2021年11月17日

【薙刀式】いいリズムで書けるということ

お二方が以下のように証言している。
>> 入力リズムがとても心地よい。5年くらい使ってた親指シフト入力より、ずっと合理的な配置だな。 マスナリジュン@msnrjn
>> いいリズムで書けるから「使いたい」という感覚になる。五藤隆介(ごりゅごcast)@goryugo

他の配列に比べて、なぜいいリズムで書けるのか、
考察してみる。


1. よく使うフレーズ(特に繋ぎの語)がアルペジオで特別速く打てる
2. マイナー音でも1に準ずるカナは単打
3. BSやエンターが人差し指
4. 1モーラが1アクション、特に拗音での熟語が速い
5. 連続シフトで得した気分になる

あたりかなあ。


1. よく使うフレーズ(特に繋ぎの語)がアルペジオで特別速く打てる

薙刀式の「よく使うフレーズ」は、
統計的に出る連接ではなく、
「日本語の中核になるフレーズ」を意識している。
ある、ない、する、して、こと、とき、ところ、
である、がある、という、でもない、もの、おもう、かんがえる、
などなど。

これまでの配列理論では、
「(意味はおいといて)良く出る二連接をアルペジオに」
はあったと思う。
代表的なのは新下駄で、
だから新下駄は最速候補のひとつである。
だけど薙刀式は、「意味のブロック」を速く打てるように考えた。
人間は機械的に打鍵していくわけではなく、
「意味を組み合わせて書く」ことをするからだ。

新下駄はコピー打鍵などタイピングゲームでも速いし、
創作打鍵でも速いし、平均的に速くなるようになっているが、
薙刀式は、意味がランダムなタイピングゲームでは大したことなくて、
意味を組み合わせる創作打鍵において、
速く打てるような構造をしている。

そのことが、
リズムに関係していると思われる。


2. マイナー音でも1に準ずるカナは単打

新配列の配置原則は、
「よく使うカナは単打、マイナーカナはシフト側」
で、効率を上げようというものだ。

だけど薙刀式では、
その原則に反する例外が少しある。

ろ、ほ、ら、れ、ー、す、そ

あたりかな。
単打とはいえ、薬指小指担当が多い。

だろう、ほう、られる、それ、これ、あれ、どれ、
キーボードなどの外来音、
する、です、ます、それ、そこ

などをシフトなしでざっと書くためだ。

その代わり、
頻度的に単打側だろうが、シフト側に落としたものが、

の、ま、に、も、句読点

あたりで、
これはDFJKVMという最強位置のシフトになっている。

本来ならばこの辺のカナも含めて単打側に来るため、
単打側は薬指も小指もパンパンになっていることがあるが、
これらをシフト中央に落としたことで、
外側指の単打に余裕ができて、
上のようなマイナーカナが単打に入ることになったわけだ。


この辺の文字と指の感覚が、
薙刀式の独特のリズムに貢献していると思う。


3. BSやエンターが人差し指

デフォルトのBSやエンターは遠く、
出張して帰ってくるまでにリズムが失われると思う。

「打つ」じゃなくて「書く」に感覚が近いのは、
修正や漢字変換確定まで含めて、
トータルで動線を考えているからだ。
qwertyローマ字だと、
「かなを打つこと」と「変換したり修正したりすること」は、
別次元の動線に分かれている。
qwerty英語で「使ってないキー」を、漢字変換に使っているからだ。
だから別々の動線になることは、
やむを得ないことである。

この「やむを得ない」を、
21世紀に至ってまだやっている人類は馬鹿だと思う。
そろそろ薙刀式のように、
全ての動線を繋げて、「文字を書く(修正する)」を、
ひとつのシステムにすることを考えればいいのに。

フリックはほぼそれを統合環境にすることに成功していると思う。
なので僕は薙刀式の次にフリックをよく使う。


4. 1モーラが1アクション、特に拗音での熟語が速い

「1モーラ1アクション」は、
下駄配列以来の、新配列のある種のステータスになっている。
拗音二打は、やっぱ気持ち悪い。
濁音や半濁音も1アクションだし、
その辺がするする書けること、
リズムがいいことと関係していると思う。

また、拗音は特に熟語で頻発すると思う。
熟語の同音異義が多い日本語では変換時間がかかるから、
その分カナが速く打てて、トータルでプラマイになってて、
リズムが失われることがない気がする。


5. 連続シフトで得した気分になる

連続シフトは離し入力が発生するから、
実のところ逐次シフトと大して手間は変わらないのだが、
「いちいちやらなくていい」
という意識が、楽できていると思う。
「シフトが終わったから離すぞ」ではなく、
「シフトが来たらとりあえず押しっぱなしにして、
シフトじゃないカナが来たら離して元に戻る」
という、
何も考えなくていいところが、
連続シフトのいいところ。

飛鳥配列だと右と左のシフトで計3面あり、
なし、左、右とあっちこっち飛ぶけど、
薙刀式は単打とシフトの2面しかないので、
シフトオン、オフだけを気を使ってればいいから、
意識が楽になると思う。



これらのことが複合的にあり、
薙刀式はリズム良く書けるのではないかと考える。

123は薙刀式の独特な部分、
4は、下駄、新下駄、シン蜂蜜小梅、姫踊子草、あまのあすか、
などにもあるし、
5は、新JISにもある要素だけど、
複合的に効いていると思われる。

posted by おおおかとしひこ at 16:06| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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