2022年02月28日

7分をワンセットで考えてみよう

2時間シナリオのテンポ感を考えるには、
三幕構成では長すぎる。
人間の集中力が15分だということを基準にするべきだろう。


だけど、
経験的に、15分をまるまる集中させる、
レベルの高いシナリオはほとんどない。

だからそれを二つに割り、
7〜8分単位で考えよう、
というのが趣旨だ。

2セットで、人間の集中力限界、
というイメージだ。

つまり、
一幕を4セット、4セット目に第一ターニングポイント、
二幕を8セット、4セット目にミッドポイントで、
8セット目に第二ターニングポイント、
三幕を4セット、4セット目にテーマが確定するラストシーン、
のように考える。

ものすごくハードスケジュールな気がしない?
無駄なことやってる暇なんて全然なくて、
全体をタイトにギュッとしないといけないことが、
イメージしやすいと思う。

あれもこれも、と無駄道や無駄エピソードを積んでる暇はなく、
大事なことを太くやり、
枝葉は触る程度だな、
という感覚が、なんとなくわかるのではないか?


二時間、120ページ、
とか考えるから、
膨大で、締まりがなく、ダラダラ書いてしまい、
挙げ句の果てに完成しなかったりするのだ。

4-8-4セットしかない、って考えれば、
注意深く並べられた、
極上の組み合わせしかない、ってわかるはずだ。

そして理想は、
1日1セット分執筆して、
16日で仕上げることだ。

でも一日7〜8枚、2800字〜3200字は辛いから、
二日で1セットペースくらいだろうな。

そうすると、
「その1セット内での起承転結」を考えるようになる。
7ページの範囲内で、
どこに印象的なものを持って来ればいいかとか、
○個は多いとか少ないとか、
なんとなく分かってくる。

つまり、その7ページがまとまった一個の作品になってくる。

これを、16セットやればいい。

映画というととてつもなく長いストーリーを想像してしまうけど、
起承転結を16セットやって、
深い感動と人生を変えるほどの冒険を見せなきゃならない、
となると、
よほど注意深く計算された、
余計なものがない、
完璧なセッションになってないといけないことが、
想像できるのではないだろうか?

良くできたシナリオに無駄がないのは、
このように、
たった16セットしかないことを、
理解してるからではないか?

「一連のつながった複数のシーン」をシークエンスと定義するならば、
映画シナリオとは、
16シークエンスで描かれるべきなのだ。

もちろん、そんな流れるように繋がり、
ストンと落ちてまた別のシークエンスがはじまる、
なんてうまいこと行くわけではない。

でも理想は16シークエンスで何もかもまとめること、
と意識すると、
シーンの配分や、
全体を考えたシーンの書き方が、
出来るようになるのではないかと思う。
posted by おおおかとしひこ at 00:00| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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