2時間シナリオのテンポ感を考えるには、
三幕構成では長すぎる。
人間の集中力が15分だということを基準にするべきだろう。
だけど、
経験的に、15分をまるまる集中させる、
レベルの高いシナリオはほとんどない。
だからそれを二つに割り、
7〜8分単位で考えよう、
というのが趣旨だ。
2セットで、人間の集中力限界、
というイメージだ。
つまり、
一幕を4セット、4セット目に第一ターニングポイント、
二幕を8セット、4セット目にミッドポイントで、
8セット目に第二ターニングポイント、
三幕を4セット、4セット目にテーマが確定するラストシーン、
のように考える。
ものすごくハードスケジュールな気がしない?
無駄なことやってる暇なんて全然なくて、
全体をタイトにギュッとしないといけないことが、
イメージしやすいと思う。
あれもこれも、と無駄道や無駄エピソードを積んでる暇はなく、
大事なことを太くやり、
枝葉は触る程度だな、
という感覚が、なんとなくわかるのではないか?
二時間、120ページ、
とか考えるから、
膨大で、締まりがなく、ダラダラ書いてしまい、
挙げ句の果てに完成しなかったりするのだ。
4-8-4セットしかない、って考えれば、
注意深く並べられた、
極上の組み合わせしかない、ってわかるはずだ。
そして理想は、
1日1セット分執筆して、
16日で仕上げることだ。
でも一日7〜8枚、2800字〜3200字は辛いから、
二日で1セットペースくらいだろうな。
そうすると、
「その1セット内での起承転結」を考えるようになる。
7ページの範囲内で、
どこに印象的なものを持って来ればいいかとか、
○個は多いとか少ないとか、
なんとなく分かってくる。
つまり、その7ページがまとまった一個の作品になってくる。
これを、16セットやればいい。
映画というととてつもなく長いストーリーを想像してしまうけど、
起承転結を16セットやって、
深い感動と人生を変えるほどの冒険を見せなきゃならない、
となると、
よほど注意深く計算された、
余計なものがない、
完璧なセッションになってないといけないことが、
想像できるのではないだろうか?
良くできたシナリオに無駄がないのは、
このように、
たった16セットしかないことを、
理解してるからではないか?
「一連のつながった複数のシーン」をシークエンスと定義するならば、
映画シナリオとは、
16シークエンスで描かれるべきなのだ。
もちろん、そんな流れるように繋がり、
ストンと落ちてまた別のシークエンスがはじまる、
なんてうまいこと行くわけではない。
でも理想は16シークエンスで何もかもまとめること、
と意識すると、
シーンの配分や、
全体を考えたシーンの書き方が、
出来るようになるのではないかと思う。
2022年02月28日
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