2021年11月09日

細かいことに賛成反対をつくっておく

設定でやることかもしれないし、
構想段階で考えることかもしれない。


同盟、味方であっても、
複数の人がいる以上、微妙な違いがある。
同じ人はいないから、
あることに対して同じように見えても、
まったく違う意見をもっている部分もある。

たとえば、
ある会社に属する人間だとしても、
Aに関しては大体同じなのだが、
Bに関してはまったく違う意見で、
Cに関しても違う、
のように設定することが出来る。

たとえばサービス業の会社で、
人にサービスすることは好きだが、
Pは休日に家族サービスすることは嫌がるが、
Qはサービスすること自体が好きなので苦ではない、
Rは見返りがある時だけサービスする、
みたいに微妙に違いがあると面白くなる。
まったく違うことについてもだ。
Pはスポーツが好きで、観戦もする。
Qは体を動かすことは好きじゃない。
Rは格闘技だけ見る。

そういう風に「違い」を作っておく。
あることに賛成か、反対かを作っておいてもよい。
PとQは夫婦別姓に賛成だが、Rは反対とか。
Pは自民党に入れるが、Qは山本太郎信者であるとか。
Pは巨人好きだが、Qは阪神好きであるとか。
男女に友情は成立するか、という問いに関して、
PQは賛成しないが、Rは成立すると思っているとか。

こういう風に「違い」を仕込んでおくと、
それを利用したドラマをつくることが出来る。
夫婦別姓の事を利用するならば、
離婚問題や結婚問題や寿退社の話をつくることが出来る。
そのことでコンフリクトが生まれるからだ。
巨人阪神については野球の話ではなくて、
体制側がいいか反体制側がいいか、という自分の哲学に関係してくる。

つまり、石を投げる。
あることに対して態度や考え方が違うようにしておいて、
反応が違う石を投げるようにすると良い。

そうすると、ひとつに見えた集団が、
仲間割れをすることがあるわけだ。
そして、大同団結もするかもしれない。
一度は袂を分かったPQRであるが、
「人にサービスするのが好き」という共通点があるからこそ、
そういうことで協力することになる、
というストーリーをつくることが出来るかもしれない。

あることに、賛成か反対か。
それだけを設定してつくっておいてもよい。
PQRのそれぞれの中で矛盾しないように、
意見をつくっておくのが妥当だろうが、
そこまで考えてなくても、大体うまいこといく。
違うことを前振りに使ってれば、
それは伏線を利用したことになるからね。

もちろん、PQRそれぞれの中でまったく矛盾しないように、
「なぜそういう考えに至ったか」ということをつくっておくと、
さらに深くなるだろうね。

初手からそれをつくることはむずかしいから、
「あることについて、賛成か、反対か」のようなものを、
各自に問うて、違いをつくっていくとよい。

一枚岩は、そうやって崩す。
どうにかして、同じように見えた集団が、
割れるような問いを用意するのだ。

そこで、コンフリクトが生まれ、
つまりは対立が生まれ、
集団の分離力となるだろう。
そうしたら、揉める。
揉めることは、ストーリーの本質である。
posted by おおおかとしひこ at 00:40| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。