ならないと思う。
興味深い問いのまとめスレ。
車のハンドルがゲームのコントローラにならない理由・・・・
http://vehicle123.com/archives/85276032.html
勿論電子制御前提だから、
技術的にはプレステのコントローラをつけられる。
しかしいくつかの理由で、
ハンドルのままのほうがオススメだろう。
第一は安全面。
電子制御は壊れ方がプツンと壊れる。
物理ハンドルは徐々に壊れる。
突然死ぬ前に助かる可能性がある分、
操作系は電子制御に渡すべきではない。
デジタルテレビはいきなり映らなくなるが、
アナログテレビはなんとか見える。
アナログラジオがなくならないのも、
かなり適当でも聞こえるからだ。
変動しても生き残る率は、アナログの方が強い。
デジタルデータの絵はいきなりなくなるが、
アナログの絵は水をかぶっても多少生き残る。
そして第二に、
こちらのほうが重要なことだが、
アフォーダンスがあることだ。
アフォーダンスは認知科学の言葉で、
「それがそのようになりそうな感じ」のこと。
刀が人を殺せるのは、
刀が人を殺せるアフォーダンスを持っているからで、
手に持って振り回せるアフォーダンスを持っていて、
突き刺すアフォーダンスを持っているからだ、
などのように理解する。
ハンドルは、両手で持つアフォーダンスがある。
そして、「曲がる」アフォーダンスは、
体を左右に傾けるものである。
体を左右に傾ければハンドルは回転する。
だから曲がる。
曲がるアフォーダンスに対して、
ハンドルは一対一対応する。
昔スーファミを初めて買った頃、
3Dゲームの初の、F0やスターフォックスで、
よく体を傾けてプレイしたものだ。
これは肉体の反射であった。
だがこの肉体反射はコントローラーには伝わらない。
もし体を傾ける反射が伝わるコントローラーがあれば、
電子ハンドルになるかもしれない。
このアフォーダンスは、アナログ入力だから意味があり、
反力があるから意味がある。
少しの力なら少しの反力で、少しの効果があり、
大きな力なら以下同様で、
力と効果と反力は比例関係にあるべきだ。
そうすると、「直感と合う」道具になるだろう。
ということで、
ハンドルはこの二つの論点で、
ゲームコントローラーにまさる。
第二のアフォーダンスを持った、
電子ハンドルは作れるだろう。
ただ第一の観点から、アナログハンドルの方が有効だ。
F1はもはや電子制御じゃないと曲がれないくらいなんだっけ。
アナログハンドルが効かない領域の話なのかな。
まあ故障して死んでもしょうがない世界だから、
突き詰めればいいだろう。
技術は極限で発展するものだから。
さて、長い前置きから本題。
キーボードはどうだろう?
メカニカルスイッチ以上に、
今のところいい感じのものがないように思う。
(「静電容量スイッチが至高」という人は、
それが静電容量式だからいいと誤解している。
リアルフォースやHHKBの打鍵感の良さは、
ラバードームとパーツの精密度に依存していて、
静電誘導で電位感知する方式だからではない。
そして広い意味でこれもメカニカル式である。
他にメカニカル方式には、
富士通の板バネやギアリンク、
コンパックスのバックスプリング式なども含む)
僕の理想は万年筆のようなコシのある感じだ。
押したら押しただけ強く反発する感じ。
(ほんとは太い字が書けるといいんだが)
「書いている感じ」「押している感じ」の、
反力があるものが、
最後まで「字を書くアフォーダンス」を持つと思う。
音声入力が100%の精度を誇る日が来たとしても、
人は物理キーボードを捨てないと思う。
万年筆を捨てなかったようにだ。
たとえば、投影式のキーボードや、
タッチパネル式のキーボードは、
現在の技術でも作られているが、
それはまったく流行らない。
「字を書くアフォーダンス」がないからだと思う。
実はフリックは、「線を書く操作」が、
意外にも字を書くアフォーダンスになっている。
だから、これだけスマホでSNSが流行ったのだと思う。
タッチパネルでのガラケー式やqwertyでは、
ここまでみんな文字を書かなかっただろう。
メンブレンやパンタグラフは、
字を書くアフォーダンスを既に捨てている。
入力はデジタル式で、オンとオフしかないからだ。
これを使う無知な人は字を書いている感覚がないから、
音声入力のほうがマシだと思うに違いない。
メカニカルのアナログ的な、
きちんと比例する反力を持つキーボードを使う人は、
キーボードを使い続けると思う。
高級なキーボード(メカニカルや静電容量)が、
長引く在宅で知られてきたのではないか。
これが会社勤務に戻って、
支給された安物メンブレンやパンタグラフに戻れるとは思えない。
「キーボードを使うなら金をかけるべきだ」
という認識が、今後静かに広まると思っている。
2021年08月07日
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