2022年01月25日

コンセプトが定まらない例

仕事でBGMを探していたのだが、
はっきりわかるコンセプトと、わかりづらいコンセプトってあるよね、
なんて思いながらリストを見ていた。


フリーのBGMサイトなのだが、
聞いてみるまでそれがどういう曲かわからない。

だけど全部聞くわけにいかないから、
そこについている説明をパッとみて、
目的のものかどうか、判断して、
聞いてみようとおもえば聞いて、
違ったら捨てる、なんてことを繰り返すわけ。

なので、その説明が、
どれだけ曲のコンセプトをずばりと言いえているかは、
わりとクリックするかどうかの生命線になるわけだ。

色々見てみようか。

> ダークでシネマティックな雰囲気もありつつ、哀愁とPOPさが滲む、epic synth wave です。
??? 全く想像できない。試しに聞いてみたが、やはり強い何かというわけではなかった。
つまり、ぼんやりした曲だった。

> ピアノがメインのコロコロしたかわいいBGMです。 日常のかわいらしい場面などに合うと思います。
これはわかりやすい。目的に合うかどうかを判断しやすい。
聞いてみたらまさにそんな曲だった。

> オルゴールっぽいシンセ音で奏でる綺麗目な曲です。
わかるけどわからない感じ。実際、よくわからない感じの曲だった。

> 郷愁感ただようしっとりアコギバラード曲(ピアノメロバージョン)です
分かりやすい。こういう感じだろうなあ、と思って、まさにそういう曲だった。


さて。
これは音楽の話だけではあるまい。

あなたの書いたストーリーが、
どういうコンセプトに貫かれているか、
きちんと示せているか、という話をしようとしている。


自分でもよく分かっていないものは、
やっぱりコンセプトが分からなくなってしまうのだ。

コンセプトを書き下したときに、
つまりこの映画が、
「〇〇で〇〇な、〇〇が〇〇する話」
みたいにはっきりとわかりやすく書けない場合、
たぶんまだ内容がぼんやりしていると思ったほうがよい。

「アホバカマヌケの3バカトリオがなぜかうまく事件を解決する!」
とか、とても分かりやすくしてみたときに、
そのおもしろさの全部が表現できていなくてもいいと僕は思う。
大体その方向ね、ハイハイ、じゃああとは見てみてからだな、
という風になっていればいいと思うんだよね。

で、他に似ている何かの大体あのジャンルだなとわかりつつ、
できればちょっと違う新しいことがあるんですよ、
なんてことになるのが一番いいと思っている。

もちろん、優先順位は前者で、
後者はできれば、という優先度だが。


「他のやつとは違うオリジナリティを存分に示したろ」
という野心は歓迎だけど、
そもそも「どういうジャンルなのか」
が分からないと、今見たいかどうかが判断できない。

どのジャンルにも属さない、新しいジャンルであるといいたいならば、
〇〇+〇〇のミックス的な、と成分を2つまで示すとよい。
3つ以上になると、よくイメージが出来なくなるからね。
ミステリー+ハードボイルドならわかるが、
ミステリー+コメディ+SFとか言われても、
需要なくない?ってなるよね。
想像するのに時間もかかるし。


音楽も、物語も、
全部で作品なのだが、
「それが大体こういうものである」
と事前に分からないと、
膨大にある中からそれを選ぶ手段がなくなると思うのだ。

ちなみに、それらは、
https://dova-s.jp/bgm/
で見れる。
説明書きとクリックした内容が、
あっているか、
そもそもその説明で聞こうかなと思うか、
どういう人が、その説明でクリックするか、
想像しながら読んでいくとよい。

あなたの物語は、ネットフリックスやアマプラの中で、
このように並べられる可能性が高い。
そのときに、
スッキリとした説明が出来ていないと、
埋もれていくことになるだろう。

誘いは期待させることである。
誘うのがうまくないと、そこまで来てくれない。

そのときに、自信をもって、こういうものです、
と示せれば、
内容はしっかり固まっているということだろう。
posted by おおおかとしひこ at 19:44| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。