2021年11月11日

【薙刀式】1アクションで何かをすること

「」←(横書き。以下同)を最初に導入した配列って何だっけ。
新下駄の記号部に採用されてるけど初出ではなく、
行段系くらい昔のやつに、既にあったような気がする。


薙刀式の編集モードは、
「」←にするべきか、
「」の開き閉じを別々に単独で打つべきかで、
行ったり来たりしていて、
最新のv14(仮)だと、前者の方式をとった。

単独入力でもいいじゃないか、と思える理由は色々あって、

・「」←は、書き始めはいいんだけど、
 「」の中を書き終えたあと、外に出るときに→を押す必要があり、
 「」の2アクションと変わらないのでは?

・「」改行後「」(小説の会話文用)、
 「」改行後空白(小説の会話→地の文用)など、
 色んな機能を組み込みたいが操作系がややこしくなる

の二つが、
前版まで、「」を開き閉じ単独入力にしていた根拠。
同様に、『』()【】などでも同じだった。

最新版で「」←の1アクションにした理由はこれへの反論そのもので、

・ある塊を「」の中に入れるという意識=1アクションを大事にした。
 このため、『選択範囲を「」で囲む』『選択範囲の一つ外の「」を消去』
 を追加して、「」の中はひとつの塊で1アクションで操作、
 のような体系にした。
 (ダブルクリックで「」の中を選択出来るんだっけ?
 だとしたらマウス左クリック2回も欲しくなるな…)

・確定→というマクロを新造することで、
 」の外へすぐ出れるようにした。
 このあと続ける(引用)、改行空白(会話文後地の文)、
 改行「」←(会話文続ける)などを適宜入れる方式。

・」の外へ出て改行して「」←にして、
 会話文を続け様にラリーできるのは便利なので、
 これのみ単独採用。


のように考えを改めたわけだ。

特に中核になってる考え方は、
『「」が一個の塊なんだから、
これを1アクションに対応させて扱おう』
という直感的なものだ。

つまり、
「一概念操作を、一手に対応させたい」
ということだ。


PCの操作は、
「操作アトム(最小単位)を組み合わせて、
目的のシークエンスを組み立てる」
という、分子、パズルのような形をしている。

でも人間の目的は「そのひとつ」の形をしていて、
アトム単位に分解して考えているわけではない。

だから、
思考は一つなのに、手は複数段階になっていることが、
とても気持ち悪いなあと普段から思っている。

PC以前からある人類の考え方では、
「一個の概念は一個の操作」だと思う。

「人を殴る」が1セットで、
「踏み込む」「拳を握る」「腰を回す」「肩を回す」
「拳を叩き込む」「拳を引いてオンガード」
に分解して、
一つ一つのコマンドを呼び出すわけではない。

「お好み焼きを作る」が1セットで、
「小麦粉を溶かす」「キャベツを刻んでいれる」…
などと分解してパーツ分けするわけではない。

こういう、アナログ的な感覚に近づけたかったのだ。


これは恐らく我々の記憶の仕方に似ていて、
「細かい段階をすっ飛ばして、一つのものとして記憶する」
機構があり、
記憶操作は概念操作と同じようになると思う。
人間特有の(?)抽象概念、その操作は、
こうした記憶の圧縮と関係あるのではないだろうか。


「」関係の操作では、必ずこれが起こると思った。
我々は「」の中に入る概念の方が重要であり、
「をタイプしたり、」をタイプすることをしたいわけではない。
また厄介なことに、
「キーを打ったら確定ないし変換をかける必要があり、
つまりは最低4アクション必要になる。
これは超面倒だと思ったんだよね。
だから、
「」確定←を採用している。
記号系はすべて確定入りにしてあるんだよね。

「」関係は1アクション。
そう思うだけで思考はかなり楽になる。
(同様に、『』()【】の、計4カッコを標準装備)


ごりゅごさんが、
このことについて感想を述べていた。
https://mobile.twitter.com/goryugo/status/1458223596883480587

普段アトムを組み立てて、
やりたいことを実現するのに慣れてる人は、
1アクションになることで、なんか得あるの?
と疑問に思うだろう。

僕の回答は、「心が楽になる」としておこう。
「」は1アクションと考えることで、
思考にリソースを割けることが、
この考え方の利点だ。

たとえ無意識化したとしても、
複数のアトムの組み合わせは、
思考を圧迫すると僕は思う。
数打必要なものは、
それだけで思考が80%くらいに萎縮すると思う。

だからそれを「ひとつ」にしてしまうことで、
思考の97%くらいを常に使おうぜ、
と僕は考えているわけだ。


余計な思考にリソースを割かなくていいのは、
考えながら書くことに、
絶対的に必要なことだと思うんだよね。

僕が手書きを捨てないのは、
脳内リソースをほぼ100%使えるからで、
薙刀式をなるべくそうしたい。


他にたとえば、
「?」のあとは全角空白だから、
?確定空白を、1アクションにしようとしたことがある。

なんで? こうだからさ。
なんてのをすっと書けるわけだ。
でも、
「なんで?」 なんで?……
と、後ろに役物が来た時は例外になるので、
やむなく、
?確定
だけにした経緯がある。
これはスマートな解決策を持っていない。


このへんの選定、
つまり何を1アクションにして採用するか、
が苦労のしどころなんだよね。

欲しいものは何でもかんでも1アクションにしてしまいたいけど、
沢山増えてしまったら、
覚えることが増えたり、
そもそも使いこなせなったり、
それ自身が脳のリソースを使ってしまい、
本末転倒だ。

それは美しくない。
無駄を省くための道具が、
無駄だらけであるべきではない。

だとしたら、
最小限のセットってなんだろう、
みたいな問いを毎回自分に突きつけていて、
v14(仮)は、
まだ完全に煮詰まってない、
の(仮)だったりする。


もちろん、
人によって「1アクションにしたい、一塊の概念」
みたいなのは他にもあると思う。

ごりゅごさんは、
全角モードの時からでも、半角#を打ちたいらしい。
僕にはそんな需要はないが、
自作キーボード内にそういうボタンを作ることはすぐできる。

あるいは、
うちの親父は風呂と歯磨きを1アクション1セットにしてた。
僕は別個にしたかったので、
自分は今でも風呂場で歯を磨かない。
つまり、
「生理的な感覚」だと思うんだよね。


文字入力操作で、
本質的で基本セットになる、
1アクションの生理的な感覚ってなんだろう。

そもそも薙刀式の目的は、
「物語を書く配列」である、
とコンセプトと目的が定まっているから、
そのための30×2を煮詰めている。

これが「プログラミングしているときに、
コメントを書くための配列」だったら、
IMEオフ、//、空白、IMEオン
確定、IMEオフ
の二つはFJや親指2キーに来るだろう。

コンセプトというのは、
そうした取捨選択の基準になる。
ここがぶれては一生ぶれる。



今悩んでるのは、
・ページアップダウンが、移動が入らず、選択しか入らないこと
 (数ページに渡るブロックの切り貼り用。
 大移動はマウスホイールあるし、と自分を納得させている)
・アンドゥとリドゥが入らないこと
・確定→改行空白で、会話文のあとの地の文、も欲しくなる
あたりかな。

脚本用マクロを削れば入るけど、
それはコンセプトがずれるので、
オフィシャルには残しておく。

何がoutして何がinするかは悩みどころ。
3面に増やせば沢山入れられるが、
それは「一度に記憶して運用できる量」ではないので、
却下している。
(個人で改造する分には、
AS、L;押しながらの面などは空いてるから、
好きなように定義すれば良い)


ということで、
まだv14は(仮)だ。

昨日も、
確定→改行「」確定←
という一連マクロ(台詞書き終えたら確定して次の行に台詞書く準備)
を、
確定←改行
に短縮して、
「」←と二段階にすればいいのでは?
とやってみたが、
1アクションが2アクションになっただけなのに、
めちゃくちゃしんどかった。
そこは1アクションが譲れない、
と理解して元に戻した。

60個って聞くと多いのに、
欲しい場面はもっとある気がするんだよな。


ということで、
何が一概念であるべきか?
をちょいちょいまだ弄っている。
posted by おおおかとしひこ at 12:11| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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