2022年01月05日

ボトムアップ法とトップダウン法

ストーリーをつくるには、
大きく分けてこの二種がある。

どちらが優れているというわけではなく、
片方しか使わないわけでもない。
両方使うべきだと考える。


【ボトムアップ法】
1. 舞台を考える
2. 設定を考える
3. 登場人物を考える
4. 登場人物たちの関係性を考える
5. 事件を考える
6. 動機を考える
7. 展開を考える
8. オチを考え、全体のテーマは何か考える

【トップダウン法】
1. 事件とオチとテーマを考える
2. 構成を考える。ツカミ、展開、オチ
3. 登場人物の動機を考える
4. 登場人物の関係、造形を考える
5. 設定を考える、テーマの逆算構造のはず
6. 舞台を考える

ボトムアップはディテールから全体を作っていく方法、
トップダウンは骨格から全体を作っていく方法だ。

ボトムアップは順撮り、
トップダウンは逆算、といえるだろう。


素人が考えるストーリーづくりは、
ボトムアップ法である。

誰もが、
面白そうな舞台や人物や設定のいくつかは、
考えた経験があると思う。
そして冒頭のツカミくらいは書けると思う。

でもたいてい展開で息切れして、
その先が考えられず、出落ちで挫折、
というパターンが九割といったところだろうか。


トップダウン法は、
プロのやり方、慣れた人のやり方だ。
効率よく全体をまとめることは出来るが、
小さくまとまるきらいはある。
「自分の限界を越えるおもしろい作品」は、
出来ないかもしれないね。


どちらかで行き詰まったら、
逆を試すことをおすすめする。

キャラクターの動機がいまいちなら、
その前後の段階、
人物設定や構成にヒントがあるかも知れないわけだ。


二つの方法で挟んでゆき、
「まだ出来てないところ」を特定してゆく。
そこがどう出来てればいいか?
を自分に要求して、
それを細分化していけば、
穴埋めができると思う。


実のところ、
日本人は穴埋め法が得意らしい。
どこかが出来てて、どこかが虫食いのように空いてると、
そこを埋めることを考えるのが得意だそうな。

そういう風に全体の地図をつくってみて、
ボトムアップから、トップダウンから、
範囲を狭めて特定していくと良い。

「○○の部分さえ思いつけば、
全体が出来上がるのに」
というところまで来たら、こっちのものだ。

もちろん、テヅカチャートはこの時のために使うのさ。
posted by おおおかとしひこ at 00:08| Comment(2) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大岡さん

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

穴埋め式が日本人は得意っていうのは眉唾
ですね。

自分はに120分の長編を最近完成させたのですが、
それもやはり大岡式メソッド「まず最後まで完成
させろ」に従って奮闘したからです。

で、今振り返ると「ここさえ思いつけば」を
穴埋め式にしてました。

躓いた箇所を「後でくわしくやる」とだけして
まずは「終わり」まで全て繋げる。

そのやり方が自分にあっていたようでした。

穴埋め式、また使いたいと思います。
Posted by 解無後 at 2022年01月07日 13:00
>解無後さん

最後まで書くために、
空白の場所を特定するやり方に使ってください。
前から書けない時は後ろから書き、
逆算で書けない時は前から進むと良いでしょう。

日本人は他の民族に比べて、穴埋めが文化的に好きらしいです。
クロスワード好きのイギリス人の方が上かもですが。
Posted by おおおかとしひこ at 2022年01月07日 13:51
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