スト2を例に考えよう。
スト2なんてめちゃくちゃだ。
リアリティのかけらもない。
波動拳は出るし、全身無敵の昇竜拳ってなんだよ。
弾になって飛んでくアマゾンの怪人がいれば、
手足が伸びて火を吐くインド人もいるし、
ロシア人はすごい距離を吸い込んで体力1/3減るぜ。
人種の偏見に満ちて、マンガチックで。
じゃあ、
リアルなのがいいのか?
手足のリーチは大体同じで10センチ差すらなくて、
体重は揃ってて、
微妙な骨格差くらいしかなくて、
総合格闘技の技はみんな大体できて、
ジャンプなんかせず、手探りをして、
倒したら寝技で攻防して膠着、
みたいなセメントが、
面白いゲームになるだろうか?
たとえば総合格闘技ゲームが出たとしよう。
どっちが面白い?
スト2に決まってるよね。
ちなみに今スト5だ。
画質はHDになり、FPSは60になり、
3Dポリゴンになりエフェクトは加わり、
カメラはスムーズに動く。
で、スト2とどっちが面白い?
いまだに僕はウメハラを追っかけてスト5動画を見てたりするんだけど、
(こないだのリバサ前歩き投げはしびれたな)
面白いのはスト2なんだよね。
情報量が多いほうが面白いとは限らない。
リアルなのが面白いとは限らない。
リアルになればなるほど、
ぶっ飛べなくなる。
フォトリアリスティックな世界では、
ブランカもダルシムも存在できない。
スクリューパイルが吸い込むなんて表現できない。
昇竜拳が無敵の説明がつかない。
だから、総合格闘技レベルしかできなくなる。
総合格闘技なんてわかるやつしか面白くないぜ。
ちなみに、
その格闘シーンがあまりにリアルな、
「オールラウンダー廻」という、
総合格闘技漫画がある。
あまりにも格闘シーンが地味すぎて、
わかる人しかわからない、
狭すぎる漫画であった。
(そのかわりめっちゃリアル)
つまり、
リアリティや情報量は、
おもしろさに絶対必要なのか?
ってこと。
もっというと、
「おもしろさとは、分からない人をどれだけ引き込めるか」
ってこと。
「一回転しながらジャンプしてアッパー出したら無敵」
は、リアリティレベルだと馬鹿じゃねえのだけど、
スト2レベルだと昇竜拳すげえになるってこと。
リアリティが面白いなら、
人生を生きてろよ。
漫画を読まず、映画も見ず、ゲームもやらず、小説も読むなよな。
リアリティが地味で退屈で逃げたいから、
面白いフィクション、架空のものを見るんだよ。
つまりフィクションは、
人生よりも遊園地に近いのだ。
リアリティって必要なのか?
スト2にリアル持ち込んだらどうなるかってゲームに、
「武力ONE」って総合格闘技糞ゲーがあった。
おもしろさにリアリティを持ち込むのは野暮なんだよな。
でもリアリティを感じず嘘っぽいのは、
フィクションとしては五流なんだよな。
スト2を目指そう。
めちゃくちゃなリアリティのくせに、
その世界では面白ければいい。
キン肉マンを目指そう。
めちゃくちゃなリアリティのくせに、
その世界では面白ければいい。
ドラマ風魔はそれを目指した。
スト2、キン肉マン、ドラマ風魔に共通するのは、
作者が大阪人ってことだな。笑
そういえば東京に来て思ったのは、
関西に比べて遊園地が少ないこと。
西武遊園地、浅草花屋敷、豊島園(閉園)、
東京ディズニーランドとシー、読売ランド、
ずっと離れて富士急ハイランドくらいしかない。
土地がない事情もあるだろう。
宝塚ファミリーランド、エキスポランド、
枚方パーク、伏見桃山キャッスルランド、
ポートピア遊園地、生駒遊園、姫路パーク、USJと、
数でいうと同じくらい、人口は数倍違うのに。
(関西を離れてだいぶ経つので閉園したのもあるやろ)
関西人の方が遊園地好きなんやな。
リアリティの何が面白いんだろう?
どうせ嘘なんだろ?
面白い嘘をつけばいいじゃんね。
最近そんな、はちゃめちゃな作品が減ったように思う。
情報量が増えすぎて、
がんじがらめになってるからだろう。
志村けんが顔にマジックで書いてるレベルの扮装で、
コントをやればいいんだよ。
リアルな格好でコントなんてやるべきじゃない。
HDはテレビを殺したと思う。
情報量が少ないからこそ、無茶できて飛べたのに。
解像度が上がって、
フィルムから4Kとか言い出して、
映画って面白くなったっけ?
写りすぎてリアルじゃないと嘘っぽくなりすぎて、
嘘がばれやすくなって、
辛気臭くなっただけじゃんね。
特に邦画ね。
おれ、もっと馬鹿馬鹿しくて楽しい、
スト2みたいな映画みてえなあ。
コマンドーくらいでいいんだよ。
その方が夢あるよな。
たしかにメイトリックはガイルよりある意味めちゃくちゃな軍人ですからな…
たまにこういうバカなもので自分の詰まらぬ認識を破壊したくなるんですが、
「おバカな」とひとつ距離を置いた映画しかなくて、
本当にバカなものを見たくなりますね。