2022年01月23日

タイトルの不備(スパイダーマンNWH評4)

相変わらず、タイトルにヒキがない。
「スパイダーマン/ノーウェイホーム」って意味が分からない。

ネタバレなしで、
またタイトルを考え直そうじゃないか。


この場合の「ホーム」は、
「ホームのバース」だと考えられる。
マルチバースからやってきた怪人たちが、
帰る手段がない、みたいなことだ。

これと、
スパイダーマンの「ホーム」、
つまり学校や家や、
「自分の居場所」に、帰る場所がない、
という意味との、
掛詞になっているわけだ。

これをうまく日本語で表せば、
それだけで面白そうだけど?


はいシンキングタイム。












スパイダーマン/帰るべき場所

で十分じゃない?
これはラストシーンにもかかって来るし、
特に凝らなくていけそうだと思うけどね。


全然違うことを考えるなら、

スパイダーマン/別次元からの使者

スパイダーマン/マルチバース

スパイダーマン/あるべき場所へ

スパイダーマン/怪人大集合!自由の女神大決戦!

スパイダーマン/セカンドチャンス

スパイダーマン/トータルキュア

スパイダーマン/ピーターの居場所(ホームとふりがな)


なんてのもあるだろう。


ただし三部作完結編だから、
居場所の話と、テーマに関わるようなものにしたほうが、
いいと思うけどね。
きっと感動するぞ、って期待感があるべきだと思う。


こうしたコピーライティング、
つまり「面白そうだぞ」かつ「本質を示す」という、
惹句を書ける人が、
宣伝部にいなくなったことが、
映画文化の後退を招いていて、
僕はそれをとても危惧している。

映画は商売であり、かつ文学という、
大衆文学の立場を忘れるべきではない。
その文学要素が本国にまる振りで、
自国興行の責任を取ろうとしてない感じが、
まじむかつく。
出版社のほうがまだ頑張っとるわ。




今回の話は、「居場所」の話です。
みなさんは居場所がありますか?
もしそれを奪われたらどうしますか?

ピーターパーカーことスパイダーマンは、
前回の終わりで正体をバラされ、
家を追い出されて逃亡の旅に出ることになります。
一方別の異次元と交わるアクシデントから、
なんとスパイダーマンシリーズの敵たちが、
この世界に転送。
サムライミ版のドクターオクトパス!グリーンゴブリン!サンドマン!
アメイジング版のリザードマン!エレクトロ!
(全員オリジナルキャスト!)

ピーターは彼らを殺すのでしょうか?
なんと今回のピーターは、彼らを「治す」というのです。
元の人間に戻れれば、怪人でなくなるかもしれない。
そうしたら、元の世界に戻っても、
その世界のスパイダーマンに殺されることはない。
彼らに「人間」という居場所を取り戻せたら。

今回のスパイダーマンは、
「居場所」を軸に展開します。
あなたは、どこに居場所がありますか?
誰かの居場所を、作ってあげていますか?

スパイダーマン三部作完結、
「スパイダーマン/帰るべき場所」


こんな感じでコンセプトをまとめることが出来ただろうに。
なぜそうしなかったのか?
宣伝部が無能だからだ。
posted by おおおかとしひこ at 14:43| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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