2021年08月21日

ソースにあたる知性

昨日は富士山噴火の噂が流れてて、
Twitterが面白かった。

興味深いのは、
噂だけが先行してて、
こわいとか、噴火しなかったじゃん嘘つきとか、
お前は信用しないとか、
「ソースを確認してない」
ものがあまりにも多すぎたことだ。


ソースは、みんな大好き、
たつき諒「私が見た未来」という漫画の表紙だ。

彼が見た予知夢を集めた漫画で、
雑誌「ほんとにあった怖い話」に連載されたもののまとめコミック。
この表紙に、
「大災害は2011年3月」というメモがあり、
これが東日本大震災を当てた、
ということで話題になった。

その表紙には他にも予知夢のメモがたくさん書いてあり、
富士山噴火と、予知夢を見た日が8.10とあったから、
昨日の富士山噴火の噂に繋がったわけだ。

「2011.3の東日本大震災を当てた予知夢の漫画家が、
富士山噴火の予知夢も見ている。
その日付は8.20」
が正確なソースである。

「富士山噴火が2021.8.20」ではないことに注意されたい。


「的中率9割」という噂も流れた。
しかしこのソースは、
その漫画の作中に見た予知夢が、
会った人が夢で見た人に似てたとかの個人レベルらしく、
災害の予知夢など皆無らしい。

これは明らかに数字詐欺である。

本人も迷惑してるかも知れない。
適当な夢を書いたら偶然当たっただけかも知れないのに。


で、
今調べたら、
たつき諒も、私が見た未来も、
wikiすらない。
漫画自体はすでに絶版で(再販の噂あり)、
メルカリなどで高騰している。

世情が不安なのはあきらかで、
方向性を持たない不安がずっと続いている。
だから、
方向性のある不安が現れると、
みんなそれに飛びつきがちだ。

ワクチン入りのトマトの陰謀論はすごいなあと思って、
これは何か科学的に陰謀論が解明される材料になるのでは、
とすら思った。


これらのことをTwitterの140字では書けないだろう。

つまりTwitterは、
ソースに当たり、落ち着いて考えるだけの知性を、
人から奪うのだ。

思考は枠組みによってもたらされる。
枠が狭ければその中しか見えない。
ツイ廃はつまり、狭い枠から世の中を見る馬鹿である。
噂の出元までたどる知性がない。


僕はそのソースを知ってたので、
昨日一日わくわくして過ごした。
火山弾が飛んできても、建物内ならなんとかなるだろうとは読んだ。
万が一に備えてカップラーメンは買っておいた。
問題は火山灰で、電子機器に侵入すると一発でダメになるらしい。
スリット排熱なんて秒でアウトだそう。
その備えのためにマスキングテープは買い溜める。
どうせ足りてなかったし。
火山灰は晴れた日に、積もったものが舞い上がる時がキツい、
というところまで調べて、
家の隙間をチェックするところまではしておいた。

140字でどうしよう、心配、
とか動物みたいに言ってないで、
ググって調べるんだ。
その知性こそが、人間の発明したインターネットだろうに。

今ならまだ昨日のTwitterを見れるから、
富士山 噴火 あたりで検索するとおもしろいぞ。


世界を変えるのは行動であり、
行動には目的と知性と準備が必要だ。
心配してても事態はひとつも変わらず、
流されるのみである。

これは人生の鉄則で、
人生を描く物語では、
その鉄則から外れることはない。
posted by おおおかとしひこ at 11:34| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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