JISカナ配列、そのもとになったStickney配列は、
「同じ行のカナを(なるべく)ひとかたまりにする」
という設計思想で並べたものである。
学習初期に有効なのはわかるが、
一生使うべきものになるだろうか?
今やキーボードで、
「同じ行をひとかたまりに」は古いと思う。
そういうのを使いたかったらフリックのほうが、
使いやすくて速そう。
なんせフリックのほうが、
「不規則なひとかたまりより規則的」だから、
記憶負担は少ないし、
指の動きはそろう。
もし規則的ひとかたまりが良いのなら、
50音順配列キーボードが最強だろう。
でも銀行なんかで、
毎度イライラするよね。
せめてフリックに切り替えたいよな。
フリックが素晴らしいのは、
3×4、4方向、と、
3の法則(いっぺんに認識できるのは3まで)に、
限りなく近いことで、
これは無意識レベルに落とし込みやすいということ。
50音順がイライラするのは、
5段だし、10行あるし、というところだろう。
同様にキーボードも、
3段はいいけど、10桁あるし。
キーボード入力に現在求められているものは、
「フリックより効率が良いこと」だと思う。
僕はいま多分フリック>qwertyで、
速さに関してqwertyを使う理由はもうない。
ただフリックはブログ記事を何個も書くにはむいてない。
2500字くらいが限界?
2500字以上書くならばqwertyを使うだろうか?
でもqwertyしか使えない環境は僕の周りにはほとんどなくて、
だったらqwertyの3倍速い薙刀式だな、
というのが今の僕のスタンスだ。
一生フリックとqwerty、どっちかしか使えない環境なら、
フリックだな。
初学者に日本語入力を学ばせるのは、
なにがいいだろう?
僕は50音配列かフリックだと思う。
まずはそれでIME操作や、
ファイル操作を覚えさせてしまったほうが、
IT文房具に慣れられると思う。
その次に、
「効率化している配列」として、
新JISや薙刀式を選ばせればいいと思う。
まあqwertyやりたければやってもいい。
New Sticknyは、
JISカナの前身であったSticknyを改良しようとしているが、
その基本アイデアの「同じ行が固まっている」が、
初学者に有効かなあと、
僕は疑問符なんだよね。
サイトメソッドならqwertyでもいいし、
やっぱフリックでいいんじゃないかって戻ってくる。
で、
理想は、
「唯一の配列しか使えない」ではなくて、
「複数の配列がプリインストールされてること」
じゃないかな。
それをIMEから選択できて、
配列図や簡単な打ち方も呼び出せる、
総合的なIMEが出来るのが理想な気がする。
その時に、
・50音順配列
・フリック
(New Stickny)
---ここからブラインドタッチ前提
・新JIS
・薙刀式
・月配列U
・かわせみ
・シン蜂蜜小梅
・飛鳥
・新下駄
・qwertyローマ字
・JISカナ
のようなラインナップならいいんじゃないか。
もうちょっと増やしてもいいし、
あとでインストールできるようにしてもいい。
ちなみに、僕の思う難易度順にならべた。
初学者に有効な配列は、
すぐに期限切れになると思う。
いくらでも配列はあり、
好きなものに乗り換えたり、複数使ってもいいんだ、
となるのが、
一番リベラルじゃないかなあ。
でもその割に、フリックはずっと使えるシンプルさがある。
配列は、文房具みたいに、たくさんあって、選べて、
気に入ったやつはずっと使って、
たまに違うのも使って、
みたいになるのがいいと思う。
デジタル文房具屋が出来たら、
そういうケアをしてくれるといいな。
家電屋じゃそういうのがないからね。
で、やっぱり大体はフリックに駆逐されるんじゃないか。
長文を書こうとする人だけがキーボードを使うようになるのでは。
だとすると、フリックに対してのスタンスが、
明確な配列がいいと思うなあ。
その意味で、同じ行のカナを集める理屈は、
もういらないと僕は感じている。
その時代はフリックによって終わったと。
逆に、初学者に有効な配列は、
「ぼく」「きみ」「あなた」「これ」「それ」
など、日本語の基本的な語が、
アルペジオなどで打ちやすい配列ではないか?
薙刀式は繋ぎの語を打ちやすくしているが、
それ以前に、
小学生レベル、外国語初年度レベルでの、
根本的な単語を打てるキーボードがあると、
いいんじゃないかと思う。
「根本的な語が、根本的な運指」
に整理し直せれば、
どんな人でも使いやすいキーボードになると思うのだ。
(その言葉の選出に時間がかかりそう…。
もし薙刀式の次を考えるなら、
そこからやるべきだろうか…)
2021年12月01日
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