2022年01月06日

【薙刀式】指の意識

各指の操作感覚をマスターするほうが、
配列図を丸覚えする(たとえば写真記憶のような)
より効率が良いことを議論してみる。


まず、薙刀式の全組み合わせを列挙する。
めっちゃ多い。
これがいかに圧縮されているかを、
このあと議論しよう。


右人差し指
 あ な た く         ……単打
 BS               ……単打
 の 。 お や さ       ……シフト
 → シフト→          ……伸ばし上段
 エンター            ……同時
 IME ON            ……同時
 だ ぐ ざ           ……濁音
 ぁ ぉ ゃ           ……小書き
 しゃ じゃ きゃ ぎゃ
 ちゃ ぢゃ りゃ にゃ みゃ
 ひゃ びゃ ぴゃ        ……ゃの拗音
 ファ フォ ウォ ヴァ ヴォ
 ツァ ツォ
 クァ クィ クェ クォ クヮ
 グァ グィ グェ グォ グヮ  ……ぁぉくの外来音

 が じ ご ぞ ぢ
 ど で ば げ ぎ び ぜ ぼ ……左手の濁音化
 ぱ ぴ ぽ           ……左手の半濁音化
 じゃ じゅ じょ
 ぎゃ ぎゅ ぎょ
 ぢゃ ぢゅ ぢょ
 びゃ びゅ びょ        ……濁拗音化
 ぴゃ ぴゅ ぴょ        ……半濁拗音化
 ティ ディ トゥ ドゥ
 シェ ジェ チェ ヂェ     ……左手の外来音化

右中指
 い る ん           ……単打
 も よ ね           ……シフト
 IME ON            ……同時
 ぃ ょ             ……小書き
 しょ じょ きょ ぎょ
 ちょ ぢょ りょ にょ みょ
 ひょ びょ ぴょ        ……ょの拗音
 じゃ ぎゃ ぢゃ びゃ ぴゃ  ……濁半ゃの補助
 フィ ウィ ヴィ ティ ディ
 ツィ クィ グィ
 イェ              ……ぃの外来音

右薬指
 う す ら へ         ……単打   
 わ え ふ ゆ         ……シフト
 ヴ ず ぶ べ         ……濁音
 ぷ ぺ             ……半濁音
 ぅ ゎ ぇ ゅ         ……小書き
 しゅ じゅ きゅ ぎゅ
 ちゅ ぢゅ りゅ にゅ みゅ
 ひゅ びゅ ぴゅ        ……ゅの拗音
 ウィ ウェ ウォ
 ヴァ ヴィ ヴェ ヴォ ヴュ  ……うの外来音
 ファ フィ フェ フォ フュ  ……ふの外来音
 シェ ヂェ チェ ヂェ イェ
 クェ グェ フェ        ……えの外来音
 ヴュ フュ テュ デュ     ……ゅの外来音

右小指
 ー れ             ……単打
 つ               ……シフト
 づ               ……濁音
 ツァ ツィ ツェ ツォ     ……つの外来音


左人差し指
 か し こ そ っ       ……単打
 ま ぬ 、 み ち       ……シフト
 ← シフト←          ……伸ばし上段
 エンター            ……同時
 IME OFF            ……同時
 が じ ご ぞ ぢ       ……濁音
 しゃ しゅ しょ
 じゃ じゅ じょ
 ちゃ ちゅ ちょ
 ぢゃ ぢゅ ぢょ
 みゃ みゅ みょ        ……しちみの拗音
 シェ ジェ チェ ヂェ     ……しちの外来音

 ざ だ ぐ ヴ ず ぶ づ べ ……右手の濁音化
 ぷ ぺ             ……右手の半濁音化
 ファ フィ フェ フォ フュ
 ウィ ウェ ウォ
 ヴァ ヴィ ヴェ ヴォ ヴュ
 クァ クィ クェ クォ クヮ
 グァ グィ グェ グォ グヮ
 ツァ ツィ ツェ ツォ     ……右手の外来音化

左中指
 と て は           ……単打
 に り を           ……シフト
 IME OFF            ……同時
 ど で ば           ……濁音
 ぱ               ……半濁音
 にゃ にゅ にょ
 りゃ りゅ りょ        ……にりの拗音
 トゥ ドゥ
 ティ ディ テュ デュ     ……とての外来音

左薬指
 け き ひ           ……単打
 め む             ……シフト
 げ ぎ び           ……濁音
 ぴ               ……半濁音
 きゃ きゅ きょ
 ぎゃ ぎゅ ぎょ
 ひゃ ひゅ ひょ
 びゃ びゅ びょ
 ぴゃ ぴゅ ぴょ        ……きひの拗音
 ぁ ぃ ぅ ぇ ぉ
 ゃ ゅ ょ ゎ         ……小書き化

左小指
 ろ ほ             ……単打
 せ               ……シフト
 ぜ ぼ             ……濁音
 ぽ               ……半濁音



日本語入力で使われる1モーラが、
いかに多いかということを痛感する。

なお同時押しは両方に意識を割くため、
二回書かれていることもでかいかな。

これが「すべて同置」というシンプルな目標を据えて、

・濁音を、逆手のFJと同時押し、
・半濁音を、逆手のVMと同時押し、
・小書きを、Qと同時押し、
・拗音を、使うカナ2個同時押し
(濁音、拗音は上のルールを加えた3キー同時)、
・外来音を、濁音は同上、静音は半濁音拗音と同様

のようなルールを設定することで、
以下のように圧縮される。


右人差し指
 あ な た く         ……単打
 BS               ……単打
 の 。 お や さ       ……シフト
 → シフト→          ……伸ばし上段
 エンター            ……同時
 IME ON            ……同時
 ゛               ……濁音化
 ゜               ……半濁音化、静音外来音化

右中指
 い る ん           ……単打
 も よ ね           ……シフト
 IME ON            ……同時
 じゃ ぎゃ ぢゃ びゃ ぴゃ  ……濁半ゃの補助

右薬指
 う す ら へ         ……単打   
 わ え ふ ゆ         ……シフト

右小指
 ー れ             ……単打
 つ               ……シフト


左人差し指
 か し こ そ っ       ……単打
 ま ぬ 、 み ち       ……シフト
 ← シフト←          ……伸ばし上段
 エンター            ……同時
 IME OFF            ……同時
 ゛               ……濁音化
 ゜               ……半濁音化、静音外来音化

左中指
 と て は           ……単打
 に り を           ……シフト
 IME OFF            ……同時

左薬指
 け き ひ           ……単打
 め む             ……シフト
 小               ……小書き化

左小指
 ろ ほ             ……単打
 せ               ……シフト


先の表では、
すべてを無意識下におき、
コントロールし切れる気がしないが、
この表ならば、
なんとか意識下に置いてコントロールできそうだ。

ルールによる圧縮は、
記憶負担を減らすことが第一義かもしれないが、
それよりも、
「これなら全部に指が届く」
と「支配できる感覚」ではないだろうか。

清濁別置系ではここまで圧縮できないので、
僕は使いこなせる気がしないんだよね。


機能キーのうち、
BS、エンター、横カーソル、IMEオンオフは、
すべて人差し指がらみになっていることも薙刀式の特徴だ。

「ややこしいことは全部人差し指でやる、
他の指は法則に従う」
という考え方になっていることが、
薙刀式の使いやすさと直結していると思う。

もちろん、人差し指をつかいすぎ、
という考え方もあるので、
機能キー、濁音や半濁音は、
適宜他の指や小指伸ばしや親指にバインドする手もある。
そのかわりこのコンパクトさは失われるけどね。



ブラインドタッチを学ぶコツは、
このように、
盤面の空間的な記憶というよりは、
「文字と指」の直結した感覚をつくることだと思う。
おそらくその方が圧縮がうまくいく。

マスターしないうちは、
「右上の方だったような…」みたいな、
空間的な記憶を使いがちだけど、
文字と指の結びつきができると、
空間配置とか関係なくなる。
ロウスタッガードでも、コラムスタッガードでも、格子でも、
その他の物理配列でもだ。

逆に空間記憶を用いる人は、これらを打てない。
(そのかわり最適化が出来るような気がする。
最適化は指と文字の関係が壊れるからね)

空間の情報よりも、
文字と指の直結の方が、
情報量が最小になると思う。

こうして、
脳を圧迫せずに、
ブラインドタッチが進むようになるのではと考える。



つまりは、
配列はなるべく、(わかりやすいルールで)圧縮すべき、
と僕は考えている。
フリックなんかは5方向母音で、
5倍圧縮に成功した配列だと言えるわけだ。
行段系2打を、線の1打に変えたことがフリックの革命で、
これに匹敵する上手な圧縮が、
他にあるかなあと時々考える。


話を薙刀式に戻すと、
人差し指は同時押しや機能キーに色々に使い、
中指は比較的重要カナに集中して
(右中指は人差し指の補助も担当)、
薬指、小指はコンパクトに、
という文字と指のバランスになっている。

こうした、指の明確な役割分担も、
薙刀式の隠れた長所だと思う。
posted by おおおかとしひこ at 15:15| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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