2021年08月24日

キャラ先とストーリー先

キャラクターが優先か、ストーリーが優先か、
色々な観点があると思う。
比較してみよう。


漫画などの連載形式はキャラクター優先だと言われている。
バラエティでもキャラクター優先だろう。
つまりは、長い時間を過ごし、
毎週ないし毎回同じキャラクターに会うことが楽しみになることが、
キャラクター優先の原理だ。
ユーチューバーやキャバクラ嬢も同様だと思う。

一方、
ストーリー優先は、
映画、読み切り短編などに向いていると思う。
キャラクターに親しむ間もないような尺のものが似合うと思う。

作り方や構造が異なると僕は思う。

【つくりかた】
キャラ先:
 キャラクターが事件に巻き込まれる。
 事件そのものよりも、キャラクターの反応でつくられることが多い。

ストーリー先:
 興味を引く事件や、陥ったシチュエーションからつくる。
 「どのようにここから脱出するのか」に強い興味がでないものは弱い。

【展開】
キャラクター先:
 解決したら次の厄介なことが。
 しかし、キャラクターごとに割り振るので、
 主人公はそこまで働くことがないかも。
 いろんなキャラクターがいるため、
 わりとアドリブで軽々と展開できる。
ストーリー先:
 主人公にスポットに当てて展開しないと、
 ストーリーがとっ散らかる。
 計算しつくした状態で展開しないと、すぐにストリーは拡散してしまう。

【オチ】
キャラクター先:
 たいしたオチでなくても、キャラクターが満足がいけば、
 よかったよかったと満足してしまう。
ストーリー先:
 「一体これに何の意味があったのか」がうまく出来ていないと満足しない。
 つまりテーマと全体の構造がうまくはまっていないといけない。

【陥りがちな失敗】
キャラクター先:
 出落ちになること。キャラクターが出たときが面白いときなので、
 そればかり繰り返しているうちに、
 パターン化したり、飽きが来たりする。
 とくに後半戦、キャラクターが増えすぎて飽きてしまう。
ストーリー先:
 うまくオチに落とし込めなくなる。
 一本道が寄り道してしまい、復帰のタイミングがわからなくなる。
 ストーリーはよくても人間的な魅力を描けていない。

【作り方】
キャラクター先:
 キャラクターまわりでつくる。
 だいたい尽くしたら新キャラを出して、
 世界を広げていく。
ストーリー先:
 事件から作る。
 展開をある程度考えておいて、
 オチをつくり、全体がテーマに落ちたと思ったら、
 逆算で展開を詰めていく。


色々な違いがある。
どちらが正解かは人によるし、
ジャンルにもよるかも知れない。
しかし、どちらを先につくったとしても、
キャラクターしか面白くない、
ストーリーしか面白くない、
という中途半端なものになってはいけない。
キャラクターもストーリーも、
両方面白くなくては、
シナリオとして二流である、ということは覚悟しておくといいだろう。
posted by おおおかとしひこ at 01:02| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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