E 無意識で扱うと死亡するレベル……雨の日の岡山の側溝
D 無意識で扱うと怪我するレベル……むき身の日本刀
C 専門家が注意すれば間違えないレベル……保険の契約書、USBの裏表
B 注意しないと間違えるレベル……昇竜拳と波動拳
A 普通の人がわかるレベル……トイレの男女
S 誰もが、無意識に、すんなり理解できるレベル
僕は、全てのデザインはSでないと認めない。
レベルEがこちら。
USBポートが二つあり、
それが100Vコンセントのささり口と同じ幅。
USBポートにコンセントを挿せば、
ショートし、
ブレーカーが落ちてセーフティがかかればましなほうで、
火を吹き家を焼く可能性がある。
電源タップでオフになってて、
挿した状態で何も起こらず、
オンにして隣の部屋に行ったり2階に行けば、
家が燃えて死ぬ可能性すらあるね。
触れただけでショートして火花が出れば軽微事故で、
金属部分に触れてたら感電レベル。
なぜそんなことが、
デザインの図面を見て想像できないのか、
僕にはわからない。
関わった人間は、営業含めて全員首だろ。
僕は工学部出身なのだが、
長谷川教授の授業での、
親友のダム設計者の話が忘れられない。
「1000年に1度程度の地震の確率を、
設計の計算精度に入れ込むべきかどうか」
という問題で、
設計主任は「入れない」、
つまりその地震は起こらないとした。
だけどその地震が起こり、ダムは決壊して、
大勢の人が死んだそうだ。
その設計主任、長谷川教授の親友は、
責任を感じて自殺したらしい。
紙の上で計算することは、
たかが鉛筆を動かし、書いたり消したりすることだけど、
それは人の命を預かる行為である、
ということを忘れてはならないわけだ。
たかが鉛筆を動かすことは、
若い頃同じ酒を飲み、
同じ歌を歌った親友を失うことと同じ重さがある。
工学部出身として心に刻むべきことだと、
長谷川先生は悲痛な顔で、
最初の授業で教えてくれた。
僕はどんなデザインをするときも、
そのことを忘れたことはない。
だからレベルEのデザインを見ると、
怒鳴り込みたくなる。
レベルDのデザインで指が飛ぶ事故も心が痛む。
保険の契約書や法律書、
あるいはどこに何を書けばいいのか初見で判断できない、
ややこしい申請書を見ると、
悲しくて泣きそうになるし、
「わからない」ことのストレス以上に、
社会的使命感で腹が立つ。
USB-Aの裏表をコストダウンのために対称にして、
逆では刺さらなくしたやつは、
全世界から呪い殺されてもいい。
だからこの世に呪いなど存在しない。
そうそう、トイレの男女表記を、
LGBTに配慮してグレーにしたバカもいた。
俺が女子便所に入っても社会的生命を失わないなら構わんが、
そうじゃないなら引責辞任レベルだ。
あなたの表現は、Aレベルでギリ合格の60点だ。
レベルSのユニバーサルデザインで65点だ。
あなたの表現は、
最低限がSでなければならない。
なぜならそのあとに「心を動かす」必要があるからだ。
泣いたり笑ったりすることは、
デザインの上のレベルの力がいる。
表現とは、わかるの次の次元である。
だから僕は、
心を動かすレベルに到達していないデザイナーをバカにする。
フェラリーリのデザイナーは尊敬するよ、もちろん。
あなたの表現はどれ?
2021年11月18日
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