あることを台詞で言いたいとしよう。
いきなり言うのは下手だ。
だってリアルを想像すればいい。
いきなりそれを言わないよね?
リアルを観察していればわかる。
あることを言おうとしているときに、
何か迎えにいく呼び水の話をしてから、
それに関連付けて言うものである。
あることを話しているときに、
言いたいことを思い出して、
それを言うのである。
いきなりAをいうわけではない。
何かの折に触れて、
関連したAがでてくるものである。
もちろん、事前にそれを言いたいと分っていて、
それを通達する場があったりすれば、
いきなりAという辞令を言うことがあるだろう。
彼女に告白するぞ、と事前に練習したって、
いきなりデートの場面で告白できるものではないよね。
それにふさわしい文脈というものがあるよね。
(まあラブストーリーは突然にしたほうがいい時もあるだろうけど、
たいていは唐突で、相手に受け止める準備が出来ていないよな)
つまり、
相手のことを考えていない発言というのは、
人間社会でほとんどないのだ。
辞令の交付のような、一方的な物言いのときしか、
いきなり何かをいうことはないのだ。
せめて世間話から入るとか、天気の話から入るとか、
そうしたことを人は工夫するものである。
そうした、
いきなり何かを言わずに、
言いたいことに対して誘導するような話術が書けて初めて、
唐突に結論から入る話法は、
インパクトがあるわけだ。
唐突に話すやり方から、
いつの間にか本題に入っていて、
この沼を抜けるのは無理だぞと悟るまで、
色々な話し方が書けるようにならないと、
話題のコントロール権を失うだろう。
2022年03月31日
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