そのキャラクターがいる。
こういう性格だと設定はする。
言葉遣いや態度はなんとなくわかる。
でもそれを描くだけでは、実はまったく伝わらない。
たとえば、「慎重な性格」は、
どうやったら描けるだろう?
ある場面で判断を保留したり、
皆が危険な選択を取る中、
一人安全策を取ったりする場面で示せそうだ。
でも、それはただの設定の披露にすぎず、
印象に残る性格づけではない。
説明場面が記憶に残らないのと同じである。
そうではなくて、
「大事な場面でその性格が出る」ようにすると良い。
決定的な場面がある。
Aを選べば危険だが助かる道があり、
Bを選べば確実に死なないが、助かる保証もない。
究極の二択を用意してBを選ばせて、
Aを選んだ人全員が死ぬ場面をつくるとよい。
これはその「慎重な性格の人」が、
正しいという描き方で、
間違っているとするならば、
Bが全滅するとよいだろう。
いきなりこの場面を持ってきて、
慎重を印象付けてもいいし、
序盤では慎重な言動をする人のように説明しておいて、
大事な場面で選択させてもよい。
また、その人に「石をぶつける」とわかる。
石とは人のことだ。
「いけいけどんどんの人」と喧嘩させるとよい。
具体的にはAを選択したい人とだ。
その人に、
「こっちの方がリターンがデカイだろ!」
と突っかからせれば、
「いや、それは違う」と、
自らの哲学を披露する。
その時にはじめてその人が、どういうことを考えていたか、
わかるようになるわけだ。
「私は慎重な人間です」と、
初手から周りに触れ回る人はいない。
その人と違う人とコンフリクトさせて、
性格や考え方の違いを浮き立たせる場面を作らないと、
その人の内面は外に出てこない。
慎重な人の隣に慎重な人を座らせて、
「Bが妥当だな」
「私もそう思う」
と言わせては、
彼が慎重かどうかは分かりにくい。
リスクを取る人に「なんで?」と聞かせたほうが、
対比の力で外に出てくる。
コントラストは、
主人公サイドと敵サイドでつくるべきだが、
こうした、
周りの人間関係でもつくるべきだ。
こうして普段から外に見せるようにしておいて、
重要な場面で慎重な決断をして、
その結果が出た時のみ、
その人は慎重だったと、
記憶に結びつく。
慎重ゆえにクビになるとか、
慎重ゆえに死なずに済むとか、
慎重ゆえに告白できないとか、
慎重ゆえにハズレを引かなかったとか。
慎重だが愚鈍だったか、
慎重で賢明だったかは、ストーリー次第だが。
人間は一人では分からなくなる。
乙女座は、獅子座がいて初めて理解できる。
常に対立するところが、
「性格の違う」ポイントになるんだよね。
じゃあ、
怒りっぽい人、
愚かな人、
人付き合いが苦手な人、
勤勉な人、
目の前しか見えてない人を、
どうやって描く?
そのやり方を考えてみたまえ。
何パターンもあるだろう。
それはいつか使えるストックになるよ。
2021年11月05日
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