やってみるとわかる。
詰まったところが、まだ「出来ていないところ」だ。
色々な構想はあるだろう。
カード法やサブプロットも整理したかもしれない。
キャラクターも大体決まってきて、
大事なシーンも浮かんでいる。
なんだか、書けそうな気がする。
こういう時は、一気にプロットを書いてみるとよい。
一気に、というのは、
ノンストップで、ということだ。
ストップの定義は、15秒としようか。
それくらい途切れずに書き続けるやりかただ。
文字数はどうしようか。ペラ一枚でいいのかしら。
もっと長くてもいい。
ずっと構想してきたものほど、
あふれる思いがあるだろうから、
長くなってもいい。
僕はA4に10枚くらい書くことだってある。
もっと長くてもいい。
「全部が繋がった一連のもの」になるまで、
書ききるとよい。
それは自分用のプロットに過ぎない。
他人に見せるやつはまた整理して書き直せばいいと思う。
つまり、
この一気書きプロットは、
「自分の納得のために」やるものだ。
これを経ていないと、他人を説得するものなどつくれるはずがない。
なぜそうなるのか、
なぜそんな行動をとるのか、
ストーリーの砂被り席で、
ずっと記録しよう。
セリフは書かなくていい。
書きたくなるが、書くと長くなってしまうから、
人物の行動やシチュエーションを中心に書くとよい。
脚本形式ではないので、現在形で書くなどの縛りは外してよい。
説明形式でよい。
これらを一気書きしようとして、
必ずテンションが落ちる部分があることに気づくだろう。
人間の集中力はそんなに持たないが、
A4を10枚一気に書く集中力は普通ない。
だから、
どこかで必ず落ちる部分、
あるいは、書けなくなってしまう箇所が、
見つかるはずなのだ。
そこは、その前の構想段階でも、
なんとなく見過ごしてきたところで、
まあ書けるだろうと甘く見積もっていた部分である。
それを発見するために、
一気書きをするのだ。
テンションが落ちる部分は、
焦点が途切れ、
いったん休憩に入る部分だと思う。
それと次のテンションが高くなるところの、
つなぎが出来ていないパターンが多いと思う。
ということは、つなぎを考えれば、
書けるはずだ。
こういうことがありました、
いったん途切れました、
なんと次にこれがあり……の、
「なんと次にこれがあり」を書けばいいということになる。
当然、前からの必然性はない。
いったん途切れているからね。
理想は途切れずに進むことだが、
そんな理想通りにはなかなかいかない。
だから、いったん切れるかもしれないが、
それが始まればそのままテンションは保てるならば、
切れてもしょうがないとは思う。
それが現実的なストーリー進行というものだ。
その、
前から演繹できない展開の部分が、
おそらく一気書きできない、
気持ちが途切れるところじゃないかと思うんだよね。
それを発見するために、
一気書きをするのだと思うとよい。
もちろん、脚本スタイルで頭から一気書きできれば、
それに越したことはないが、
そんなことはまれであろう。
(生涯に何回かはできるかもしれない。
僕は学生時代に90分のシナリオでそれをやった経験がある。
一日かかった。そんなに今体力持たないだろうなあ)
だから、全体を一から最後まで、
プロット形式で通してみるのだ。
ドライリハーサルの通し稽古みたいなことだろうか。
そこで詰まらずにラストシーンまでいけば、
もう執筆をしていいと思う。
もし詰まり、
どうしても次を書くテンションが下がるならば、
「なぜか?」を考えるのだ。
そして原因が分かり、対処法を思いつくまで、
粘るしかない。
あるプロットの線が途切れているかもしれない。
なぜそうするのか、理由が分からないからかもしれない。
次にすることが決まっていないからかもしれない。
決まっていても、今の直結でそれをする理由がわからないからかもしれない。
あるいは、ちょっと先に起こることは決まっているが、
今何をするべきかわからない、という状態かもしれない。
たいていは主人公(たち)の行動が停滞して、
次の行動が見えないときであろう。
それはつまり、目的が消失し、動機もあいまいになっているときではないか。
ということは、それを上手に再設定する場面をつくるか、
誰かから言われたり、自分から言い出しっぺになれば、
いいのではないだろうか。
こうした問題点をあぶりだすのに、
プロットを最初の場面からラストシーンまで書いてみることは、
大変おすすめである。
今書いている話では、
二回書いて、二回とも挫折した。
一回目は二幕前半で、
二回目は一幕後半で挫折した。
三回目の今はミッドポイントを過ぎたあたりで停滞して、
今日やっと出口が見えたところだ。
なるほど、これを思いついていなかったから、
プロットが最後まで通らないんだな、
ということがやっと自覚できたわけだ。
それを自分が分からない限り、
プロットを最後まで自分の納得する形では書けないだろう。
なぜそれが起こるのか?
なぜそれをするのか?
それが気持ちが繋がって展開するかは、
プロットに矛盾や無理がないときだけだ。
それをチェックするために、
一気書きをお勧めする。
また、これで書き終えたものは、
あくまであなたの中でつながった一連である。
他人に見せるプロットとしては膨大じゃないかな。
それをペラ一枚にまとめ直すとか、
2000字程度にしてみるとかは、
それを俯瞰できないとできないよね。
2022年02月03日
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