2022年03月26日

気持ちのジェットコースター計画

ができてるか?


ストーリーとは色んな人の思惑(コンフリクト)による、
事態の推移である。
ある事件から始まり、その決着(ハッピーエンドが望ましい)までを描く。

しかしストーリーが、
ただの事件レポートと異なるのは、
感情の起伏や流れが、劇的にあるところだ。
逆にいうと、
劇的でない、ドラマチックでない流れなんて、
ストーリーじゃないのだ。


基本的には、
主人公の感情と観客はシンクロする。
だとすると、
それが平坦で不動であるよりも、
乱高下したほうがジェットコースターとして面白い。

つまり、安心して逃げ道がある状態での発言よりも、
実現したら追放される文脈での発言の方が、
ジェットコースターとして面白いわけだ。

仮にそれを緊張と呼ぼうか。
その他にも、感情はさまざまにある。
笑いもあれば、悔しさもあれば、
理不尽への怒りもあれば、絶望もあれば、慟哭もあれば、
寂しさもあれば、希望もあれば、
ワクワクもあれば、好きという気持ちもあるだろう。

その、
気持ちのジェットコースターのリストを作ってるか?
ということ。
つもりは勿論あるだろうけど、
明確な言葉として書いておくのをお勧めする。

ここで嫌な気持ちになり、
ここでほっとする空気感に包まれ、
ここで悔しくて後戻りできなくて絶望して、
ここでどん底まで落ち込み、
ここで猛烈に必死になる、
みたいな感じのリストでいいよ。

もちろんそれを書けるかどうかもあるが、
とりあえず計画としてだ。


で、一旦書き終えたら、
その感情のリストのように書けてるか?
をチェックすると良い。

事件の顛末がうまく書けてるか?
矛盾や無理がないか?などのチェックとは別軸で、
観客=主人公の気持ちの軌跡を辿ってみるとよい。

それが平坦なら退屈だろうね。
それが乱高下して、観客の心がめちゃくちゃにかき乱され、
振り回されるものになっていると、
ただしい娯楽だろう。

リストの目標に対して届いていないなら書き直すべきだ。

もちろん、
観客より先行してめちゃくちゃになってはいけない。
それを滑るという。
観客とともに主人公が同じ気持ちになることが大事だ。


二時間の感情の旅は、どうなってるだろうか。

飽きや退屈なく、
この振り回しについてこれて、
なおかつギアをさらにあげられるか?
そうしたことを計画して、
ほんとに出来てるかチェックしよう。
出来てなければ、そのように書き直す。

エピソードの順番を入れ替えるだけで、
感情曲線が整うことだってある。
セリフの順番を変えて、盛り上げていくように作ることもできる。

あなたは稀代のジェットコースター設計者だ。
観客が手すりに思わず捕まってしまうような、
観客が前のめりになるような、
観客がのけぞるほどの、
ジェットコースターをつくろう。
posted by おおおかとしひこ at 08:00| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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