2021年08月27日

受注と開発

富士通が「巨額をかけた残念なシステムから一線を引けるようになったワケ」
https://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E9%80%9A%E3%81%8C-%E5%B7%A8%E9%A1%8D%E3%82%92%E3%81%8B%E3%81%91%E3%81%9F%E6%AE%8B%E5%BF%B5%E3%81%AA%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E4%BD%9C%E3%82%8A-%E3%81%8B%E3%82%89%E4%B8%80%E7%B7%9A%E3%82%92%E5%BC%95%E3%81%91%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%83%AF%E3%82%B1/ar-AANKj9P?ocid=entnewsntp

問題は、受注という商売の仕組みにあると思う。


「予算はこれくらいなので、これくらいをこの日までに納品してください」
というものの頼み方に、
そもそも問題がある。
「このくらいの期間で付き合うので、
これくらいのことをしてください」
にしておかないといけない。
人日で費用は計算できるだろう。

そもそも企業や集団が、
予算ありきで動いている、
そのシステムから変えないと、
うまくいかないかもしれない。

ものを頼み、成果物を評価して、
金を払うループにすればいいのではないか。
これは個人がモノを作るしくみとまったく同じだと思う。

最初に「これだけの金額と期日で」だからもめるのだと思う。

出来ない設計を押し付けられたり、
最初の要求仕様から変わったくせに予算と期日は変わらなかったり、
そういう仕事の頼み方がおかしいのではないか。

まずはこれだけのものをつくるよ、
というトイプロブレムを提出するのが、
実はシステム開発に一番合理的かも知れない。

映画はその仕様設計を、
脚本でやってきたが、
脚本が糞なのになぜかつくられることがとても増えた。
脚本が読めず、要求がときどき変わっていくからだろう。
そもそも最初の設計が妥当かどうか判断できる人がいなくなったのだろう。

そういうときはパイロットフィルムをつくるのがいいかもしれないね。
「開発費は出せない」と渋る映画会社もいるが、
つまりはビジネスの仕組み、営業体制や予算という考え方を変えないと、
新しくものはつくれないのかもしれないと、
この記事を読みながら思った。

富士通は営業から変えていったそうだ。
ていうか、変わってなかったんかい。
そりゃ立ち遅れるわ。

みずほ銀行のシステムダウンを見ていると、
もうシステムをきちんと把握できている人は、
いないんだろうなと思う。
映画は、監督がその全貌を把握している人だが、
事務所の事情とか、スポンサーの事情とか、
プロデューサーが止めている情報が増えて、
内容に影響が出ることが増えて、
うまくいかなくなりつつあると思うよ。

制作サイクルが大きくなり、長くなるほど、
この傾向があると思う。
ノイズやエントロピーが増えるわけだ。
つまり、成果物は発散して蒸発する。
posted by おおおかとしひこ at 12:52| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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