色んなものを搭載しようとすると、
DKシフトとか親指シフトだけでは足りなくて、
シフトキーの数は増えていく。
新下駄や薙刀式は同時打鍵で増やした派閥、
月派生系、たとえば月3-285改
(DKL;と、DF、KJの6シフト。http://layout.kachoufuugetu.net/tsuki/285/download.html)
は順次打鍵で増やした派閥。
各派閥の主張は、
同時打鍵を是とするか否とするか、
という軸でまとめられると思う。
【同時打鍵派閥】
○アクション数が少なくて、気持ちいい。
(モーラとアクションが合っていて、
頭の中の概念と動作のズレを感じない)
○シフトキーにも単打文字を置けるため、
単打文字を30個キープできる。
○同時打鍵は順番がひっくり返ってもOK。
×単打文字を高速にロールオーバーすると、
シフト文字に化けるため、
そこだけゆっくり打つとか、離し入力になる。
×同時打鍵はめんどくさい。
×実装がエミュレータに限られ、OS更新にびびる。
【順次打鍵派閥】
○高速でロールオーバーできるため、
原理上いくらでも打鍵速度をあげられる。
○じゃらじゃら打つのが気持ちいい。
○IMEの定義だけで実装可能なので、OS更新に強い。
×シフトキーを増やすとそれだけ単打文字が減る。
左右に等価に置くと倍減っていく。
×2打打つのはめんどくさい。
×多数のシフトキーをいい場所に置きたいため、
単打文字が辺鄙な所に行きがち。
それぞれの○をどれだけ良いと思い、
それぞれの×をどれだけ嫌うかで、
使う配列の感覚が変わってくるだろう。
僕は同時打鍵派閥なので、
順次打鍵派閥のいい所があまり見つからなかった。
なので多シフト系順次派閥の意見待ってます。
僕個人は、
同時打鍵にすることで、
1モーラ1アクションなのが、
一番大きいかな。
頭の中の概念がひとつのものに、
ふた手間かかるのが、納得がいかない。
ローマ字の納得のいかないところがそれなので。
ローマ字は極めればほとんど同時押しになるらしいが、
ずーっと同時押しなんて疲れちゃうよ。
薙刀式は6割単打、4割同時押しだからね。
(新下駄や飛鳥の単打率はもっと高いはず)
だからphoenixなどの行段同時押し系で、
ずっと文章を書いていくイメージが出来ないんだよね。
1000〜2000字はまあいいけど、
5000とか1万とか絶対しんどそう。
(phoenixを実用で使ってる人の情報が皆無)
順次打鍵派閥の、一日想定文字数は、
僕のイメージしてるものより少ない可能性がある。
僕の目標は一日二万字
(トップの速筆家、西尾維新のペース)で、
それに耐えうるものが欲しいので。
ちなみに西尾維新はqwertyローマ字らしく、
ちょっと想像できない。
一種のアスリート才能だと思う。
その配列は誰のためか、という議論もあるよね。
アスリート才能に恵まれた者をさらに加速させるものか、
普通の人に下駄を履かせるものか、
てんでダメな人を人並みにするとか。
薙刀式は後ふたつの領域を押し上げようとしている。
ただし同時打鍵必須というだけで。
(「同時打鍵はキーボード弱者には出来ない」
という言説はほんとうかな。
キーボードが生まれた時になかったお年寄りとかしょうがないから、
それは50音順配列がいいと思うけど、
ゲーム経験者なら同時押しくらいやってきたやろ、とは思う。
これはまた別の話だが)
順次打鍵系は、
「短期的な速度を求める。
一日3000字程度までを想定」
のように、僕からは見えている。
同時打鍵系は、
「短期的にも長期的にも速度があり、楽である。
一日一万字くらいまでは保証」
のように、僕からは見えている。
月系でバリバリ小説書いてたり、
大量生産をしてる人をあまり聞かないから、
月系は短距離走むけなのではないかと想像している。
また、DKシフト以外に多シフト系にした順次打鍵系は、
使い手の情報がほとんどない。
「作ってみたものの常用していない」
なら配列の意味がないからね。
結果論でいうと、
沢山書いて日常的に使い続けるなら同時打鍵系
(親指シフト、新下駄、飛鳥、シン蜂蜜小梅、薙刀式など)、
パパッとやったりタイパーしたいなら順次打鍵系
(月系、行段系ローマ字、qwerty)、
な感じになってる気がする。
毎月15日を「新配列の日」って勝手に定めたのは、
「かつてあったプチ新配列ブームのその後、
ずっと使ってるのか?」を知りたいからなんだよね。
当時想定していた文脈の議論は、
「実際日常にした場合どうなるのか?」
を経ていなかったように思う。
結婚する前とした後みたいに、
「実際はこうだった」を知りたいんだよな。
つまり、カンブリア爆発期を経て、
淘汰された「実際に使える配列」を知りたい。
(いずれ自作キーボードもそうなるだろう)
2022年02月23日
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