2022年02月24日

【薙刀式】JISカナ入力絶滅の理由

Twitterで見かけたので考えてみたい。
> 1990年頃、ワープロ専用機がパソコンより売れてた時代は、カナ入力(親指シフト含む)7割、ローマ字入力3割みたいなデータもある。今の割合からすると、その後、けっきょくローマ字入力に転んだ人も相当いる。こういう人達はなんでそうなったのだろう。


1. デフォがローマ字
2. カナ入力に切り替え可能なことの周知がない
3. カナ入力への切り替え方、ローマ字への戻し方がわからない
4. 他に覚えることが沢山あり、文字入力が相対的に軽視された

あたりかな。

当時はググることは出来なくて、
100P以上ある分厚いマニュアルと、筐体の印字だけが情報源であった。

だから、
「そもそもこのマシンはqwertyローマ字とJISカナを切り替えられる」
ことを知るのは大変難しいと思う。
それがマニュアルの何ページにあるか、
どうやって知るというのだろう?

ローマ字とカナの切り替えは、
電源ボタンの隣にあるくらいの重要情報だと思う。
numlockより優先度が高い。
電源ボタンの隣に、
スライドスイッチとLEDで、
ローマ字とカナの切り替えを表示するくらい、
重要だと僕は考えている。

ところが、
この情報はメーカーからとても軽視された。

「ひらがなカタカナローマ字」とあるキーは、
まずどこにあるか探しにくいし、
この印字からはどのような機能なのか、
全然わからない。

ローマ字入力ででIMEオンを「ひらがな」、
オフを「英字」と呼ぶ呼称もある。
「カナ」は、英字との対比語になってしまい、
ローマ字入力とカナ入力の対義語にならなかった。


僕はWindowsを触ってなくて、
ずっとMacだったため、
スペースキーの左右の、
「英数」と「かな」で、
IMEオフ=qwerty英字半角
IMEオン=qwertyローマ字入力
を切り替えることしか知らなかった。

ことえりだとどうやるんだっけ。
メニューから多分切り替えられるだろうが、
やり方がわからない。

つまり、
「そこにないものはないですね」
状態が、カナ入力の派閥をガクッと下げたのだと思う。

探せばあるのだが、
探し方がわからない状態で、
あると知ってれば探すが、
あるかどうかを探す方法がなかった。

付箋を貼っておけばわかったのかもしれない。
付箋がなければ、一生気づかない人がいるのだろう。
(アンケートを取ればわかる。
ローマ字入力/カナ入力の切り替え方法を聞けば良い。
ほとんどの人は、alt+ひらがなカタカナキーと、
答えられないだろう)

メニューからの専門用語もわかりにくい。
カナ、ひらがな、カタカナなどが入り乱れていて、
カナ入力を使うのか、
打った文字をひらがなとして表示するのか、
打った文字をカタカナとして表示するのか、
区別がつかない。
ネーミングがまずかったんだな。

うまく短い言葉に出来なかった、理系コピーライターの敗北だ。



あとは単純に、
ファイルシステムとかアプリの使い方とか、
接続方法とかマウスの使い方とか、
覚えることが多すぎて、
文字入力そのものに注意がいかなかったんだろうね。

だから、
「文字はqwertyで打つものである
(他の選択肢は存在しない)」と、
思い込んでしまったのだろう。

で、
「カナ入力というものがあるらしいが、
それはワープロ時代のジジイの遺品、
あるいはごく限られたマニアが使うもので、
PCに詳しくない自分には関係ない」
という考え方が支配的になったのだと考えられる。


PCを扱うのは難しくてめんどくさい。
そういう先入観が、
「なるべく新しいことを学びたくない」という気持ちになったと、
考えられる。
そりゃそうだよな。
学校でずっと勉強してきて、
まだ新しく勉強なんてしたくないもんね。
なるべく楽して生きていきたい。

qwertyが不条理だろうが知ったことか、
って感覚だと思うよ。

そういえばPC導入期には、
キーボードアレルギーって言葉があった。
初手で109キーなんて使いこなせねえよな。
車より操作系が複雑だというのに。
(だから雨後の筍のようにパソコン教室が流行ったよなあ)


そして今ならフリックがあるため、
フリックでやればいいものを、
わざわざqwertyを使う理由がわからなくなっているだろうね。

実際、僕はいまqwertyよりフリックの方が速いので、
qwertyを使う理由がまったくわからない。



結局は、「操作方法がわからない」ことに、
問題は集約される。

ローマ字/カナのスライドスイッチをつけなかった、
日本語入力を軽視したメーカーたちが、
今の日本のIT凋落をつくった、
といえば言い過ぎだろうか。


もしカナ入力に誰でもパッと切り替えられる仕組みだったら、
日本人は二つの選択肢を持てて、
そのうち第三の配列を待望するようになったかもしれない。

仮にそれが親指シフトであったとしても、
親指シフトはJISカナやqwertyよりマシ、
という程度なので、
その後やはり飛鳥や新下駄は生まれたと思うが。


ほんとうに日本語を書きたい人々は、
qwertyの牢獄に閉じ込められたまま、
生産性の低い状態でうめいている。

それを覆すために、僕は新配列運動?をしてるんだと思う。
薙刀式はシンプルでいいぞ。
posted by おおおかとしひこ at 14:35| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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