2022年02月16日

【薙刀式】思うより速く打てるところ

薙刀式を使っていると、
思うよりも速くことばが完成していることが、
まれによくある。
アルペジオの部分がとくにそう。


脳内発声がある人は、
その発声よりも速く打てる部分があるだろう。

僕は「頭の中から概念が湧く速度」というのがあり
(一定かどうかは不明。
簡単な言葉は速く、難しい言葉ほど遅いと思う)、
「それが文字に定着する速度」
というのを長年の経験で知っている。

薙刀式は、たまにそれを超えてくるときがある。

アルペジオでの、
ある、ない、する、して、こと、もの、ょう、
なんてあたりは特にそうだけど、
それ以外にも、
かもしれない、だとおもう
などのよく使う定型句なんかもそうだ。
(これらはアルペジオを部分的に含み、
特別速い組み合わせになっている)

思うより速く言葉が定着すると、
なんだか気持ち悪いが、
慣れてくると先行入力みたいな感じになる。
予約ワードみたいな感じかな。


もちろん、
速くなる言葉だけではなく、
思うより遅く定着する言葉もある。
漢字変換を伴い、
変換が不安定な単語たちだ。

たとえば「感じ」と打ちたい時に、
「漢字」と変換されることは、
とてもよくある。
おれそんなに漢字とは単独で書かへんやんか。
いい加減に覚えてくれよ。

こういう時は手書きのほうがいいなと思う。
まあこれは薙刀式のせいではなく、
IMEの問題だ。

あるいは、「そういう感じの」みたいに、
変換文節を長く取る打ち方を、
僕がマスターすべきかもしれない。
でも、「変換効率をあらかじめ考えて文章を書く」
なんてナンセンスだ。
僕は文章を書きたいのであり、
IMEに気を遣いたいわけではないからね。

とくに、「感じ」は、
意味をぼやかしたい曖昧な時に書く言葉だから、
変換文節も短めになる。
そういう書き手のニュアンスを、
どうもMS-IMEは読み取ってないよな。
さっき変換したやつに語尾をつけたらもう覚えてない、
なんてこともよくあるし。

これらは薙刀式自身の問題ではないので、
ううむATOKを買ってみようか、
などと時々思う。
(Google日本語入力は以前試したが遅かった。
スタンドアローン前提の、通信速度の遅いPCだからかも)


で、
本題に戻ると、
時々思いより速く言葉が定着すると、
今度は書かれる文字をほとんど見なくなる。

目を使わずに文を書く感じ。

あ、IMEが変換しなさそうだな、
と思ったら目に電源を入れる感じ。


これは、思考と手の世界にいる感覚だ。

脳内発声のない、概念みたいななにかを、
手が具体化し続けるマラソンみたいな感じ。
で、たまにコースを外れてないか目視する感じ。

これは手書きで文章を書くことに、
だいぶ似てきたように思う。
手書きでは思いより速く書けることはほとんどないが、
実は僕は書かれる文字はほとんど見ていない。
手の動きで書いたことは確信を持ってわかるから、
書かれた文字がどういう形をしてるかなんて見ていない。

ただ、行がよれてないかとか、
紙の端はどこか、残りの余白は、
とかをチラチラ見る程度だ。

この感覚に、薙刀式がだいぶ近くなってきている。



ブラインドタッチは、「手元を見ない」意味であるが、
僕は「手元も文字も見ない」感覚なんだよね。
手書きではずっとそうで、
だからやっと、
「手元を見ずに画面を見る」から卒業できたかな、
と考えている。

もちろん、
ざっと読み直して修正するときや、
推敲する時は画面を注視する。
それは手書きでもおなじ。
このときに編集モードが大活躍して、
ホームポジションのまま書き直していけるのが、
薙刀式の第二の特徴だ。

こうした、
思考と目と手と文字の関係が、
だいぶん理想に近づいてきている気がする。

手書きと異なるのは、
手書きは純粋に一人の世界で完結しているが、
薙刀式だと、
自分とIMEとのコンビで書いている感覚。
ていうか、出来の悪いIMEのフォローをたまにしながらやる、
みたいな、ドライバーとナビではなく、
ベテランと新人みたいな感覚で書いている。

ここの新人ケアがなくなると、
もっといいのだが。
(ライブ変換はもっとだめだった。
細かいところで予想を外れる、
わかってない新人のケアをする感じ。
伝統的IMEのほうが挙動の予想がつくので、
素直な新人の感じ)


もちろん、
手に馴染むまでつくりこんだ自作キーボードの、
物理的恩恵もあると思う。
ふつうのキーボードで薙刀式をうつと、
比較すると打ちづらいからね。
とはいえ、
論理配列と物理キーボードの占める割合は、
僕的には9:1くらいかな。
MiniAxeとサドルプロファイルでqwertyローマ字なんて、
打つ気なんてさらさらない。


思考より速く打てること。
このことで、
頭の回転にリソースを割けることが、
薙刀式を打ってて一番いいところだね。
posted by おおおかとしひこ at 12:17| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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