サドルプロファイルキーキャップ、とくにrev2は、
なんであんなに背が高いのか?
打面をそもそも高く取るためなんだよね。
じゃあそれは何のためか?
どういう良いことがあるのか?
そもそもこの3D曲面で打面を作ろうという話は、
「親指は他の4指と違う角度に付いている」
ことからスタートしている。
ふつうに手を構えた時、
親指は4指の打面よりも、
ずいぶん下に位置している。
キーボードで一番低い部分を親指に当てるなら、
4指の打面をそれより上に位置させるべきだ。
これが、サドルプロファイルが背の高い、
第一の理由である。
自作キーボードの作例でも、
keyball61のように、
4指担当をMX、親指担当をロープロのchocと振り分け、
打面の高低差をつけているものもある。
合理的なアイデアだ。
だけど既存のキーキャップではうまく曲面が作れないことと、
MXとchocのスイッチの性能差(chocはどうしても安っぽい)があることが、
ネックになっているような気がする。
だから僕は、同じMXのいいスイッチを並べた前提で、
曲面の異なるキーキャップを取り付ける方向へ行ってみたわけだ。
実際には両手はテントするため、
小指側が下がっている。
小指をつけ、親指を低い位置に構えた時に、
人差し指中指が親指より上に位置するような、
そんな位置関係になっている。
さて、第二の、そして本命の理由は、
打面を上げると、指が伸び、撫で打ちしやすくなることである。
ためしに、通常のキーボードの下にパームレストなどを置いて、
数センチ上げて打鍵してみると良い。
手首を起こさないと打てないからやや不快だけど、
この時指が伸びていることに気づかれたい。
この伸びた指が、撫で打ちに都合がいいことが分かると思う。
打面が高くなると、指の腹がキートップ面に近づくのである。
これは大昔HHKBを使ってた頃、
パームレストの上に乗せた状態で触ったら、
なんだか面白い手の角度になるな、
と気づいた頃からの観察だ。
「撫で打ちがしやすい」とはっきりと分かったのは、
サドルプロファイルrev2の開発半ばだろうな。
おそらく、
サドルプロファイルrev2を打つとき、
普通の手首の角度よりも、
やや起こし目にしないと打ちづらいと思う。
通常のキーボードの下にパームレストを入れたときほど無茶ではないが、
かなり自然な角度で起こすようになっているはず。
そうして自然に指を伸ばす
(ピンと伸ばすんじゃなくて、アーチを保ったまま緩やかに伸ばす)と、
丁度いいようになっている。はず。
これによって、
普段の打鍵よりも指が伸びるので、
指の腹がキートップ面に近づき、
そのまま撫で打ちがしやすいのだ。
自分の打鍵の観察→もうちょっとこうしたいという本能的な欲望
→それは何故いいのか?の観察
のループを回しまくって気付いたことのひとつが、
打面を高くすることの有効性だ。
ネガは今のところないんじゃないか。
持ち運びに嵩張る欠点はあるけどね。
久しぶりにDSAとかをMiniAxeにつけると、
こんな薄いキーボードなのかよ、とビビるよね。
キーボードは薄くあるべき、
というのはずっとある信仰なのかもしれないが、
打面を高くすることの意味は、あまり語られていないのでは。
チルトを入れるとまた議論が変わってきてしまう。
僕の言っているのは、
チルトなしで、平面ごと上にガバッと上げるようなイメージだ。
で親指だけはそのまま、みたいな感じ。
2022年03月22日
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