ以上の速度で発生するからである。
(トップタイパーって今マックス20とか行く?)

指の空間認識を変えないため、
JIS規格から外れた物理配置は嫌う。
しかしJIS規格がもっとも合理的な動線ではない。

タイピングゲームに余計なキーを、
誤打防止のため外す人もいる世界。

当然だけどひと勝負1分以内とかの世界なので、
日単位、月単位、年単位は捨てている。
ただ打ち込み時期は一日数万打鍵とかあるそうだ。


【マラソンランナー】

小説家、脚本家、ライターなど、
日々大量の文章を書く人。
たとえば日産3000字とかのペースで、
月単位、年単位変わらない人。
(とはいえばらつきがあり、
書くときは一日1万字もありえる)

休み休み走るスプリンターと違い、
「休まずに最長不倒」がメイン。

なので重視する効率は、
「動線の最適化」だろう。

スプリンターは「どんなことをしてでも最速」が目的だから、
エネルギー効率が悪くても最速タイムが出れば良い。
陸上においても、スプリンターは筋トレをして、
爆発的に力を使う。
爆発的とは、ほとんどが無駄に爆散することだ。

マラソンランナーはその真逆で、
一度動き出したらその力を弾み車にして、
なるべくエネルギー効率が低いことが大事だ。

無駄な動線を嫌う。
無駄な工程数を嫌う。
無駄な距離を嫌う。
弱い部分は酷使せず、強く持つ部分だけを使う。
深さのストロークは浅めで、
底打ちぎりぎりまでしか打たず、
撫でるように、
なるべく動かないように動く。
エネルギー最小で効果最大を狙う。

また、長時間前提だから、
姿勢制御や寝返りについても研究していて、
複数の姿勢で負担がないものを好む。


【ジョガー】

そこまで大量に作業がないが、
長時間机に張り付かなければならない人。

マラソンランナーほど極限のスタンバイはしなくてもいいかも知れない。
だから、
深くても気持ちのいいストロークのキーや、
光ったりオシャレだったりして、
気分アゲアゲのキーボードを好む。
時間あたりの量や速度は必要ないので、
すっと手を置いた時だけが楽であればよく、
連接効率や動線効率は、
そこまでは求めていない。

ただ無駄な手の動きや工程数の省略はしたいだろう。



こんな風に分けてみると、
それぞれにオススメなものは変わってくる。

薙刀式×スピードスイッチ×軽いスロースプリング×ミニマル左右分割格子配列
という僕のセッティングは、
マラソンランナーのためだ。

qwerty×リアルフォース55g
というmiriさんのセッティングは、
スプリンター用だ。
(仕事では45や30を使ってるそうです)

新下駄×リアルフォース30g×orz×高めパームレスト
というkouyさんのセッティングは、
スプリンター寄りだけどジョガーとしても使える用だろう。

あるいは、これは文字入力に限った話だけど、
文字入力以外にもキーボードを使う人もいて、
そうした人は標準キーボードでなんとかするか、
自作キーボードのそれ用のマップを使うはずで、
そうした人はジョガーかもしれない。

エクセルで大量に数字作業する人は、
テンキーというマラソンランナー用の道具を使うだろう。
(リアルフォーステンキーとかね)

僕はマラソンランナー的に映像編集する用の、
マクロパッドを自作して仕事に使っている。
これが仕事に使わないレベルだったら、
普通のキーボードに自作マップくらいだったかも。



目的はなにか?

それによって、最適な道具は異なると思う。

スプリント偏重だった世界に、
僕はマラソンランナー的な考え方で、
まったく違うものをつくってみた。

親指シフトはマラソンランナー用のものだったけど、
スプリントレースの軸で評価されてしまった。
実際の実用者は、ジョガーのような使い方をしてるはず。

ジョガー的な立場から見れば、
qwertyの打鍵数は多すぎるし、動線の効率は悪いし、
親指シフトの親指同時打鍵はリズミカルで心地よい。

スプリント的な立場から見れば、
親指シフトの親指同時打鍵は、
秒10打近くの世界では遅れを取る。

マラソンランナー的な立場から見れば、
親指シフトの配置の効率の悪さが気になる。
これはすでに古いマップで、
もっと効率のいい体の動かし方、
飛鳥や新下駄や薙刀式のほうが良い。

蜂蜜小梅はジョガースタイルが1番合うと、
作者も公言している。


鈴鹿8耐とかルマン24時間みたいな、
耐久系のスプリントレースがあれば、
qwertyよりも親指シフトや薙刀式が勝てるかも知れない、
と僕は考えている。
でも24時間では、ぶっ壊れてもいいからやる人が出ちゃうから
(タイプウェル憲法全文とかね)、
8時間×10日くらいで勝負したいけどね。

タイパーたちがそういう発想にならないのは、
qwertyやJISカナが勝てる領域が、
スプリント領域限定だと、
無意識で認識してるからじゃないかなあ。



ジョガーは道具に金をかけず、
なるべく安く済ませる人もいるだろう。
タイピングが生活の中で占める面積が少ないだろうし。

スプリンターはリアルフォース一択だろう。

問題は、
マラソンランナーとプロジョガーだね。

ここを、今自作キーボードが拾ってる感じかなあ。



速さとはなにか?
を考える時、つまりは三種類あるってことだ。

スプリント的に速いのがいいのか?
マラソン的に速いのがいいのか?
ジョギングのように、効率ではなく、
適度に続けられるのがいいのか?

目的が異なれば、やり方も道具も異なるだろう。

それなのに、自分の基準で相手をおかしいと思う人は多いと思う。



僕はジョガーでマラソンランナーで、
マラソンの中でもスプリント的な区間がある感じだ。
スプリントはそれほど出ないけど、
ジョギングやマラソンに、薙刀式はたいへん合ってると思う。

飛鳥や新下駄も同様の評価だけど、
新下駄はスプリントも強いのがすごい。

新JISはジョギングに出かける初めに買う靴、
くらいの入門者最適な感じ。


コラムスタッガードはジョグにはいいけど、
スプリントやマラソンにはしんどいと思う。
ロウスタッガードはジョグにもマラソンにも向かない。

タクタイルはジョグやスプリントはいいけど、
マラソンには向かない。
スピードスイッチは、ジョグには敏感すぎるかも。
スプリントは撃ち抜くのでどっちでもいいだろう。

左右分割は明らかにマラソン向けだ。
一体型はジョグに向いてる。
取り回しが楽だし。


僕が気になってるのは漢直で、
ジョギングには明らかにいいんだけど、
マラソンに使えるのかなあ、ってことなんだよね。
長いこと走るには、荷物が重すぎる気がする。
なので、
漢直で長文(最低でも2000字)を書いてる動画があれば、
是非見たいのだ。



目的と手段は異なるのは明らかだが、
キーボードのどの要素がどこに効いてるか、
なかなか議論されていないと思う。
むしろ手段の目的化で楽しくなってるからね。笑

親指シフトは物理キーボードごと、
マラソンランナー用につくられた、
前世紀の名作であるが、
現代には物足りないと僕は思う。
薙刀式がそこを上書きできていると僕は思っている。
posted by おおおかとしひこ at 12:05| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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