2021年08月17日

【薙刀式】シフト文字の手間

今新しい動画を作ってるんだけど、
単打に比べて通常シフトはどれくらい遅いのか、
というデータを見てみる。


映像は1秒30フレームで作られてるので、
そのフレーム数を数えると大体わかる。
(1フレーム=33ms)

同時打鍵のズレの許容は、
僕の経験上50ms以下だとミスしやすい。
ということは、
映像的には最大2フレームずれまでが、
実用の範囲ということになる。

ということは、前後2フレーム、
つまり4フレーム(132ms)の帯が、
同時打鍵の感覚として問題ないだろう。

新下駄のkouyさんの記録が秒8〜9カナ、
つまり1カナあたり111〜125ms
あたりであることから、
実測値とおおむねあっている。


同時打鍵は4フレーム幅として、
通常シフトはどうだろう?

薙刀式の最新動画を見ると、
シフトキーは、文字キーに対して、
おおむね4フレームから1フレーム先行している。

先押しの感覚がほぼ4Fで、
同時押し的になるまで感覚的になっているシフトカナについては、
2〜1フレームまで詰められていることが、
映像から確認できた。
(まれに0フレーム、つまり映像では1フレーム以下の現象もあったが、
レアケースだ)

また、「何を書こうかな」と一瞬考えるときは、
8フレーム(264ms)や12フレーム(396ms)の例もあった。
このへんは神経伝達速度の何かと一致するかも知れないので、
データだけ残しておく。

通常シフトのいいところとしては、
「先に押しといてそれから考える」ことが可能なことだ。
予約制という感じか。

同時打鍵ではこれはあり得ないが、
「考えながら打つ」ということは、
こうした現象を許容できるほうがいいと思う。


離しはどうだろう。
すぐに次があるときは、
同様に2フレームから4フレーム後であった。

もっと遅れるのかなと予想していたが、
案外入りと出は対称的であった。

これも、「考えながら次を待つ」とき、
一秒近く待つことも全然ありえた。


まとめておこう。

同時打鍵: 前後4フレーム、計132ms
通常シフト: 前後8フレーム、264ms
      慣れたカナは同時打鍵と同等になる
      考えながらのときは、
      前後に12フレーム(396ms)や一秒くらいにのびる

この性質を、
速さだけで考えれば「遅い」ということになる。
しかし、
考えながら打鍵するとき、
「とりあえず押しとけ、
次離すべき時が来るまで押しっぱなしでOK」
というルーズさが、
通常連続シフトのいいところだ。

同時打鍵の4フレーム幅は、
考える時間には短く、
タイパーのトップレベルからは長い、
ということかも知れない。

同時連続シフトの飛鳥と、
逐次同時シフトの新下駄、下駄を試用してみた感想だと、
単なる同時打鍵は、
調子いい時はいいけど、
考えながらのときには考えを邪魔されることがあった。
もちろん習熟すれば無意識化できるだろうが、
落ち着いて考えたいのに縄跳びもしないといけない、
心的負担があったことを覚えている。

それにくらべて、
連続シフトである飛鳥や薙刀式は、
「ちょっと置いといて」と、
脳を100%開けることが出来るため、
考えに集中できる特徴があると思う。

あらためて、習熟すれば無意識化できるだろうことは書いておく。
しかし連続シフトならば、
最初からそれができるという利点がある。


僕は考えたり書きたいのであって、
指の能力を上げたり、
無意識に縄跳びを飛べるようになりたいのではない。
それに、連続シフトの仕組みは丁度いいと思う。


で、慣れれば同時打鍵なみに打てていることが、
動画からわかったので、
通常シフトは遅いけどまあいいんじゃないか、
というところに落ち着いた。
(まあ実用上問題を感じていないのだから、
この結論は当然なのだが)


さらに気づいたことがある。

逐次的に同時打鍵していく配列では、
「思考が先行で指があと」という条件があると思う。

だけど先にも書いたように、
連続シフトでは、
「先に指が動いて、待っといて、
思考があとから出る」
という現象がよくあるのだ。

つまり、指先行がありえる。

これが、「手が勝手にものを書き出す」
というアナログで一番いい感覚に、
近いと考えるのだ。


「手で考える」「手を動かしながら考える」
などとよく言われるこの感覚は、
同時打鍵配列でも可能なのだろうか?
僕はそこまで習熟できなかったので、
感覚としてはわかっていない。

まあ勝手に手がよくあるフレーズを先に書いてしまう、
という手癖的なことはあるかもしれない。
そのことによって思考が刺激されれば、
手で考えてることになるのかな。



同時打鍵は順次打鍵に、限界付近では速度面で劣るとか、
通常シフトは同時打鍵に速度面に劣るとかの、
速度面での言説は、
あくまで「秒間10打鍵前後で打つコピー打鍵」
から見た評価でしかない。

「ものかきにとって便利かどうか」
という評価では、
秒間3カナ〜5カナくらいの速度帯で考えなければならないと思う。

そうしたとき、
4フレームの同時打鍵、
8フレームの通常シフトは、
とくに足を引っ張る要素ではないことが、
数値から判明したわけだ。


創作文は秒3カナ〜5カナで常に新しいものを書く。
タイパーは秒10カナ前後で決まったものを書く。

よく見るとまったく違うことをやっている。
思考がメインで指が随伴するものと、
反射神経と指が一体化しているものとのちがいだ。


薙刀式の限界が秒5カナあたり(タイプウェルSA〜XJ)
だと僕がなんとなく思うのも、
こうした通常シフトの仕組みで頭打ちなんだな、
ということがわかった次第だ。
posted by おおおかとしひこ at 13:39| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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