全体が見えたら、
サブプロットの一覧をつくると、
さらに全体が見えやすい。
参考写真。(重要な場所にはぼかしをかけた)
かならずA4一枚につくろう。
全体をひとつに眺めるためだ。
部分ならなんでもできるが、全体を眺めるには、
「一枚に全部入っている」が重要だ。
縦軸に時間、横軸に人物を並べている。
今書いている話では、
メイン登場人物が5+1いるので、
それを横に並べた。
縦軸に時間を取っているが、
最初の部分にバックストーリーを含めてある。
こういうことがすでにあって、
本編の最初のシーンに入る、
という感じになっている。
劇中で、それを回想したり明かされたりするから、
観客はそこで初めて過去を知ることになるが、
それぞれの登場人物から見れば、
単に時系列で生きているだけだからね。
この表を作る目的は、
「各登場人物から見たこのストーリー」を把握することだ。
一番左は主人公で、
それが経験するAストーリーをまず主軸にする。
全シーンに主人公がいるわけではない。
別の場面があったりする。
他の登場人物に関しても時系列でまとめる。
ある人物がこれをしているとき、誰は何をしているか、
把握するためにも表にすると分りやすい。
裏で実はこれをしていたのだ、とか、
とくに裏はなくて、ただ生きていただけ、とか、
作者が把握できなくて、誰が把握できようか。
とくに今回は登場人物の思惑が錯綜するタイプの話なので、
頭の中で考えているだけでは分かりにくくて、整理するためにつくった感じだ。
色々考えるとまだ穴があり、
赤で修正を入れ始めている。
それぞれが活躍する見せ場もつくりたい。
そうしたことを考えるために、
「その人物から見たこの話」を俯瞰するのである。
この縦糸は、その人物中心だが、
横糸に注目されたい。
それは人物同士が絡むシーンだ。
この場面で、各サブプロットが交差するわけだ。
動機がそれぞれ違う人物たちが、
ここでもめる。コンフリクトである。
このバチバチを強力にしていくために、
その前を作り直したり、
その後を作り直したりするのだ。
で、前につくった全体の見取り図に戻り、
入れ替えが必要ならば入れ替える。
不要なシーンがあれば削除し、
足すべきシーンがあれば足す。
こうして、部分と全体が形をなしはじめていく。
古い、日本映画の脚本のチェック方法をひとつ。
「各登場人物のサブプロットで、
気持がつながっているか?」というチェック。
その人物の視点から見て頭からラストまで通して、
その人物の気持ちがわからなくなるところがあるかどうかをチェックすること。
なんでそれをしたのか、なんであれをしなかったのか。
途中で動線が途切れているかのチェックだ。
もちろん繋がっていれば面白いという保証があるわけではなく、
途切れていれば破綻している、というだけのチェックだけど。
こうしたサブプロットを整理することで、
複雑な話でも整理しやすくなっていく。
こうした同時進行をすることができず、
主人公とヒロインとセカイしかないのが、
セカイ系だと言えようか。
複数の異なる目的を持った人物が、
世界で同時進行している。
それがただしい世界で、
それをうまく整理して、さらには面白くするのだ。
2022年01月21日
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