中段のホーム段が重要なのは当然として、
次に上段を重視するか、下段を重視するかで、
配列の重心が異なる。
141Fさんがそのへんを調査して、
蜂蜜小梅アーカイブに残っているので、
薙刀式以外の引用はその調査から。
ざっくりと、上下段のどっちを重視かで比較する。
【上段派】
qwertyローマ字
親指シフト
TRON
蜂蜜小梅(シンも大きく変わらないだろう)
【下段派】
飛鳥
薙刀式
新下駄
薙刀式の下段重心の理由は、
スペースキーのシフトと組み合わせるのは、
上段よりも下段の方がやりやすいことと、
短い人差し指と小指の上段、
QTYとU単打をカナに使わないため、
上段使用率が落ちていることだ。
飛鳥も似た理由であろう。
親指との組み合わせは下段が良いとRayさんは言ってたし、
QRTYUPあたりの使用率は最低クラスだし。
親指を使わない新下駄が、
微妙に下段>上段。
QTYPあたりの使用率低下の影響かな。
一方、
上段重視の先鋒はqwertyローマ字で、
母音がA以外上段だからそうなるしかない。
元々の配列は、安田さんの研究によれば、
数字段を上段、母音系を中段、
子音系が下二段あった4段形で、
ホームポジションがそこから一段下がり、
Aが中段に来たりなどの移動があったっぽい。
しかしこの時代はホームポジションや標準運指の考え方はまだなかっただろう。
近年のブラインドタッチの確立と、
配列の成り立ちの時期がズレているから、
qwertyは中段を使わないのではないか。
親指シフトの上段重視の理由は、
中段ホームに構えたとき、
指を縮める下段より、伸ばす上段の方が打ちやすいからだと思われる。
でも親指キーとの同時打鍵では、上段はやりにくいよなあ。
とくにTYの同手シフト、「れ」「よ」はかなり打ちづらい。
「よれよれ」なんて無理ゲー。
オリジナルの背の高い親指キーでようやく届く、
というくらいだったと、一度触った記憶から思い出す。
ふつうのJISで打ってる人の動画で確認したいんだが、
手元と文字が同時に見えてて、かつ真上からじゃなくて、
指の打ち方がわかる斜めの角度の動画がないので、
よくわからんのだな…
(ものくろさんの動画では、いちいち手首ごと動かしていた印象)
その影響下のTRONも上段派か。
シフト率を最低にするために、
単打に色々詰め込んだ感があるが、
そうなると上段の方が打ちやすいと考えたのだろう。
蜂蜜小梅は、飛鳥、ニコラ、TRONの影響下にあるから、
こうなったんだろうか。
句読点が上段だと、上段重視のほうが都合がいいと予測。
上下段のうちどちらを重視するかで、
手の置き方や構え方、打ち方や角度なんかも、
まともに影響を受けると考えられる。
それによって、
適したキーボードのセッティングも変わるんじゃないかなあ、
などと予測している。
たとえば上段重視は、チルトスタンドを立てたほうがいいだろうし、
下段重視は、チルトしないフラットキーボード〜逆チルトがいいと思う。
(飛鳥のRayさんはノートPCだったはず)
物理配列と論理配列は、切り離せない関係にあると思う。
どんなキーボードでも打ちやすい配列は、
たぶん存在しない。
なので配列作者の人は、
できるだけキーボードや打鍵法の公開をしてもらうと、
うまくいかない時に「こうすればいいのか」が、
修正しやすいと思われる。
打ち方やキーボードは千差万別なのに、
誰もが「自分と同じようなものを、
同じように使っている」と思い込んでる節があるからね。
もともと上段派の人は上段派の配列が使いやすく、
下段派の配列が苦手かも知れない。
その逆もしかり。
自分に合わない理由が、
上下段の重心の差や、
そこから来る打鍵法の差かも知れない。
僕個人は上段派のqwertyが合わないから、
下段派の薙刀式を愛用してる可能性もあるなあ。
ちなみに薙刀式は、
・17ピッチ、ロウスタッガード、チルトなし水平パンタグラフ、
パームレストなし、手首つける、撫で打ち
・19ピッチ、格子配列、左右分割、ショートストローク軽めスイッチ、
パームレストなし、手首つける、撫で打ち、
サドルプロファイルキーキャップ
あたりで使っていて、
それに近いなら使いやすいと思われる。
そこから遠くなる、
たとえば、
19ピッチ、4mmストローク、ロウスタッガード、
パームレストあり、手首浮かし、突き刺し打ち
なんて条件だと、
全然違う打鍵感になるんじゃないかなあ。
手持ちのキーボードセッティングで試して違和感があるなら、
もともと逆の派閥だったかもしれないよ。
まあその辺は適応できる人もいるかもだし、
別の条件でも使いやすい配列があるかも知れない。
統計取れるほど母集団がいないから、
一般論がまだ確立してない話だが。
2022年02月28日
この記事へのコメント
コメントを書く