2021年08月15日

大事なことなので二回言う

二回言うのは反復法などと言って、
重要なものを言うときに使われる手法だ。
そんなことは知識としては知っているよね。

じゃあ、それを「作中に一回だけ使う」という制限で、
書いてみるといいよ。


一番重要なところを二回言うべきか。
それとも見逃してはいけないところで、
二回言うべきか。
直後に二回言うべきか、
それともちょっと置いてからもう一回念押しで言うべきか。

何を二回言うのがベストだろうか、
どういうべきがベストだろうか?

これが一発で決らないのなら、
あなたは反復法を、書き手としてマスターしているとは言えないわけだ。
それを、わざと「一回しか使えないとしたら」と仮定することで、
試してみるのである。

これは、二回繰り返す反復法以外にも使える。

擬人法、倒置法、脚韻または頭韻、
反語、対句、引用、七五調、五七調、
などなど、
教科書で聞いたようなテクニックを、
一回自分の作品で使ってみるのだ。

「一回しか使ってはならない/一回は使わないといけない」
というルールを課すことで、
どこでどう使うべきか、
ナイフのように一突きで効く最大効果を考えざるを得なくなる。
それで、色んなテクニックをマスターしようという作戦である。

聞いたことはあるが、
使ったことのない道具がいくつもあるだろう。
それは自分で使えるだろうか?
得意技になるかもしれないし、
一回使っておけば、またどこかで使える場面に出会うかもしれない。
一回体を通しておこうぜ、ということだ。

ちなみに僕は前に書いたシナリオで、
反復法を使った強い台詞を書いた。
第一ターニングポイントではなかったが、
それが第一ターニングポイントとテーマを示しているのではないか、
くらいの勢いのある台詞になった。
強いからいいか、とそれはそれで使うか、
そんな感じに第一ターニングポイントの台詞がならないか、
と考えるのは、シナリオ次第だとは言えそうだが。


とくに反復法はどこででも使われる、
ポピュラーな手法だ。
反復法という名前のほうが大げさなくらい、
どこででも見るものだろう。
それをどう効果的に使うのか、
練習してみるのもわるくない。
posted by おおおかとしひこ at 00:13| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。