2021年08月08日

感染即発症とならないのが、認識をややこしくさせている

感染しない=発症しない
感染する、かつ発症する
感染する、かつ発症しない(自力回復もしくは時間をおいて発症)

の3パターンがある。
コロナの興味深い特徴は、第三のパターンが非常に多いことだ。

マスクの推奨は第三のパターンのときに、
非感染者への伝染予防になるからである。
つまり他人にうつさないためであり、
自分が感染しないかどうかとほとんど関係ない。

で、これを2パターン、
すなわち感染=アウト、非感染=セーフのような、
二元論に収束してしまう思考こそが、
コロナの敵のように思える。

人は3つ以上の状態を頭の中に浮かべられない、
構造上の欠点があるように思う。(図を書かないと理解できない)


以下のニュースを見た。

>> コロナ感染のももクロ百田夏菜子さん、毎日PCR検査を受けていた・・・だが感染

ああ、これは、
感染=アウト、
非感染証明の検査=セーフ、
という非常に極端な二元論に収束してる人の、
頭の中なのだなあと思う。

ちょっと考えれば検査と感染は関係がないことくらい、
小学生でもわかる。
しかし、アウトとセーフにわけてしまい、
考えることを拒否したくなるのが、
人間の心理にあるということだ。

たとえば「敵/味方」の二元論、
「得/損」の二元論、
「正義/悪」の二元論、
「最高の勝利/ゴミ同然の敗北」の二元論、
「身内びいき/他人は排除」の二元論。


物語性とは、実はこのように、
現実を極端に二元化することで、
「わかりやすく」することかもしれない。

そのことで、「世界がわかった」ようになり、
興奮するからである。


陰謀論はこれを利用する。
トランプは悪で、バイデンは正義。
あるいはその逆。

どちらにせよ、
「ややこしさの中に、
ひとすじの分かりやすさを提供する」
という快感成分が入っている。

まるで麻薬である。
脳が壊されるぞ。


逆に、我々は、
このような合法麻薬を提供するのが仕事である。
posted by おおおかとしひこ at 12:22| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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