2022年03月03日

ADHDの薬を飲むと脳が静かになるらしい

何故人は創作するのか?と、
関係ありそうな気がした。


人は色々な脳を持つ。
創作なんて全然できないという人から、
ちょっとしたアイデアマンみたいな人から、
創作意欲がもりもり湧いてしょうがない人まで。

およそ創作を目指そうとする人は、
「創作意欲が湧き、
アイデアが湧いて湧いてしょうがない」
という興奮状態から、
「創作したいのにちっとも湧かない。
つらい。やめたい。アイデアなんてどこにもない」
という湧かない状態まで、
一通り経験したことがあると思う。

つまり波があって、
高波のあの興奮を忘れられなくて、
創作をし続けるのかもしれない。

で、
この波が、人によって違うと思う。
脳が違うからだ。

常に波が低く、アイデアを出すことが苦手な人がいる。
そういう人は創作に向いてないが、
別の仕事には向いてるかもしれない。

たとえば多くのピアニストは、
あれだけの曲が弾けるのに、
作曲できる人はほとんどいないそうだ。
あんなにパーツを知ってるのに、
新しい曲は思いつかないんですって。

僕からするとすごく意外で、
あれだけの筆と絵の具を持ってるのに、
なんで絵を描かないんだと思うんだが、
湧いてこないものはしょうがないよね。


逆に、湧きまくる人がいる。
これが止まらないのがADHDと診断される。
社会的生活を送ることが困難だから病気扱いされるが、
アイデアマンとしてこれほど良い脳はないだろう。
そういえば昔のクリエイターには、
社会的生活が出来ない人が沢山いた。
コンプライアンスとか言い出してから、
そうした人たちは会社組織から排除されている。

村から排除されかねない、
少数のアイデアマンたちによって、
村は発展したというのにね。

まあ、だから現代の日本はイノベーションが起こらない。
イノベーションを起こす、ADHD気味の人は、
並の低い人から見れば奇妙で扱いづらいからだ。
なんなら迷惑とすら思ってるかもしれない。

昔の編集者やプロデューサーは、
そうした天才型と付き合う方法を知っていたが、
ただのコンプライアンス会社員では、
それもうまくいかなくなるだろう。



僕はおそらくADHD気味だと思っている。
過集中なんて一瞬でできるし、
その時に周囲の音は消える。
(火事でも気付かないと思う。死ぬタイプだな)
アイデアは常に出て、
脳の中のものを整理しないと死んじゃう。
その一部がこの沢山書いてあるブログで、
その一部が創作に向かっているわけだ。

そして、社会人としての生活はだめだ。
毎日歯を磨く習慣や風呂に入る習慣は、
結構きつい。
書類を書くことがとても苦手で、
確定申告で10万円返ってくると分かってるのに、
もう20年毎年その手続きをしていない。
ネクタイを締めるのが嫌だからクリエーターになったが、
昨今のコンプライアンスの締め付けに限界が来つつある。
あと、電気代とかガス代とかたまに払えなくなる。

定期的に同じことをすることが苦手なので、
植物の水やりは一発で枯らす。
だから犬も飼わない。毎日の散歩ができないからね。

これはADHD全般に見られる特徴で、
あるところに集中すると、あるところが疎かになるわけだ。


で、
僕はこんな自分と適当に付き合いながらきたのだが、
もっも過度に脳が騒がしい人が、
ADHDと診断されると思われる。

だから、ADHDの人が薬を飲んで、
頭の中が静かになった、
波の低い状態を体験した文章がとても興味深かった。

小島慶子さんがADHDの薬を服用して驚いた「シーンとした世界」
https://withnews.jp/article/f0210426000qq000000000000000W0f310801qq000022886A?_gl=1*c1tiqi*_ga*dGZDUG54MDJfWkEyUDVkXzVuNWx4bEdWVHI4OUZzMzRqcHFRQy15SWlrb3pKTGRXT0pCWGJCM3hOSlVlLURaNw..

ADHD特有の、焦点があっちこっちに行ってしまい、
全体でまとまっていない様がリアルだ。
(そのかわり、ひとつひとつの事象については、
大変リアルでいい文章である)


他人の脳の中を覗くことはできないが、
どうやら普通の人は脳が静からしい。
え、考えないの?って僕は思う。
普通の人と企画打ち合わせをすると、
打ち合わせの場でアイデアが出なくてびっくりする。
今考える場なんだから、
5分もあれば新しいアイデアが出て考えがまとまるだろ、
などと思うのだが、
脳が静かだと、僕らの経験する「湧いて来ない状態」
なんだと思う。
そういう人はいつ湧いてくるんだろう。
酒を飲んだ時?セックスする時?パチンコで当てた時かな?


僕が逆に脳が静かになるのは、
創作をしてるときだ。
なぜかというと、
湧いてきたものが全部出ていくからだね。

とにかくメモにわーっと書いてしまえば、
脳が空になって荷物を下ろしたように思う。
創作の初心者は、
その荷物を全部創作物に下ろしがちだから、
整理されてないごちゃっとしたものができる
(そして不足も出てしまう)が、
手慣れた創作者は、
荷物を多めに持ってきて、
必要なパーツだけを組み合わせて、
あとはジャンクに入れることができるようになる。

そうした、
脳の騒がしさと、作られたものの関係を、
把握してるのが、熟練した創作者だと思う。


アイデアマンはだから、発散思考しかできないが、
創作者になるには、
発散思考と整理する思考と、
それをもっと上位から観察する思考が要求される。


創作をしない人、波が低く静かな人からみたら、
何故人は創作をするのか、
想像も出来ないと思う。

でもこんなに脳が騒がしいのが、
創作をして荷物を下ろすと、
脳が静かになって気持ちいいんだよね。

あたかも、溜め込んだ精子を射精することに、
創作はたとえられることがあるが、
まさにそんな感じだ。
ひとことでいうと、気持ちいいのだ。

(だから、その気持ちよさが、
他人にも気持ちいいかを客観的に見れないものを、
オナニーというわけだね)


人は何故創作するのか?
気持ちいいからだ。
なぜ気持ちいいのか?
脳や体の中に動き回るアイデアたちを、
外に出せてすっきりするからである。

アインシュタインもADHDだし、
多くのクリエイターはADHD傾向にある。
癇癪を起こしたり、計画の変更に耐えられないのは、
そうした性質のひとつだ。
それをパワハラと認識して排除したのは、
日本のものづくりを大きく後退させていると感じる。
(まあライバルが陥れる、一番手っ取り早い刺し方ではあるが)

要は彼らとうまくつきあえばいいだけなんだからさ。


世の中には、創作する人としない人がいる。
両者で分断があると思う。
僕はその架け橋をする義務があると思う。
posted by おおおかとしひこ at 11:55| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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