設定でやることかもしれないし、
構想段階で考えることかもしれない。
同盟、味方であっても、
複数の人がいる以上、微妙な違いがある。
同じ人はいないから、
あることに対して同じように見えても、
まったく違う意見をもっている部分もある。
たとえば、
ある会社に属する人間だとしても、
Aに関しては大体同じなのだが、
Bに関してはまったく違う意見で、
Cに関しても違う、
のように設定することが出来る。
たとえばサービス業の会社で、
人にサービスすることは好きだが、
Pは休日に家族サービスすることは嫌がるが、
Qはサービスすること自体が好きなので苦ではない、
Rは見返りがある時だけサービスする、
みたいに微妙に違いがあると面白くなる。
まったく違うことについてもだ。
Pはスポーツが好きで、観戦もする。
Qは体を動かすことは好きじゃない。
Rは格闘技だけ見る。
そういう風に「違い」を作っておく。
あることに賛成か、反対かを作っておいてもよい。
PとQは夫婦別姓に賛成だが、Rは反対とか。
Pは自民党に入れるが、Qは山本太郎信者であるとか。
Pは巨人好きだが、Qは阪神好きであるとか。
男女に友情は成立するか、という問いに関して、
PQは賛成しないが、Rは成立すると思っているとか。
こういう風に「違い」を仕込んでおくと、
それを利用したドラマをつくることが出来る。
夫婦別姓の事を利用するならば、
離婚問題や結婚問題や寿退社の話をつくることが出来る。
そのことでコンフリクトが生まれるからだ。
巨人阪神については野球の話ではなくて、
体制側がいいか反体制側がいいか、という自分の哲学に関係してくる。
つまり、石を投げる。
あることに対して態度や考え方が違うようにしておいて、
反応が違う石を投げるようにすると良い。
そうすると、ひとつに見えた集団が、
仲間割れをすることがあるわけだ。
そして、大同団結もするかもしれない。
一度は袂を分かったPQRであるが、
「人にサービスするのが好き」という共通点があるからこそ、
そういうことで協力することになる、
というストーリーをつくることが出来るかもしれない。
あることに、賛成か反対か。
それだけを設定してつくっておいてもよい。
PQRのそれぞれの中で矛盾しないように、
意見をつくっておくのが妥当だろうが、
そこまで考えてなくても、大体うまいこといく。
違うことを前振りに使ってれば、
それは伏線を利用したことになるからね。
もちろん、PQRそれぞれの中でまったく矛盾しないように、
「なぜそういう考えに至ったか」ということをつくっておくと、
さらに深くなるだろうね。
初手からそれをつくることはむずかしいから、
「あることについて、賛成か、反対か」のようなものを、
各自に問うて、違いをつくっていくとよい。
一枚岩は、そうやって崩す。
どうにかして、同じように見えた集団が、
割れるような問いを用意するのだ。
そこで、コンフリクトが生まれ、
つまりは対立が生まれ、
集団の分離力となるだろう。
そうしたら、揉める。
揉めることは、ストーリーの本質である。
2021年11月09日
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