2021年08月28日

【薙刀式】記号類の頻度

記号類はその人の文体や書くジャンルによって、
頻度はだいぶ異なるものだ。
しかし小説や脚本を書くときに、
デフォルトの「」の位置はあきらかにおかしい。
喋らせる気ないだろ。

自分の原稿で調査してみた。



脚本 2万6198文字
小説A 11万7103文字
小説B 13万0816文字
について調べた。
よく使う記号、「」?!……の、
5種について。
以下、()内は全文字(変換後)に占める%。

脚本 2万6198文字
 「664(2・5) 」664(2・5)
 ?113(0・4) !270(1・0) ……113(0・4)

小説A 11万7103文字
 「1751(1・5) 」1751(1・5)
 ?545(0・5) !377(0・3) ……269(0・2)

小説B 13万0816文字
 「1638(1・2) 」1637(1・2)
 ?592(0・5) !447(0・3) ……262(0・2)


これを多いと見るか、少ないと見るかだが、
脚本中における「」の頻度はあきらかに高い。

「で開けば、」で閉じるわけで、つまりは5%、
20回に1回、「」の作業に取られていることになる。
これをデフォルト位置でやっている、
プロ脚本家はストライキを起こしていいよ。
しかも毎回確定入れるんだろ?
バカじゃねえの。

(ちなみに、カタナ式動画での脚本の示演では、
僕がよくやるやり方を使っている。
A「」
B「」
と先に打って、コピペして会話のターンをふやす方法だ。
これも、入力の手間を減らす一種のテクニックである)

小説の会話は、地の文があるので、
脚本よりは抑え目になっている。
とはいえ全体の3%を「」の作業で占められているというのは、
全体の文章量から考えれば明らかに多い分量だ。
小説家は、文章を書くときに30回に1回は、
「」のことを処理しなければならない、
なんてナンセンスだ。
内容に集中させてくれや。

手書きならちょい、とペンをひねるだけの記号に、
なんでこんなに手間がかかるのだ。
手書きのほうが明らかに合理的だ。
内容に集中するためには、
なるべく手間を省くことが正義だ。

ちなみに僕が手書きで書くとき、
この「」すら省略して書くことがある。
適宜改行さえあれば会話文であることは自分で分るからだ。
〇や・を頭につけて会話記号に代用することもある。
そのほうが早いからね。
清書の際に「」をつけ足せばいいや、と思って書いていく。
それくらい、内容に集中したい。


?!は総合して1%程度。
句読点と比較しようと思ったが、
会話文の最後は「。」なしで、閉じカッコで終わるので、
文末に?!が来る確率を調べることは大変なのでやめた。
でもニュアンスをつける?!が1%というのが、
スパイスの分量ぽくてリアルだ。
……に関しては一桁オーダーが下がる。
そこまで使わないが、
物語においては重要なファクターだろう。


少なくとも物語を書く人は、
「」や?!の位置に気を配って損はない。
ていうか、デフォルトの位置だと損し続けている。

労力のこともあるけど、
「思考をそっちに割くことで、内容が飛び、
内容の純度が下がることや、
疲れてしまって次を書く気力がなくなる」
ことのほうが問題だと思う。

消費税を払うだけで、
なんだか心が少し削られる感じがするよね。
そんな税金のようなものを、
文を書くたびに払うのは、
プロとしてどうかと思うね。
ブレーキを踏み続ける車で、思い通りに走れるわけがない。


薙刀式の編集モードでは、左手に記号が集められており、
JKの2キーを押しながら中段キーで、よく使う記号を呼び出せる。
なんでこれくらい楽になっていないのか、
僕にはわからない。
(他に新下駄や飛鳥が独自の記号体系を持っている。
親指シフトも独自の記号体系をもっているが、数字段かつシフトなので、
そこまで便利とは思えない)

小指をだいぶ伸ばしてようやく届く位置で、
ほぼブラインドタッチ不可能で、
しかも()と「」で縦横の関係が違うし、
?は遠いし、!はもっと遠く、両方とも小指シフトを併用しなければならない。

きっとキーボード設計者は、
小説や脚本を書かないのだ。
にもかかわらず、
実質キーボードでないと書けない仕事、
って、矛盾ありすぎだろ。
それはその用途に向いてないというのに。

プロは自衛するしかない。
知識をつけて、自分の手と文章を守れ。
薙刀式はその助けとなるだろう。

いや、配列はそのままで、記号に関してだけ、
編集モードをパクる手もあるぞ。
DvorakJなら編集モード部分だけパクって追加すればいいだけのことだからね。
配列というのは、そういう自由さがある。



(追記)
「」5%だと、頻出2位になる。(もとの2位「う」を抜く)
「」3%だと、トップ10に入る。
ただ参考にした統計が、変換前のカナなので、
誤差は大きいだろう。
だけど少なくとも、ほかの40カナよりも大事な記号ということだ。
それって句読点なみに扱わないといけないじゃんね。
posted by おおおかとしひこ at 18:11| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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