2021年11月19日

設定に悩む人たち

今日久しぶりに出社して電車に乗ったのだが、
初老の体育会営業の人が、
「おれずっとクリエイティブ行きたかったんだ」
って話をしてたので何気なく聞いてた。

今から小説でも書こうかななんて話をしていて、
でも「まず設定でつまづいてる」って話をして、
そこは違うよとツッコミたかったが、
まあ酒も回ってるだろうしまじめに言っても聞いてくれないだろう、
と黙っていた。

なんでみんな設定から入るんだ?
それじゃ永久に書けないぞ。

何から書けばいい?
シンキングタイム。


オープニングから?
主人公から?
主人公の抱える問題から?

事件から?



僕はどれも違うと思っていて、
ラストシーンから書けばいいと思っている。

ラストにどういうものを残す話なのか?
をまず考えればいいんだよ。


敵を倒して平和になる話なのか。
恋人を手に入れて終わる話なのか。
殺人犯がつかまる話なのか。
嘘を暴き、名誉が回復される話なのか。

なんでもいい、
最後に何を残す話なのか?
を考えればいいんだよ。


何をあなたは与えられる?
何なら、あなたは与えられる?

まずそれを手渡す、最後の場面を書くんだよ。


そしたら、
そこへ逆算すればいい。

どういう事件があって、そこへ至るのか。
それはどうやって解決するのか。
どういう主人公がいるのか。
どういう味方がいて、敵がいるのか。

なぜ主人公はそれを解決したいのか。
そもそもなぜそんな危険を冒すのか。

敵はなぜ主人公を妨害しようとするのか。

途中でどういう紆余曲折があるのか。
途中でどういうどんでん返しがあって、
ラストにたどり着くのか。
じゃあ最初はどういう方向性へミスリードしようか。


ここまで出来て、
そんじゃ設定はどうしようかね、
だと思うよ。

場所はどこ、時代はいつ、
主人公の名前は、年齢は、職業は、
その他の人物のそれらは、
どういう事件がなぜ起きたのか、
その詳しい経緯、
そのシーンはどういうシチュエーション設定なのか、
事件名、組織名、会社名、人物の名前。

カタログ的、履歴書的な設定は、
あらすじ全部が出来てからつくればいいんだよ。

展開ありきで、設定なんて逆算なんだ。


なにか面白い設定ができたからといって、
最後まで面白く書ける保証はない。
最後まで一度も書いたことのない人ほど、
設定がないと書けないと思い込む。

人物A、男1、職業不問、大人か子供か、
都会か田舎か、
くらい決まってれば、設定なんてしなくていいんだぞ?


何から始めればいいか分からないおじさんよ。
設定なんて考えてる場合じゃねえよ。

セックスをするときには射精から考えろ。
見つめ合うことから考えてたら、
いつまでもたどり着けないぞ。

仕事なら逆算ができるくせに、
創作で逆算ができないのは変だろ。



なんて話をしたかったのだが、
ここに記しておく。
posted by おおおかとしひこ at 00:40| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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