2022年05月08日

ギブアンドテイクは、メアリースーを避けられる

物語創作の敵、メアリースー。
これは「一方的に(理由もなく)愛されている」ことが原因である。
じゃあ、「愛される理由」をつくればいいということになる。


一方的にテイクしている現象が、
とりあえずメアリースーなり、ご都合主義にみえるわけだ。
じゃあギブすればいいんじゃん。

まずギブがあり、その結果、愛されてテイクされる、
という風にすればよい。
主人公が愛され、感謝され、その集団の中心にいられるのは、
ギブがあったから、であれば、
それは因果関係であり、当然の帰結である。
(それだけテイクされるにはギブが足りないとか、
ギブに対してテイクが少なすぎる、
などのギブとテイクのバランスという問題は生まれ得るが、
ギブとテイクの因果関係がないという問題は回避出来る)

逆でもよい。
テイクがあったから、ギブで返す、
という展開でもよい。
ただこれは、「ずっとテイクしつづけて、
最後の最後にちょっとしたギブをして恩返しする」
というメアリースーの典型的なパターンも含まれてしまうので、
テイク後のギブはおすすめではない。
(慣れてきたらやってもよい)

なので、最初はギブ、アンド、テイク、
の順番でいいんじゃないかと思う。

一個だけ例外があるとしたら、
母親の愛情のみだ。


なぜ主人公は愛されてるのか。
なぜ主人公は好かれているのか。
それを創作することはむずかしい。
だから、最初から愛されている設定にせず、
「愛されるに至ったギブ」をストーリーの中で描いてしまうと良いだろう。
それがうまく書けたら、
その後モテモテになろうが、
何もしなくてもあなたはそのままでいいのと言われようが、
説得力があると思う。

要するにメアリースーは、説得力がないわけだ。
「なぜ主人公はモテるのか?」
「なぜ主人公は女ばかり相手にするのか?」
「なぜ主人公は大事にされ、気を使われるのか?」
に十分な説得力がないのは、すべてメアリースーである。
それは周囲に母親を求めているだけに過ぎない、
つまり甘えなわけだ。

「自分の居場所を見つけること」は、
人生でも、物語でも重要なテーマのひとつである。
だから、安易に居場所があるメアリースーは、
それに立ち向かわない分甘えているわけだね。


まずギブ。そののちテイク。
テイクアンドギブは世の中に存在しない。
きっと胡散臭いからだろう。
ギブからのテイクを考慮しよう。

もし母親意外に、
理由なく主人公を愛するキャラクターがいたら、
彼/彼女が主人公を愛するに至ったエピソードを創作すること。
それがストーリーの進行を妨げることになるならば、
そのキャラクターを削除してしまってもいいくらいだ。
posted by おおおかとしひこ at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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