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頻度に応じた大きさのカナで配列図をつくりなおしてみるシリーズ。
ローマ字と英語で見てみよう。
まずは英語から。
この配列を、「実に合理的でよく考えられている」と思う人はいないだろう。
そもそもブラインドタッチは前提ではなかったし、
標準運指すらまだなかったころの配列だろう。
頻度に合わせて強い指を使うべきだ、
という考え方すらなかったと思う。
結果、そのツケを、100年以上払っているわけだ。
それを直接批判したdvorakは、
たしかに合理的な配置になっている。
中指にもっとも使うものを置くのは、
ホームポジションはDKであるべき、という考え方だと思う。
人差し指は6キー担当するから、頻度をばらすということだろうか。
ただ右薬指上段のRのでかさが気になるね。
小指中段もでかすぎないかなあ。
英語配列は詳しくないが、
colemakくらいは聞いたことあるのでつくってみた。
いいバランスじゃん。
ただ連接はどうなるかわからない。GHとか大変そうだけど、どうなんだろ。
workmanも聞いたことあったのでつくってみた。
人差し指下段を重視して、わりといいバランス。
このみっつは少なくともqwertyよりは使いやすいはずだが、
実際のところはどうなんだろうね。
ちなみに、日本語ローマ字と英語のアルファベットの頻度はこれだけ違う、
というのを図にしてみた。
日本語は母音が多い。
しかしAIOが突出して、EUはやや劣る。
英語はEが圧倒的で、Uがマイナーなんだな。
子音もずいぶん違うね。
これを同じ配列で共用するその貧乏根性が一番の悪ではないか?
あらためてqwertyローマ字。
アルファベットの位置は100歩譲ったとしても、
BSとエンターと長音の位置をこれで良しとしたやつは、首をくくっていい。
Eucalynはエンジニアのためのローマ字配列と銘打っていて、
wazxcvあたりがショートカットを保存していて、hjklをカーソルに使える配列になっている。
わりと二行っぽい頻度なので、使いやすいかも。
Nが小指なのが使いづらいかもとかはある。
BSとエンターは自作キーボードで親指にもってくるのがいいだろう。
Eucalynは英語でも共用できるのが味噌で、
わりといいバランスでキープしている。Rを人差し指に配置していることで、
日本語でも英語でも使いやすくなっていることがわかる。
プログラミングはまあ英語中心だろうから、
どっちも使える、というのはエンジニアにとって使いやすいかもしれない。
自作キーボーダーでEucalyn配列派はどれくらいいるんだろう。
わりといそうなイメージ。
けいならべはよくできている。
でもRTが左薬指とか、−がまんまとか、
僕的には改良したい部分があるかな。
我らがカタナ式だ。
マクロパッドに乗るくらいを想定したローマ字配列。
PをT位置にずらせば、7x3のマクロパッドに乗るんだよね。
これで16ピッチくらいでBTな感じのキーボードがあれば、
ポケットに入れて持ち歩くとか、眼鏡ケースに入れる程度の、
文房具になるのでは、って思っている。
まあいまや僕は薙刀式を使っているのでそこまで魅力を感じていないが、
下手な行段系をやるよりも使いやすい配列だと思う。
前回に漏れたカナ配列もつくってみた。
拗音はすべてマトリックスを使う前提でイ段カナを換算してある。
美しいバランスで、親指シフトより断然おすすめだろう。
でも何回見ても句読点が使いにくそうなんだよな。。。
TRONをオリジナルの物理配列でつくってみた。
こうしてみると、小指にちょっと過大な期待をしすぎていないかが、
とても気になる。そこまで小指って丈夫じゃないと思うんだよね。
全体にまんべんなく頻度を散らした感じになっているのがよくわかるが、
果たして全指は耐えられたのだろうか。
そこまでいいキースイッチ使ってなかったしなあ……
あと右シフトの負担が大きすぎると思う。
1Uの親指キーは小さすぎると思う。
μトロンとかでもそれが同じで、疲れないのかしら。
最後にまだ完成ではないだろうが、
安定している版らしい月光をつくってみた。
これも美しい。
もととなる新JIS、月からはだいぶ逸脱したところもあり、
それが月光の持ち味なのだろう。
新JISも月も小指伸ばしを使っていて、
そこが好みが分かれる部分になるかもしれない。
もっとも、MS-IMEのローマ字定義範囲でつくっている制限があるから、
/位置とかにカナを置けない。そこがもったいないよなあ。
あと、表をつくってみてわかったのだが、
シフトのDKにカナを置かず、シフト専用キーにしているんだなってこと。
これが使い勝手を良くしているのではないか説。
間違ってDKを押したときのリカバリーが毎回気になるからね。
案外シフト率が高い、つまり☆が月配列より多い。
打鍵数はどうなるんだろうか。わりとカタカタ気味なのかしら。
随所に工夫が見て取れて、月を名乗るかどうか微妙に離れている感じ。
青は藍より出でて、みたいなことかしら。
これらの表は、一次的な頻度にすぎない。
二次的、つまり二連接で指が繋がるとか、
n連接の指の繋がりなどはこの表から想像することは困難だろう。
しかし、最低限これらが美しいバランスをしていないと、
ずっと使っていくには偏りが生じて、
疲れの原因になるのは明らかだ。
そして新しい配列ほどそれは安定して美しく、
さらに連接が練られてるはず。
これらの表はコピーフリーにします。
どこかで議論するときに使ってやってください。
2021年08月20日
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