特撮って、
太いシリーズ(ライダー、戦隊、ウルトラマン)しかなくて、
他の意欲的な試みは単発に終わりやすい。
たとえ評価されたとしても、
単発に終わりやすい。
その系譜をうまくまとめていたツイートを見つけたので。
https://mobile.twitter.com/kasai_sinya/status/1458727901164044292
我らが風魔が入っているのは光栄だ。
商売とスポンサーについて。
長く続くシリーズは、
偉大だからとか面白いから、
ではない。
「スポンサーがおもちゃを売れるスタイルで、
なおかつやれば売り上げが見込めるから」
続くのだと思う。
ライダーやウルトラマンが最初からそうだったわけではなく、
ライダーも戦隊も、
沢山のカンブリア紀の特撮から、
生き残った種族にすぎない。
だってズバットやミラーマンやザボーガーや、
ビビューンや17や5年3組魔法組や赤影は、
単発で消えたものね。
その時たくさんのたくさんの実験があり、
おもちゃが安定して売れて、
今でも売れるやつが、
太いシリーズになっている。
繰り返すが、
出来不出来との相関は低いように思う。
ライダーやウルトラマンが特別出来がいいとは言えない。
ただ、スポンサーとの関係が良好で、
作り続けられる枠があったことが、
重要だったように思う。
そうして、続いたものはブランドになったわけだ。
現在の問題は、
ブランドがすでにあるため、
「新しいブランドをつくろう」
という意欲的な流れは、ほとんど生まれないことだ。
だって新しくやって失敗するならば、
勝てる勝ち馬に乗っかりたがるからね。
こうして、
ブランドだけが資金を得続けて、
益々ブランドを強固にして、
その他の草を生えなくする。
風魔に限って言えば、
イケメン×特撮×2.5次元×ドラマと舞台
というような枠組みでの1クール4本、
4クールの実験であった。
風魔は傑作と今も胸を張れるが、
その後のRh+、東京ゴーストトリップ、
ここはグリーンウッドは、
好評とまではいかなかったようだ。
Rh+は舞台化を予定されていたものの中止となり、
以降3作とも舞台化はされていない。
絵に描いた餅は実現せず、
「枠組み」自体が消失してしまう。
(風魔が予算を使いすぎた説はなくもないが、
そのへんの財布事情はようわからん)
「ほらいっただろ、
勝ち馬ブランドに乗れよ」と、
投資家なら思ってしまうだろう。
こうして、
意欲的な実験、その成功がありながら、
「枠組みの維持」は、
実験と成功とは別の論理で回る。
僕はいつも視聴者の立場だが、
沢山の名作珍作が生まれては消えてゆき、
歴史的評価を定めていくのはたのしい。
しかし、
太いシリーズは太いシリーズとして残り続け、
流星のように消えていった知られざる名作たちを、
僕は忘れない。
記事中のサイバーコップは、
出撃がEVAにパクられているといまだに思う名作だ。
千葉美加かわいかったなあ。主役はあばれはっちゃくだぜ。
少女コマンドーいづみ、セーラー服反逆同盟も、
そうした系譜に入るだろう。
これは、
特撮だけの問題ではなく、アニメもそうだと思う。
テレビという仕組みが、
枠をスポンサーが買い支える、
という仕組みである以上、
枠が持つか持たないかだけが、
太いか太くないかの分水嶺になるだけだ。
代表的なのは月9だし、
長年太い枠だった火サスは消失したしね。
つまり、
我々は作品単位の出来不出来を評価するのに対して、
製作側は枠の太さ、ブランド力を評価するわけだ。
金を産み続ける太枠かどうか、ということを。
このズレが、
こうした議論になっていると思う。
何が言いたいかというと、
風魔の続編つくる枠組みはなぜないのか、
ということさ。
新しい挑戦に、投資家が金をなぜ出すのか?
僕は投資家ではないが分からない。
ほんとうは、投資家が脚本を読み、
「すぐれた作品である」と判断して、
パトロンを買って出るべきだ。
だが、パトロンではなく、
勝ち馬ブランドに乗りたがるスポンサーが、
太枠を求めているだけのようだ。
映画が、原作付きやシリーズものに傾くのも、
同じ理由だ。
みんな失敗したくないんだな。
臆病なのさ。
ライダーもウルトラマンも戦隊も、
数ある「どれが当たるか分からない」の中の、
ひとつの弾だったにすぎない。
そうした、マンボウの卵のような時代が来ない限り、
次のブランドはないのだろうか?
シン仮面ライダーとか、
シンウルトラマンとかやってる場合じゃねえだろ。
「お金が集まらない」んなら、
クラウドファンディングするとか、
別の投資方法を探るのが、
商売人ではないだろうか。
僕は商売人ではなく、出し物を作る人なので、
商売人のことがやっぱりわからない。
2021年11月11日
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