という法則。
まずはシーン単位で考えよう。
ファーストシーンとセカンドシーンは、
とくに連関がなくとも見ることができる。
(もちろん連関があってもよい)
あることが起こりました、
そしてまたあることが起こりました、
でよい。
ところが、
3番目では、
「さらにあることが起こりました」ではだめだ。
おそらく人の集中力は、
1、2、たくさん、
で出来ている。
3はたくさんという十把一絡げになってしまう。
2までは、まだ「1、2」で見れるのに、
関係のない3を並べると、
我々は「並べられた」という感覚になり、
それぞれの連関がないと知るや、
興味がなくなるのだと思う。
つまり、
3で、単に並べるのではなく、
1と2に関連した3になれば、
「話が繋がる」ということになる。
1ゆえの3とか、2ゆえの3とか、
12が合わせて3とか、
とにかく何かしらの「展開」が、
3になければ、
「話になる」にはならないと思うのだ。
逆にこれを利用すれば、
人間は2つまで前提提示には耐えられる、
とも考えられる。
ストーリーを編んでいくうえで、
どうしても連関のないものを提示する必要があるときは、
2つまでは何も考えずOKということになる。
ただし3は、1または2またはその両方と関係した何か、
であるべきということだ。
父と母を紹介します。
あと犬を紹介します。
ではだめで、
父と母を紹介します。
あと犬を紹介します。
この犬、父が拾ってきたんですよ。
だと1と3が連関があるので、
人は集中を切らさずに済むということである。
たぶん脳内に独立して保存できる要素が、
2なんじゃないかと僕は踏んでいる。
(人によってはもっと多いかも知れないが、
物語とはマスに向けたものである。
すべての人が得られることを考えるべきだ)
これは、
ファーストシーン、セカンドシーン、サードシーンでも同じだ。
ファーストシーンとセカンドシーンで起こっていることは、
全く別のことでもよい。
それが、3シーン目で連関を始めれば、
それがストーリーになるわけだ。
例:
1: 残酷な殺人事件
2: 刑事がホットドッグを食べるのに失敗してケチャップまみれに
3: その血まみれ殺人現場の捜査に、ケチャップまみれになりながら参加する
みたいなオープニングは、とてもよくあるだろう。
2と3のケチャップつながり、
殺人事件と刑事の捜査のつながり、
そしてケチャップの前振りが殺人事件の血だまりと関係して、
残酷なユーモアになるに違いない。
この場合、1と2は全く関係ない方が面白い。
3で、「なるほど」と思うからだ。
「そのための1と2だったのか」と分かれば、
「これは関係しているストーリーという糸のことである」
と認識して、
「ただ関係ないものを並べた123ではない」
ということがわかるはずである。
この3を新しく1と考えれば、
4はまた関係ないものを挟んで、
5で、1234のどれかと関連したものにすると、
「話はどんどんつながり、広がっていく」
ということになると思われる。
例:
(上の殺人事件に続いて)
4: 近所のラーメン屋が開店する
5: そのラーメン屋に刑事がやってきて、
ケチャップまみれになってて困ったよと愚痴りながらラーメンを頼み、
新商品トマトラーメンをうっかり頼んでしまう(天丼)
などだ。
殺人事件がフォークで行われていたとしたら、
レストランでナイフとフォークを持ちながら、
その殺人のことを刑事同士で話すシーンになるかも知れないね。
とにかくなんでもいいから、
連関があればよい、
くらいにゆるく考えておくといいだろう。
こうしたことで、
「ただ並んでいるだけではなく、
すべてが連関している」
という感覚になり、
「これはストーリーである」
と、我々は身構えて、鑑賞をはじめるのではないだろうか。
もちろん、
話す側は適当に連関させているわけではなく、
意図した連関で人を引き込んでゆき、
その行方を追うことがストーリーを追いかけることになるわけだが。
つまり、
話が繋がらないときは、
123の連関が途切れているということになる。
関係ないやつを3つ並べたらアウト、
という定石にして、
仮に繋がらなくても無理矢理繋げることだ。
そのうち、
次に前の何かと連関した、次に繋がることを思いつくだろう。
逆に、それを思いつくまで粘るしかない。
1と2は、誰でも書ける。
3を書き、そして次の3を書けるようにするべきだ。
これらはシーンで考えたが、
ブロックなどの大きな構造でも同じだ。
シーンごとは123の関係で繋がっていたとしても、
「ストーリー全体の大きなうねり」は、
前のブロックとの関係で語られるだろう。
前のブロックのどの要素が、
今ここと関係しているかがわかると、
ストーリーが進行している感覚になると思う。
(おそらくだけど、
三段論法は、この感覚の一部に含まれると思う)
2022年02月20日
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