Twitterから。
> かれどー@sol_re_sol
> むかしパキスタンで天気雨が降ったときに「日本じゃキツネが嫁入りするときに天気雨になるっていうんだよ」って現地の兄ちゃんに説明したら「ここではジャッカルが嫁に行く時に降るんだ」って言われて驚いたことがあった。ものがたりというのは我々の想像を超えて遙か昔から全世界を回ってたんだろうな
おそらくは同じ発祥のものがたりが、
分岐して、時空を超えて残っている。
とてもおもしろい。
ジャッカルは日本にいない。
インドにはいる。
大陸続きだから中国にもいるだろう。
仏教が伝来したとき、
ジャッカルが日本にいないため、
よく似た形である動物であるところの、
狐に書き換えられた。
ジャッカルは仏の眷属であることが多く、
ジャッカルに乗った姿で描かれた仏もある。
それが、ことごとく日本の仏教画では、
白い狐に乗った姿に書き換えられている。らしい。
先行して存在した神道の稲荷信仰と、
ごっちゃになった(習合)可能性が高いだろう。
ぼくは「狐の嫁入り」は稲荷さん系の狐だと思っていたのだが、
これらの状況証拠から、
仏教系の逸話なんだということがわかる。
天気雨という不思議な現象を、
科学の説明ではなく、
物語の力で認識した人が、
4000年前にインド近辺にいた。
それが今なお生きているのは、
狐の嫁入りという絵面の面白さ
(人を騙す狡猾な動物が嘘をついている感じ)と、
滅多に出くわさない天気雨の頻度の、
バランスが丁度いいからじゃないかな。
ウィスキーが熟成すると体積が減るため、
満杯だったはずのウィスキーがちょっと減ってて、
それを「天使のわけまえ」という話も好きなんだけど、
樽を開ける機会は、
天気雨に比べてほぼないだろう。
(専門職になれば日常だろうし)
この、「誰にでもあてはまる天気雨の頻度」が、
この話が長く消えない理由じゃないかな。
現実はこうだ。
だけど物語は、それをちょっと違った角度から見て、
別の首尾一貫性をつくってしまう。
その見立ての面白さこそが、
物語の寿命を決めるのかもしれない。
4000年前のインドのどこかの人よ。
あなたのぽっと出の嘘は、
まだどこかで誰かを楽しませているぜ。
狐の嫁入りは見たことないけど、
その絵面はとてもおもしろい。
2022年03月24日
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